この表からジャディアンスとフォシーガには下記のような違いがあることが分かります。


SGLT2阻害薬は糖尿病患者の血糖値を下げる薬として開発されたので、血糖値が下がりすぎる低血糖に注意が必要です。


また、ジャディアンスとフォシーガの違いとしてはも挙げられます。

一方で、低選択性のSGLT2阻害薬は、食後の血糖を下げる効果が期待されます。SGLT1阻害作用により消化管における糖の吸収を妨げる可能性があるからです。

これら合併症は、既存の経口血糖降下薬の大規模臨床試験ではメトホルミン以外、その発症を有意に抑えるような結果を得られませんでしたが、SGLT2阻害薬を投与した症例群ではその発症を有意に抑える結果となり、一気に市民権を得ました。

飲む量ではジャディアンスが10mgまたは25mg、フォシーガが5mgまたは10mgという違いがあります。

臨床用量ではSGLT1に影響を与えるほど十分な濃度に到達しないという判断ですね。実際に、国内プラセボ対照比較試験において安全性が確認されています。消化器症状の有害事象、発現頻度は下記でした。

フォシーガ(ダパグリフロジン)は、SGLT2阻害薬として血糖コントロールをサポートする薬ですが、他の治療薬と比較する際には、その特徴や違いを理解することが重要です。特に、GLP-1受容体作動薬や他のSGLT2阻害薬との違いを知ることは、患者にとって最適な治療選択を行う際に役立ちます。以下では、フォシーガとGLP-1受容体作動薬、および他のSGLT2阻害薬との比較について説明します。

(SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation 2014.6.13より)


海外からの報告では、特定のSGLT2阻害薬には心血管イベントのリスクを抑制する効果が報告されています。

心血管疾患のある2型糖尿病患者に対して、ジャディアンスを投与した群では、全死亡、心血管疾患による死亡率が低く、心不全による入院の抑制に効果があったことが報告されています。



血液をろ過して尿を作る臓器は腎臓です。血液は尿が作られる過程で、腎臓にある「糸球体」というザルのようなところでろ過され原尿(尿のもと)が作られます。血液中の糖はこの糸球体をすり抜けて、原尿に排泄されます。糖はからだにとって必要なものであるため、一度は原尿に排泄されるものの、通常は尿細管という通路を通る際に再び取りこまれて血液中に戻されます。SGLT2阻害薬はこの尿細管から血液中へのブドウ糖の再取込みを妨げ、尿の中に糖を出して血糖を下げます。

ジャディアンスとフォシーガでは、フォシーガの方がより強いダイエット効果が期待できます。


特定のSGLT2阻害薬には、腎保護作用があることが報告されています。

下図は、2型糖尿病のアジア人の患者にジャディアンスを投与して、経時的に腎機能が悪化するかを見たデータです。


縦軸:腎機能(eGFR)
横軸:経過時間(週)




また、糖尿病性腎症のアルブミン尿の進展抑制にも効果があることが報告されています。

糖尿病性腎臓病をもつ患者さんには、SGLT2阻害薬は良さそうですね。



デベルザ、ルセフィ、フォシーガ、ジャディアンスなどの選択性が高いSGLT2阻害薬は、消化管に存在するSGLT1への影響が少なく安全性に優れた製剤だといえます。


今回はここ数年で話題となったSGLT2阻害薬を取り扱ってみようと思います。

なのでSGLT2阻害薬で一時的、急激にeGFRが悪化するのは当然なんです。

ダイエットに使われることが多いSGLT2阻害薬は、「ルセフィ」や「カナグル」などです。

市販されていないのは、SGLT2阻害薬が「医療用医薬品」に該当するためです。

SGLT2阻害薬の使用で起こりうる副作用には、以下のようなものがあります。

赤丸部分:注目すべきはSGLT2阻害薬を飲んだ患者(青線)のeGFRが1か月後に6近く下がっていること。

商品名はスーグラ、ジャディアンス、フォシーガ、ルセフィ、デベルザ、アプルウェイ、カナグル。

最後に、患者の個別のニーズや医師の判断に基づいて、メトホルミンとフォシーガのどちらを選択するか、または併用するかを決定することが重要です。医師と相談しながら、自分に最適な治療法を見つけることが、長期的な血糖コントロールと健康維持の鍵となります。

ジェネリック医薬品は全てのSGLT2阻害薬で発売されていません。

青い線がSGLT2阻害薬であるカナグルを服用した患者
黄色の線がプラセボ(薬効成分が入っていない偽薬)を服用した患者

ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。

選択性がSGLT2SGLT1の薬剤は副作用が少ないといわれています。なぜなら、SGLT1は消化管(主に)や心臓や肺、腎臓(一部)に存在し、阻害作用により何らかの影響を与える可能性があるからです。

ジャディアンスとフォシーガについてのよくある質問にお答えします。


SGLT2阻害薬を飲むと、血圧低下作用があることが報告されています。



血圧の低下するメカニズムは完全に解明されていませんが、一つの機序として、ナトリウムの利尿作用によると考えられます。

なお、全てのSGLT2阻害薬に共通する禁忌事項は、以下の通りです。

フォシーガはSGLT2を阻害することで、腎臓から糖を尿に排出し、血糖値を下げます。一方、GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌を刺激し、グルカゴン分泌を抑制することで血糖値をコントロールします。また、GLP-1受容体作動薬は食欲を抑制し、胃の排出を遅らせる作用もあります。

薬の名前としてフォシーガ、ジャディアンス、カナグルあたりが有名です。

薬については特にSGLT2阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の調整を行うことを推奨します。

SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。

選択性の程度によって何が違うのか?調べてみましたが、臨床で使い分けがされるくらいの大きな違いはないと考えられます。“SGLT2選択的”阻害薬である点は変わらないので、一括りの理解でOKです。

SGLT2阻害薬は簡単に言うと、余分な糖をおしっこで外へ出す薬です。


SGLT2阻害薬には、体重減少作用があることが報告されています。



(プラセボ群では平均 68.6kgから、0.8kg(約1%)の体重減少を認めました。)




縦軸:HbA1c変化(%)
ジャディアンス 左 10mg 右 25mg
BMI:左:やせ 中:普通 右:肥満


体重が減少した際に気になるのは、体重が減ったのは、筋肉が減ったのか、脂肪が減ったのかです。

ルセフィ(ルセオグリフロジン)を、日本人2型糖尿病患者さんに、52週間にわたり投与して、体重推移や脂肪量などの変化を検討した研究の結果は次のようになりました。

体重は 平均78.6kgから、3.1kg減少しました。

次の図は、体脂肪量と除脂肪体重の時間経過をみたものです。




除脂肪体重は、有意差はありませんが、若干減る傾向が認められます。

体脂肪量は、時間が経つにつれて減少していき、52週後には、約2.5kg減少しています。



体重減少の機序としては、尿中に糖分が漏れて、カロリーのロスが生じることが一因と考えられます。

しかし、尿糖の排泄量が少ない腎機能が悪い人でも、同程度に体重が減る事から、尿糖の排泄量の増加以外の機序もありそうです。



SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。

SGLT2阻害薬は尿中にブドウ糖を捨てて血糖値を下げてくれる薬として開発され、糖尿病治療に広く使われてきました。

その後、糖尿病だけでなく、慢性心不全や慢性腎臓病にも効果があることがわかり、2021年8月にフォシーガが慢性腎臓病治療薬として使えるようになりました。

2024年4月現在、腎臓病治療薬として処方してもらえるSGLT2阻害薬はフォシーガ、ジャディアンス、カナグルの3剤ですが、このうち糖尿病が無くても使えるのはフォシーガとジャディアンス

カナグルは糖尿病に合併した腎臓病でないと使えません(糖尿病治療薬としては使えますが、腎臓病単独の治療目的には使えません)

【参考】

SGLT2阻害薬は、摂取したブドウ糖を排泄します。つまり、できます。

ジャディアンスの入手に、オオサカ堂などの「個人輸入代行サイト」を利用するのは危険です。

そのため、SGLT2阻害薬で高い治療効果を期待することができます。

増量不可の薬剤(固定用量)のSGLT2阻害薬は投与方法がわかりやすいのが利点です。一方で、増量可能な薬剤(個別用量)は、効果や副作用等に合わせて用量調節できるのがメリットですね。

以下に該当する人は、SGLT2阻害薬をおすすめできない可能性があります。

フォシーガは、メトホルミン単独では十分な効果が得られない場合や、体重減少を強く望む患者に適しています。特に、肥満を伴う2型糖尿病患者にとっては、フォシーガの体重減少効果が大きな利点となります。また、心血管疾患リスクが高い患者にもフォシーガの使用が推奨されることがあります。

SGLT2阻害薬では心血管疾患や腎疾患に対するデータが示されています。

GLP1受容体作動薬やSGLT2阻害薬は、体重を減らす効果があります。GLP1製剤は食欲を抑えるので、体重減少を期待できます。しかしSGLT2阻害薬については、糖が排泄されることに伴う減少なので、食欲をコントロールできない場合に体重は減らず、増えてしまうかもしれません。