ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。
糖尿病初期には糸球体濾過量(GFR)が上昇する。糸球体で濾過されたブドウ糖が増加すると,近位尿細管細胞に局在するsodium/glucose cotransporter 2(SGLT2)により再吸収されるブドウ糖が増加し,その結果緻密斑に到達するクロライドが減少し,尿細管・糸球体フィードバック(TGF)システムにより,糸球体輸入細動脈が拡張する。これに伴う糸球体過剰濾過は,尿蛋白の増加や糸球体病変進展につながる。糖尿病性腎症の進展を抑制するための第一選択薬として,輸出細動脈を拡張させることにより糸球体過剰濾過を是正するレニン・アンジオテンシン系(RAS)抑制薬が用いられてきた。
フォシーガの腎臓への効果について、この記事で解説したことをまとめました。
フォシーガはSGLT2阻害薬として「2型糖尿病」を効能・効果として2014年に発売されました。その後、順調に以下の適応拡大が行われています。
SGLT2(エスジーエルティー・ツー)阻害薬は糖尿病の治療ガイドラインで定められている治療薬のひとつで、膵臓ではなく腎臓に作用することで血糖値を改善する働きがあります。
SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。
より詳しい副作用の症状や、上記以外の副作用については別の記事で詳しく解説しています。
医薬品を使用する上で副作用について知っておくことはとても大切ですので、ぜひあわせてご覧ください。
7.用語解説:
(注1)SGLT2(Sodium/glucose cotransporter 2)阻害薬:
SGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を担うSGLT2という輸送体の作用を抑制し、尿への糖の排出を促進
することで血糖を下げる作用を発揮します。日本では2014年から保険適用され、現在(2022年8月)では6種類が使用可能で
す。2型糖尿病の症例を対象としたEMPA-REG OUTCOME試験によって、SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンが、プラセボ
群と比較して、心血管イベントや総死亡を有意に低下させるのみならず、腎イベントを抑制する腎保護作用を有している可能
性が示唆されました。それ以降、SGLT2阻害薬の心血管イベントや腎イベントの抑制効果が多くの大規模臨床試験で報告され
ました。糖尿病治療のみならず心不全や慢性腎臓病など幅広い生活習慣病治療に適応が拡大してきています。
それではフォシーガは、どのようにして効果を発揮するのでしょうか?
CKDは、糖尿病や高血圧症が原因で腎機能が低下する疾患。進行すると人工透析や腎移植が必要になるほか、脳卒中や脳梗塞で死亡するリスクが高まります。これまではCKDの適応を持つ薬剤がなく、治療には主に降圧薬のACE阻害薬やARBが使われてきました。CKDの国内患者数は1300万人に上ると推定されており、日本腎臓学会の柏原直樹理事長(川崎医科大腎臓・高血圧内科学教授)は「今回の承認は日本の多くのCKD患者にとって大きな希望になる」と期待を寄せています。
図1. 研究概略
糸球体過剰濾過により尿細管へのアルブミン曝露が増加すると、オートファジー障害が生じる。SGLT2阻害薬(エンパグリフロジン)は、糸球体内圧低下と全身代謝改善により、尿中アルブミンの質と量を改善しオートファジー障害を改善する。その結果、CKD進展やAKI発症の抑制効果が期待される。
SGLT2阻害薬では心血管疾患や腎疾患に対するデータが示されています。
SGLT2阻害薬は、日本では2014年から使われている比較的新しい薬です。
尿中に糖分(グルコース)が漏れる事により、血糖降下作用を発現します。
血糖の改善だけでなく、体重減少、血圧低下、糖尿病性腎症の保護作用、心血管疾患・心不全リスクの低減作用など、さまざまな多面的効果が報告されています。
副作用としては、性器感染・尿路感染が多く、女性では特に注意が必要です。
肥満を伴う糖尿病患者や心血管疾患・糖尿病性腎症をもつ糖尿病患者さんが良い適応です。
フォシーガ以外は1日1回朝食後の縛りがあるが、フォシーガはいつ服用してもOK。しかしながら就寝時のトイレの回数が増えることを考えれば、朝か昼にせざるを得ない。
フォシーガ錠10mg(アストラゼネカ株式会社)の基本情報・副作用
今回、研究グループは、SGLT2阻害薬の中でもエンパグリフロジン(エンパグリフロジン、以下EMPA)と呼ばれる薬剤を用いた実験を行い、尿蛋白の少ないマウスモデル(肥満モデル・5/6腎摘モデル)においてEMPAが糸球体過剰濾過を改善することで尿細管へのアルブミン曝露を軽減し、オートファジー障害を改善することを明らかにしました。さらに、によるマウス実験では、EMPAはオートファジーを改善し、急性腎障害(AKI)を軽減させることも明らかとしました。これらの結果により、尿蛋白の少ない非糖尿病患者さんにおいても、EMPAが幅広く腎保護効果を発揮する機序の一端が明らかとなりました(図1)。
ダパグリフロジンの慢性腎臓病に対する薬理作用には、SGLT2阻害により、
フォシーガが標的とするSGLT2は、腎臓の近位尿細管に特異的に発現するタンパク質で、ナトリウムと糖を再吸収する役割を担います。フォシーガはその働きを阻害する作用を持ち、当初は糖尿病の治療薬として開発され、日本では2014年に2型糖尿病、19年に1型糖尿病の適応で承認されました。一方、開発の過程では心臓や腎臓に対する効果もあることが示唆されたことから、それらに対する臨床開発も行われ、20年に慢性心不全の適応を取得。今回、CKDへの適応拡大の承認を得るに至りました。
フォシーガとは?(SGLT-2阻害薬:腎臓病の新しい治療薬として)
数ある治療法の中で、フォルキシガは2型糖尿病管理のための有力な選択肢として浮上している。SGLT2阻害薬であるフォルキシガは、グルコースの尿中排泄を制御し、血糖値の低下をもたらす。フォルキシガのメカニズムを解き明かすことで、糖尿病管理戦略との連携についての洞察を得ることができる。注意点としては、医療従事者との情報交換による相乗効果が不可欠である。
フォシーガ錠10mgの効果・効能・副作用 | 薬剤情報 | HOKUTO
腎臓の負担を減らし、保護する効果のあるフォシーガですが、フォシーガを飲み始めた段階で一時的に腎機能が低下することもあります。
SGLT2阻害薬であるフォシーガ(ダパグリフロジン)の腎保護作用 ..
SGLT2阻害薬は、尿と一緒に体の中の余分な糖を排出して血糖値を下げる薬です。糖尿病だけでなく、心臓や腎臓にも良い効果があることがわかっており、慢性心不全や慢性腎臓病にも使われています。
フォシーガ錠5mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
厚生労働省は8月25日、アストラゼネカのSGLT2阻害薬「フォシーガ」(一般名・ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)を慢性腎臓病(CKD)の治療薬として承認しました。CKD治療薬の承認は国内初。末期腎不全や透析中の患者には使用できませんが、それ以外のCKD患者には2型糖尿病を合併しているか否かに関わらず投与することができます。
慢性腎臓病の治療薬フォシーガについて考える【腎臓内科医が解説】
今回は、糖尿病・慢性心不全・CKDとフォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序についてご紹介します。
慢性腎臓病患者において、腎機能低下・透析導入への進行を抑制する治療薬として幅広く活用されることに期待。
矢島:腎不全の患者は、心臓が悪くなればなるほど心血管死や腎不全による死亡が増えるし、逆に心不全が悪くなれば腎臓も悪くなるので、これらは1つの疾患群と捉えていいと思うんです。フォシーガはそれらに対して総合的に効果を示せるようなので、臨床現場で有用に使っていただけるのではないかと期待しています。
フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】
フォシーガは錠剤で、1型糖尿病、2型糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全に使えるお薬です。
フォシーガとはどんな薬?ダイエット効果と痩せる理由について解説
腎機能検査の項目である(体に不要な老廃物)と(老廃物を尿へ排出する能力)の数値が、フォシーガの飲み始めの初期に一時的に悪化することがあるのです。
腎臓の健康をサポートし、心血管疾患の予防にも役立ちます。フォシーガ ..
また、SGLT2阻害薬は心血管疾患や腎疾患の予防や治療に効果があることも研究されています。
機構は、本申請にあたり新たな非臨床薬理試験成績は提出されていないものの、腎保護作用に関する
2023年1月10日、フォシーガ錠(ダパグリフロジン)の「慢性心不全」において、になりました!これまでは左室駆出率の低下した慢性心不全にしか使用できませんでしたが、今後は左室駆出率が保持された慢性心不全についても使用できます。
SGLT2阻害薬は心不全でも腎障害でも頼りになるマルチプレイヤー
近年、糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬は、糖尿病だけでなく、非糖尿病の慢性腎臓病(CKD)進展を抑制することが明らかになっています。また、大規模なメタ解析から急性腎障害(AKI)の発症を抑制する効果も示され、腎臓病治療において大きな注目を集めています。しかし、その腎保護効果のメカニズムは、糸球体過剰濾過改善をはじめとして様々な説が唱えられているものの、確定的なものではありません。また、オートファジーに着目した機序も十分に解明されていません。最近の研究では、尿蛋白の少ない非糖尿病患者さんにおいてもSGLT2阻害薬の腎保護効果が示唆されていますが、現在まで提唱されてきた機序では幅広い腎保護効果の理由は説明できませんでした。
一般社団法人 日本糖尿病療養指導士認定機構 · 岡山県糖尿病医療連携推進事業.
ステージ2~4で尿中アルブミン排泄の増加を認めるCKD患者約4300人を対象に行われた国際共同臨床第3相(P3)試験「DAPA-CKD」では、ACE阻害薬またはARBとの併用下で、複合主要評価項目(腎機能の悪化、末期腎不全への進行、心血管死または腎不全による死亡)のリスクをプラセボに比べて39%低下。事前の想定を上回る有効性が示されたため、独立データモニタリング委員会の勧告に従って同試験は早期終了となりました。
〈慢性腎臓病〉慢性腎臓病でeGFRが25mL/min/1.73㎡未満の患者では、本剤 ..
フォシーガには、やがあります。
そのため、同じ作用のある医薬品と併用する場合は、上記の副作用のリスクが高まる場合もあるので注意が必要です。