CQ8 突出性悪心・嘔吐に対して,メトクロプラミドの投与は推奨されるか?


多くの変数がANVの発生に相関する潜在的危険因子として研究されている。いずれの因子がANVを予測するかについては、意見の一致をみていない。しかしながら、次に挙げる最初の8項目の特徴のうち該当する項目が2つ以下の患者はANV発症の可能性が低く、初回化学療法薬投与後にスクリーニングを実施すると高リスクの患者を同定しうる。


CQ11 予期性悪心・嘔吐に対して,非薬物療法は推奨されるか?

また,制吐療法以外の支持療法や併存症に対する治療薬を併用している場合も多く,薬物相互作用によるそれぞれの薬効の変化も考慮した薬剤選択や用量調整が必要である。

日本語
シスプラチンベースの化学療法誘発性悪心・嘔吐の予防に対する
オランザピン併用標準制吐療法における
デキサメタゾン投与日短縮の非劣性を検証する
プラセボ対照二重盲検ランダム化第Ⅲ相比較試験

薬剤師のためのBasic Evidence(制吐療法) | 日医工株式会社

いったんANVが発症すると、制吐薬では制御できないようである;しかしながら、さまざまな行動介入が検討されている。これには以下がある:

がん薬物療法で使用する基本的な制吐薬には5-HT3 受容体拮抗薬,NK1 受容体拮抗薬,デキサメタゾン,オランザピンの4 剤があり,これらを催吐性リスクによって使い分ける。催吐性リスクに応じた適切な制吐療法を行っているか,制吐療法実施のための体制が整備されているかは,重要な施設評価のポイントとなり得るので,施設全体で取り組む必要がある。

化学療法によって誘発される遅発性の悪心・嘔吐の予防におけるデキサメタゾン単剤またはオンダンセトロンとの併用 ..

経口抗がん薬による催吐性リスクについては に示す。経口抗がん薬は近年,数多く製造販売承認されており,悪心・嘔吐を含む有害事象の情報を集めたうえで適切な制吐療法を行う。

誘導イメージ法による段階的な筋弛緩、催眠、および系統的脱感作は、最も研究が進んでおり、治療法として検討すべきである。ANVが認められた場合は、心理士または特殊な訓練を受け、かつがん患者を担当した経験のある精神衛生の専門家への紹介を検討すべきである。ANVの同定が早ければ早いほど、治療が奏効する可能性が高くなる;そのため、早期スクリーニングと紹介が不可欠である。しかしながら、医師および看護師は化学療法誘発性のN&Vの発生率を過小評価している。[証拠レベル:II]

遅延性悪心・嘔吐に対する効果の比較検討を行った. 急性悪心・嘔吐及び days 5, 1―10 の嘔吐の抑制

また,高度・中等度リスクの経口抗がん薬に対して,MASCC/ESMO ガイドライン2016 では,5-HT3受容体拮抗薬,副腎皮質ステロイドの2 剤併用が推奨されている。NCCN ガイドライン2017 では,5-HT3受容体拮抗薬の経口連日投与が推奨されているが,シクロホスファミド,エトポシド,テモゾロミドでは,日常臨床において治療目的や放射線治療併用のために副腎皮質ステロイドが併用されていることが多い。

臨床試験では抗がん薬による悪心・嘔吐の評価方法として,主に有害事象共通用語規準(CTCAE:Common Terminology Criteria for Adverse Events)が用いられているが,その評価は医療従事者側の評価であって患者自身の主観的な評価ではないことに注意する必要がある。また,抗がん薬投与開始後,急性期(0~24 時間),遅発期(24~120 時間),全期間(0~120 時間)の悪心・嘔吐の評価方法()が臨床試験で用いられてきたが,医療従事者による過小評価の問題等,評価の妥当性は十分とはいえず,患者自身による正確な評価方法の開発が重要になっている(→ 参照)。近年は電子デバイスを用いた患者自身による症状評価(ePRO:electronic patient-reported outcome)を用いた「制吐療法の研究」が行われるようになっており,実臨床への導入に向けた取り組みが進んでいる。


21-P2-256 癌化学療法誘発性の急性悪心・嘔吐に対する ..

本サイトに掲載している製品写真データは、医療関係者を対象として、患者さまへの服薬指導等の医薬品適正使用の推進にご活用いただくことを目的として提供しているものです。
上記以外の製品写真データのご利用に際してはにお問い合わせ下さい。

[PDF] 2016年04月 『抗癌剤の催吐性リスク分類と制吐療法について』

本サイトに掲載している製品写真データは、医療関係者を対象として、患者さまへの服薬指導等の医薬品適正使用の推進にご活用いただくことを目的として提供しているものです。
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抗癌剤治療に伴う副作用のひとつである、吐き気・嘔吐を適切にコントロールするために ..

※アプレピタントはCYP3A4阻害作用をもち、デキサメタゾンのAUCを約2倍にする。
※デキサメタゾンを積極的に利用できない場合は5-HT3受容体拮抗薬を追加する。
※デキサメタゾンは1日目は注射薬、2日目以降は経口薬。
※()は症状や既往により調節可能、症状に合わせて投与。

化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)の予防に用いられるデキサメタゾンについて、投与日短縮法の制吐 ..

がん薬物療法における基本的な制吐薬として,NK1受容体拮抗薬,5-HT3受容体拮抗薬,デキサメタゾンの3 剤があり,これらを催吐性リスクによって使い分けていく(→,,制吐療法アルゴリズム,制吐薬治療のダイアグラム)。最近のQI 調査においては,催吐性リスクに応じた適切な制吐療法をどの程度行っているか,それを確実に行う体制が整備されているかが評価項目となっており,施設全体の取り組みであるという認識が必要である。

遅発性の悪心・嘔吐:投与後24時間~120時間程度持続する悪心・嘔吐

5-HT3受容体拮抗薬は,第1 世代,第2 世代と多くの種類があるが, 最大限の制吐効果を得るために最新の高価な薬剤を使っても有効性の優劣が明確でない場合もある。抗がん薬の催吐性リスクだけでなく, どの化学療法レジメンで, どのような制吐レジメンを用いるかで, 第一世代と第二世代の使い分けが示されており(→), 有効性が同等であればより安価な方を選択し適切に制吐療法を行っていくことが推奨される。

デキサメタゾンの追加投与により嘔吐の制御能を改善するものの、ステロイドの補助 ..

がん患者では,抗がん薬以外にも支持療法や併存症に対する治療薬を併用している場合が多いため,薬物相互作用によるそれぞれの薬効の変化にも留意した選択・用量調節が必要である(→)。

項目として、デキサメタゾンの用量別の急性期および遅発期の CR 率(「嘔吐、救済治療

経口抗がん薬における催吐性リスクについては,MASCC/ESMO ガイドライン2016 を参考に作成委員会内でコンセンサスを確認し, それ以外の薬剤については承認申請時のデータ,代表的な臨床試験の報告をもって に示すリスク分類とした。わが国で使用頻度の高いテガフール・ギメラシル・オテラシル(S-1)では,悪心の発現頻度は3~54%,Grade 3/4 は0.2~7.1%,嘔吐の発現頻度は14~28%,Grade 3/4 は1.2~4.3%と報告されており,軽度リスクに分類した。トリフルリジン・チピラシル(TAS-102)は悪心と嘔吐の発現頻度がそれぞれ48%,28%であることから中等度リスクに,アレクチニブは悪心の発現頻度が13%であり軽度リスクに分類した(→)。レンバチニブでは悪心の発現頻度が41%, Grade 3 が2.3%であり, 中等度リスクに分類した。

表3 造血器腫瘍に使用する抗がん剤の催吐性リスク分類と予防. 米国癌治療学会(ASCO). 注射用薬. 経口薬. 急性の悪心・嘔吐の予防.

注1: 英語表記は本邦未承認。
注 2: 「 ※」は海外のガイドラインには記載がないが,わが国では使用可能な薬剤。
注3: 下線付きの薬剤は30 年以上前に開発された薬剤(アムルビシン,ネダプラチン,ピラルビシンを除く)。 (3)注射抗がん薬における催吐性リスクに応じた制吐薬の選択 がん薬物療法における基本的な制吐薬として,NK1受容体拮抗薬,5-HT3受容体拮抗薬,デキサメタゾンの3 剤があり,これらを催吐性リスクによって使い分けていく(→,,制吐療法アルゴリズム,制吐薬治療のダイアグラム)。最近のQI 調査においては,催吐性リスクに応じた適切な制吐療法をどの程度行っているか,それを確実に行う体制が整備されているかが評価項目となっており,施設全体の取り組みであるという認識が必要である。 5-HT3受容体拮抗薬は,第1 世代,第2 世代と多くの種類があるが, 最大限の制吐効果を得るために最新の高価な薬剤を使っても有効性の優劣が明確でない場合もある。抗がん薬の催吐性リスクだけでなく, どの化学療法レジメンで, どのような制吐レジメンを用いるかで, 第一世代と第二世代の使い分けが示されており(→), 有効性が同等であればより安価な方を選択し適切に制吐療法を行っていくことが推奨される。 がん患者では,抗がん薬以外にも支持療法や併存症に対する治療薬を併用している場合が多いため,薬物相互作用によるそれぞれの薬効の変化にも留意した選択・用量調節が必要である(→)。 (4)経口抗がん薬における催吐性リスク評価と制吐療法 経口抗がん薬における催吐性リスクについては,MASCC/ESMO ガイドライン2016 を参考に作成委員会内でコンセンサスを確認し, それ以外の薬剤については承認申請時のデータ,代表的な臨床試験の報告をもって に示すリスク分類とした。わが国で使用頻度の高いテガフール・ギメラシル・オテラシル(S-1)では,悪心の発現頻度は3~54%,Grade 3/4 は0.2~7.1%,嘔吐の発現頻度は14~28%,Grade 3/4 は1.2~4.3%と報告されており,軽度リスクに分類した。トリフルリジン・チピラシル(TAS-102)は悪心と嘔吐の発現頻度がそれぞれ48%,28%であることから中等度リスクに,アレクチニブは悪心の発現頻度が13%であり軽度リスクに分類した(→)。レンバチニブでは悪心の発現頻度が41%, Grade 3 が2.3%であり, 中等度リスクに分類した。 注1: 英語表記は本邦未承認。
注 2: 「 ※」は海外のガイドラインには記載がないが,わが国では使用可能な薬剤。 (5)制吐療法の評価 現在, 抗がん薬の副作用である悪心・嘔吐の評価方法としては, CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Event) v4.0-JCOG が用いられているが,これは制吐療法の評価方法ではない(→)。従来のわが国の制吐療法における臨床試験では,悪心・嘔吐が「ない」,「我慢できる」から,「ほとんど食べられない」といったチェック項目を患者に提示して個々の治療効果を示してもらうなどの方法がとられていた。最近の臨床試験では,がん薬物療法施行後0~120 時間の完全制御割合,0~24 時間の完全制御割合(急性),24~120 時間の完全制御割合(遅発性)などが評価項目として用いられている()。しかし,医療者は過小評価の傾向が指摘されており,悪心・嘔吐の予測がどの程度できているかの評価も重要である。また, 患者自身による主観評価にあたる Patient-Reported Outcome (PRO) の重要性も認識されてきており, がん臨床試験における患者の自己評価に基づき, 有害事象評価の正確性と高い精度のグレーディングを追及したツールとしてPRO-CTCAEが公開されてきており(), 日常診療として客観的評価とどのようにして関連づけて評価していくか等に関する検討が必要になるであろう。 1) 佐伯俊昭.制吐薬適正使用ガイドラインに関するアンケート調査.癌と化療.2015; 42: 305-11. 2) 渡部智貴,半田智子,加藤裕久.日本国内の臨床試験に基づく抗がん剤の催吐性リスク分類.癌と化療.2015; 42: 335-41. 3) 有害事象共通用語規準v4.0日本語訳JCOG版(CTCAE v4.0 - JCOG)
(accessed January 18, 2018) 4) Tamura K, Aiba K, Saeki T, et al. Testing the effectiveness of antiemetic guidelines: results of a prospective registry by the CINV Study Group of Japan. Int J Clin Oncol. 2015; 20: 855-65. 5) PRO-CTCAE™ 日本語版.
(accessed January 18, 2018) 6) Yana T, Negoro S, Takada M, et al. PhaseⅡ study of amrubicin in previously untreated patients with extensive-disease small cell lung cancer: West Japan Thoracic Oncology Group(WJTOG)study. Invest New Drugs. 2007; 25: 253-8. 7) Kimura K, Yamada K, Uzuka Y, et al. PhaseⅠ study of N4-behenoyl-1-1-beta-d-arabinofuranosylcytosine and its phaseⅡ study in adult acute leukemia. Current chemotherapy and immunotherapy. Proceedings. 12th International Congress of Chemotherapy, pp 1306-8, 1982. 8) 太田和夫.ネダプラチン(Nedaplatin)について.癌と化療.1996; 23: 79-87. 9) 塚越茂.Pirarubicin(THP-Adriamycin)について.癌と化療.1998; 15: 2819-27. 10) Fujiyama S, Shibata J, Maeda S, et al. Phase I clinical study of a novel lipophilic platinum complex(SM-11355)in patients with hepatocellular carcinoma refractory to cisplatin/lipiodol. Br J Cancer. 2003; 89: 1614-9. 11) 斉藤達雄.Nitrosourea 系新規抗癌剤ACNU{1-(4-Amino-2-methyl-5-pyrimidanyl)methyl-2-(2-chloroethyl)-3-nitrosourea hydrochloride}のPhaseⅠおよびPhaseⅡStudy.癌と化療.1977; 4: 105-18. 12) 正岡徹,他.造血器腫瘍性疾患におけるMCNU の臨床第Ⅱ 相試験.Chemotherapy.1985; 33: 271-8. 13) 木村禧代二.共同研究によるVidesine sulfate の固形腫瘍に対するPhaseⅡStudy.癌と化療.1983; 10: 2036-42. 14) 犬山征夫.ペプレオマイシン.癌と化療.1980; 7: 1498-504. 15) Schlumberger M, Tahara M, Wirth LJ, et al. Lenvatinib versus placebo in radioiode-refractory thyroid cancer. N Engl J Med. 2015 ; 372: 621-30. 16) Seto T, Kiura K, Nishio M, et al. CH5424802(RO5424802)for patients with LK-rearranged advanced non-small-cell lung cancer(AF-001JP study): a single-arm, open-label, phase 1-2 study. Lancet Oncol. 2013; 14: 590-8. 17) Vidula N, Rugo HS. Cycline-dependent linase 4/6 inhibitors for the treatment of breast cancer: a review of preclinical and clinical data. Clin Breast Cancer. 2016; 16: 8-17. 18) Goss G, Tsai CM, Shepherd FA, et al. Osimertinb for pretreated EGFR Thr790Met-positive advanced non-small-cell lung cancer (AURA2): a multicenter, open-label, single-arm, phase 2 study. Lancet Oncol. 2016 ; 17 : 1643-52. 19) Kantarjian HM, Shah NP, Cortes JE, et al. Dasatinib in newly diagnosed chronic-phase chronic myeloid leukemia: 2-year follow-up from a randomized phase 3 trial (DASISION). Blood. 2012; 119: 1123-29 20) Flaherty KT, Robert C, Hersy P, et al. Improved survival with MEK inhibitor in BRAF-mutated melanoma. N Engl J Med. 2012 ; 367: 107-14. 21) Dummer R, Duvic M, Scarisbrick J, et al. Final results of multicenter phase II Study of the purine nucleoside phosphorylase (PNP) inhibitor forodesine in patients with advanced cutaneous t-cell lymphomas (CTCL) (Mydosis fungoides and Sé zary syndrome). Ann of Oncol . 2014 ; 1807-12.

高度リスクの抗がん薬による急性の悪心・嘔吐に対しては、アプレピタント(もしくはホ

したがって、
制吐薬適正使用ガイドラインの中等度催吐性リスクの支持療法に基づいて内容を検討します。

悪心・嘔吐は、その発現時期や状態より、「急性期悪心・嘔吐」(抗がん薬 ..

ふくしま・あき:社会福祉士。立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)、「病気でムダなお金を使わない本」(WAVE出版)など。