[PDF] 慢性心不全治療薬としての SGLT-2 阻害薬について


今回の追加承認は、左室駆出率が低下した心不全患者4744例を対象とした国際共同試験(DAPA-HF試験)の良好な結果に基づくもので、フォシーガは、標準治療との併用で、主要複合評価項目(入院または緊急受診と定義される心不全の悪化、あるいは心血管疾患を原因とする死亡)をプラセボと比べ26%低下させた。


SGLT-2 阻害薬のフォシーガ錠が 2020 年に慢性心不全の効能が追加 ..

左室駆出率が保たれた慢性心不全における有効性・安全性は確立していないため、添付文書には「左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること」と記載された。

フォシーガは、2型糖尿病治療薬として世界で最初に発売された選択的SGLT2阻害剤。日本では2014年3月に2型糖尿病、2019年3月に1型糖尿病の効能・効果で承認されている。

2021 年 急性・慢性心不全診療ガイドライン フォーカスアップデート版において、

フォシーガは左室駆出率が低下した心不全の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)などで既に承認。さらなる適応拡大に向け国際共同試験(DAPA-CKD試験)で慢性腎臓病に対する治療も検討されている。

つまり、SGLT2阻害薬は食事から摂取した糖質(グルコース)を尿の中に残し、体外に排出する作用があるのです。

米で心不全適応が拡大 左室駆出率を問わず使用可能に | 日刊薬業

また最近、SGLT2阻害薬のうちのフォシーガは2型糖尿病に対してだけでなく、慢性心不全に対して適応症を得たというプレスリリースが、アストラゼネカ英国本社から2020年10月10日に発信されました。2020年11月27日には慢性心不全に対する効能・効果の追加承認が日本でも厚生労働省から認可されました。

心不全のガイドラインでは、左室駆出率が40%未満の心不全を「左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)」、左室駆出率が50%以上の心不全を「左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)」と定義しています。左室駆出率が40%以上50%未満の心不全は、「左室駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)」と呼んでいます。

心不全P3結果がNEJMに掲載 左室駆出率40%超が対象 | 日刊薬業

フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景として、フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する予防と抑制効果、臓器保護効果が示されています。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こす可能性があります。

フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景として、フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する予防と抑制効果、臓器保護効果が示されています。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こす可能性があります。


RCT の対象患者は主に心不全の NYHA 分類Ⅱ度(7.5-8 割)、Ⅲ度(2-2.5 割)であり、左室駆出率が 50%以下 ..

私が医者になった1980年頃は、「心不全の原因は、左心室の収縮機能障害である」、「心不全=LVEFが低下した状態」と考えられていました。一方、収縮性心外膜や肥大型心筋症では、「拡張機能障害があるため、左心室の収縮機能が正常であっても心不全が起こる」ことはよく知られていました。
しかし、それらは例外的な心不全と位置付けられていました。その後、心不全でもLVEFが50〜60%以上である場合が少なからずあることがわかってきました。最近の研究では、心不全患者の半数以上でLVEFは正常もしくはほぼ正常(50%以上)と報告されており、近年はさらに増加傾向を示しています。ガイドラインでは、LVEFが50%以上の心不全を左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)と定義しています。LVEFは保たれているのですが、HFpEFはHFrEFと同じように予後不良です。

左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)では、β遮断薬、アンギオテンシン変換酵素 ..

2型糖尿病の方を対象とした臨床試験では、フォシーガの服用でHbA1cが平均で0.41~0.45低下したという結果が得られています。また、別の臨床試験では、長期間にわたって安定した血糖コントロールが得られたことが報告されています。
また、インスリンによる治療で血糖コントロールが十分にできていない1型糖尿病の方を対象とした試験では、インスリンとフォシーガの併用でHbA1cが平均で0.36~0.40低下したという結果が得られています。

アストラゼネカ株式会社 SGLT2阻害薬『フォシーガ』左室駆出率を問わず慢性心不全の治療薬として使用可能に

昨年、SGLT2阻害薬として初めて慢性心不全での承認を取得し、慢性腎臓病への適応拡大を申請した「フォシーガ」。同薬を開発したアストラゼネカの緒方史子氏(執行役員 循環器・腎・代謝/消化器事業本部長)と矢島利高氏(メディカル本部 循環器・腎・代謝/消化器疾患領域統括部 統括部長)に、その意義や心・腎領域の事業戦略について聞きました。

[PDF] 左室駆出率の軽度低下または保持 不全、ダパグリフ ロジンが有効

残念なことに、HFpEFには、HFrEF(左室駆出率が低下した心不全)のような確立した治療法がまだありません。一方、高齢者の心不全はHFpEFが多いので、高齢化に伴って急増している心不全の大半はHFpEFが占めると予想されています。このように、HFpEFに確立された治療法がないことは社会的にも大きな問題であり、予後を改善させる有効な治療法を見つけることが急務です。

左室駆出率が軽度低下した⼼不全(HFmrEF)または保持された⼼

Results:95,444人の参加者を対象とした75の関連試験を同定した。ARNi、BB、MRA、SGLT2iの併用が全死亡の減少に最も有効であり(HR:0.39、95%CI:0.31-0.49)、次いでARNi、BB、MRA、ベリシグアト(HR:0.41、95%CI:0.32-0.53)、ARNi、BB、MRA(HR:0.44、95%CI:0.36-0.54)であった(Central Illustration A)。心血管死またはHFによる初回入院の複合アウトカムについても結果は同様であった(ARNi、BB、MRA、SGLT2iのHR:0.36、95%CI:0.29-0.46、ARNi、BB、MRA、オメカムチブメカルビルのHR:0.44、95%CI:0.35-0.56、ARNi、BB、MRA、ベリシグアトのHR:0.43、95%CI:0.34-0.55)(Central Illustration B)。
ARNi、BB、MRA、SGLT2iを投与された70歳の患者において、二次解析で無治療と比較して追加的に得られると推定された生命年数は5.0年(2.5~7.5年)であった(Figure 3)。

【心不全】「フォシーガ」承認 心血管疾患治療薬市場にとっての意味

この所見は、検討した主なサブグループで一貫しており、フォシーガは左室駆出率の状態にかかわらず幅広い心不全患者に対した効果があった。試験結果では、カンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)の総症状スコアにより測定された患者報告アウトカムで症状改善の効果も示された。

フォシーガ、標準治療を受けている慢性心不全で追加承認-AZほか

左心室の容積の関係を示すイメージ図です(著者作図)。

左心室が一番大きく拡がった時の容積を「左室拡張末期容積」、一番小さく縮んだ時の容積を「左室収縮末期容積」といいます。左室拡張末期容積から左室収縮末期容積を引いたものが「一回拍出量」または「駆出量」であり、1心拍で左心室が大動脈に駆出する血液量です。一回拍出量を左室拡張末容積で割り、100をかけたものが左室駆出率(LVEF)です。1回の収縮で左室拡張末期容積の何%が駆出されるかを表しており、心臓(左心室)の収縮能の体表的な指標です。正常値は55〜80%です。

型糖尿病の合併・非合併および左室駆出率にかかわらず、心不全イベントの抑制が報告

「フォシーガ錠」が新たに取得した効能・効果と用法・用量
【効能・効果】慢性心不全(慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る) 【用法・用量】10mgを1日1回経口投与

フォシーガ、左室駆出率にかかわらず慢性⼼不全への有効性が明らかに/AZ.

アストラゼネカの子会社であるアストラゼネカ株式会社は、2013年、フォシーガに関して、小野薬品工業株式会社 と日本におけるコ・プロモーション契約を締結しました。本契約に基づき、小野薬品工業株式会社はフォシーガの日本における流通および販売を担い、アストラゼネカ株式会社と2型糖尿病、1型糖尿病および慢性心不全においてコ・プロモーションを実施しています。両社は慢性腎臓病においてもコ・プロモーションを行います。

左室駆出率の低下した慢性心不全のみ) 2021年8月に「慢性腎臓病」の適応拡大 ..

CKDは、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患です(eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3カ月間認められた場合と定義されています 4。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、慢性糸球体腎炎です 10。CKDは高い有病率や、心不全や若年死をもたらす心血管イベントリスクの増加に関与しています。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります 2。CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています 11。現在、日本におけるCKD患者数は、約1,300万人と推定されています 6

フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】

アストラゼネカと小野薬品工業は1月10日付のプレスリリースで、「フォシーガ錠5mg、10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、以下フォシーガ)」について、日本における電子化された添付文書(電子添文)を改訂したことを発表した。

主な変更点は以下のとおり。

・「効能又は効果に関連する注意」の項の慢性心不全における「左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること。」の記載を削除
・「臨床成績」の項に、左室駆出率の保たれた慢性心不全患者を対象とした国際共同第III相試験(DELIVER試験)の結果を追記

これらは、上記のDELIVER試験の結果に基づき変更された。今回の電子添文の改訂により、フォシーガは左室駆出率を問わず慢性心不全患者の治療薬として使用可能となった。なお、日本で承認されている効能又は効果は、「2型糖尿病」「1型糖尿病」「慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)」および「慢性腎臓病(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く)」である。

心臓のポンプ機能は、左心室から血液を駆出する能力を心臓エコー検査で測定することでわかります。 ..

DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDステージの2~4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例を対象に、フォシーガ10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した国際多施設共同無作為化二重盲検第Ⅲ相試験です。フォシーガ は1日1回、ACEiもしくはARBによる治療と併用されました。複合主要評価項目は、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、心血管または腎不全による死亡)リスクでした。副次評価項目は、腎機能の複合評価項目(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、腎不全による死亡)、心血管死もしくは心不全による入院、および全死因死亡のいずれかの初発までの期間でした。試験は日本を含む21カ国で実施されました 1。結果は に掲載されました 1