Background Question 3-1 骨転移診断に単純X線は推奨されるか?
以上より,脳以外の病巣がコントロールされており,かつ単発の脳転移に対して,SRSや外科治療を行う妥当性はあると考えられる。エビデンスの強さはC,ただし総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
Background Question 3-2 骨転移診断にCTは推奨されるか?
現在, 抗がん薬の副作用である悪心・嘔吐の評価方法としては, CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Event) v4.0-JCOG が用いられているが,これは制吐療法の評価方法ではない(→)。従来のわが国の制吐療法における臨床試験では,悪心・嘔吐が「ない」,「我慢できる」から,「ほとんど食べられない」といったチェック項目を患者に提示して個々の治療効果を示してもらうなどの方法がとられていた。最近の臨床試験では,がん薬物療法施行後0~120 時間の完全制御割合,0~24 時間の完全制御割合(急性),24~120 時間の完全制御割合(遅発性)などが評価項目として用いられている()。しかし,医療者は過小評価の傾向が指摘されており,悪心・嘔吐の予測がどの程度できているかの評価も重要である。また, 患者自身による主観評価にあたる Patient-Reported Outcome (PRO) の重要性も認識されてきており, がん臨床試験における患者の自己評価に基づき, 有害事象評価の正確性と高い精度のグレーディングを追及したツールとしてPRO-CTCAEが公開されてきており(), 日常診療として客観的評価とどのようにして関連づけて評価していくか等に関する検討が必要になるであろう。
全身コントロール良好な単発性脳転移を有する症例を対象とした,SRSと手術+全脳照射の比較試験において,SRS単独群のOS中央値は約10カ月と報告されている。またPS良好な単発性脳転移を有する症例を対象とした手術と手術+全脳照射の比較試験において,手術単独群のOS中央値は約10カ月と報告されている(全脳照射の追加によるOSの延長はなし:)。これらはいずれも他癌腫を含んだデータで,肺癌患者は3~6割程度を占めていた。近年報告された,非小細胞肺癌患者を対象とした観察研究のシステマティックレビューでは,原発巣がコントロールされ,脳転移に対してSRSや手術などの局所治療を行った患者のOS中央値19.7カ月(範囲6.8-52カ月)と報告されている。
Background Question 3-3 骨転移診断にMRIは推奨されるか?
副腎の腫瘍により自立性にコルチゾールが過剰分泌されます。通常病変は片側性に腫大します。下垂体へのネガティブフィードバックによりACTH分泌が低下するため、逆側の副腎は萎縮します。
自然発生のクッシング症候群の15〜20%がこの副腎皮質の腫瘍で、そのうちの半分が悪性の腺癌で、半分が良性の腺腫です。
下半身不随に陥り、排泄のコントロール機能を失います。
頚椎に骨転移が発生した場合は、両手の麻痺も加わります。
Background Question 3-4 骨転移診断に骨シンチグラフィーは推奨されるか?
放射線が使える場面は多くあり個別の患者さん毎にしっかりした検討が必要です。しかし、今回のように骨転移の痛みを抑える場合は、使う放射線の量が少ないということもあって気軽に勧めることが出来ますのでご安心ください。
肺癌は脳転移を生じる頻度が高く,これによって生じた様々な神経症状はQOLを低下させる。このため,QOL改善を目的とした手術が治療選択肢の1つとして汎用されてきた。単発性脳転移を有する固形癌患者を対象とした手術と手術+全脳照射とのランダム化比較試験において,手術単独群のOS中央値は約10カ月,頭蓋内無増悪期間中央値は約6カ月であった(全脳照射の追加によるOSの延長はなし:)。疾患の性質からBSCとの比較試験は存在しないが,症状を有する単発性脳転移に対する手術については治療選択肢として提案可能である。一方,定位照射の有効性が期待できる場合には手術より優先されることが考えられる。エビデンスの強さはC,ただし総合的評価では行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
Background Question 3-5 骨転移診断に18F-FDG-PET/CTは推奨されるか?
看護師にとって、看護技術は覚えることも多くなあなあにしてしまいがちで、周りに聞きたくても聞きづらい状況にいる看護師も多くいます。「看護師の技術Q&A」は、看護師の手技に関する疑問を解決することで、質問したナースの看護技術・知識を磨くだけでなく、同じ疑問・課題を持っているナースの悩み解決もサポートします。看護師の看護技術・知識が磨かれることで、よりレベルの高いケアを患者様に提供することが可能になります。これらの行いが、総じて日本の医療業界に貢献することを「看護師の技術Q&A」は願っています。
生活のご支援をしながら、ご自宅にて骨転移の治療をおこなっていくことができるのが在宅緩和ケアの特徴です。
Clinical Question 14 骨転移症例における予後予測スコアリングは有用か?
薬物療法の治療をしていくうえで、腫瘍の増殖を抑える目的や、吐き気を和らげる目的でステロイドを使うことがあります。一方で、ステロイドは血糖値を上げる副作用があります。そのため、いつもは血糖値が落ち着いていても、ステロイドを使用している間は血糖値が高くなることがあります。インスリンを使用していない方でも、ステロイド使用により血糖値が上がる場合は、そのときだけインスリンを使う方もいます。また、もともとインスリンを使っている方では、ステロイド使用の影響で血糖値が高くなり、ステロイドを使うタイミングに合わせてインスリンの量を増やすこともあります。
このように糖尿病、がんそれぞれの医師と相談しながら、血糖値コントロールとがんの治療を続けていきます。
参考:
Clinical Question 17 骨転移の痛みの緩和に外照射は有効か?
⑶医原性クッシング症候群
ステロイド薬を長期にわたり投薬した結果起こります。自身の体内では下垂体にネガティブフィードバックがかかった状態になり、ACTHの分泌が抑制されます。よって両副腎は萎縮します。
この状態でステロイド薬を完全に止めてしまうと、副腎皮質機能低下症になります。
Future Research Question 21 骨転移の治療にアブレーション治療は有効か?
また、治療自体は台に乗って寝るだけなのですが、この台も放射線の通過を邪魔しないように作られているため、決して寝ていて快適な台ではなく、固く無機質で、骨転移などで骨の痛みがある方は辛く感じることがあります。是非痛みが軽度なうちからご相談ください。
Clinical Question 22-1 肺がんの骨転移の治療に骨修飾薬(BMA)は有効か?
そして、主治医の先生に骨転移を指摘されたら、ぜひ緩和ケアを受けましょう。
Clinical Question 22-2 乳がんの骨転移の治療に骨修飾薬(BMA)は有効か?
抗がん剤を用いた治療を行う場合は、使用する抗がん剤の種類にもよりますが、さまざまな副作用が出ます(がんの療養や治療に伴う症状については参考リンクをご覧ください)。
糖尿病がある方で注意していただきたい副作用は吐き気・嘔吐、発熱、口内炎、味覚変化、便秘、下痢などです。これらの症状のせいで食事がとれないときに、いつもどおりの量のインスリンを注射したり糖尿病の飲み薬を飲んだりすると、低血糖になることがあります。一方で、発熱や吐き気があったり、口内炎がおきたりすると、口当たりのよい食べものしか食べられないこともありますが、それが糖質の多いものであると、血糖値が高くなることもあります。症状を和らげる方法を医師や看護師に確認すると同時に、血糖値のコントロールが不安定にならないように、薬の調整についても確認しておくとよいでしょう。
参考:
Clinical Question 34-2 骨転移の痛みの緩和に鎮痛補助薬は有効か?
クッシング症候群は症状、身体検査、尿検査、血液検査、エコー検査、ホルモン検査(ACTH刺激試験、低用量デキサメタゾン抑制試験、高用量デキサメタゾン抑制試験、内因性ACTH血中濃度測定など)から、総合的に診断します。
Background Question 35 骨転移の痛みの緩和にオピオイド鎮痛薬は有効か?
デキサメタゾンを含む化学療法は緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで適切と判断される症例についてのみ使用されることとなっています。
Future Research Question 41 痛みのある骨転移患者にマッサージは有用か?
単純性ヘルペスの指先の感染によって生じます。「ひょう疽」と名前は付いていますが、細菌感染症ではない別疾患となります。ヘルペス感染は典型的な症状の場合は、が現れてくれば診断は容易です。皮疹が爪周りだけでなく、指背近位側にも広がることや症状経過を丁寧に問診することで判断します。通常の細菌感染であるひょう疽と違い、となります。
① 長管骨の溶骨性骨転移で,骨皮質が 3 cm 以上あるいは 50%以上破壊されている ..
苦痛が除去できる確率は骨転移ほどは高くないですが、副作用もほとんどなく、がん患者さんの生活の質を保つための強力なオプションになってくれるため、家族としても知っておくと良いと思います。
骨転移による骨痛を予防および治療するために,ビスホスホネートを使用すべきで ..
九州大学医学部卒。放射線科専門医。国立がん研究センターを経て現在は東京大学病院で放射線治療を担当。無料動画で医療を学ぶ「YouTubeクリニック」では「10分の動画で10年寿命を伸ばす」を掛け声に30-40代の方やがん治療に臨む方へ向けた日常生活や治療で役立つ医療話を毎日配信中。
転移病巣における骨反応の点からは,造骨型転移,溶骨型転移,骨梁間型転移,混合型転 ..
実は放射線治療は骨転移以外のあらゆるがんの痛みにも有効です。完全に治すための(強い)放射線治療はがんの状態を選びますが、痛みや出血などを抑えるための(弱い)放射線治療は多くの場合、上記のような治療(1回〜10回)が可能です。
一般に,頭蓋骨転移は全身の骨転移に伴って出現する。特に頭蓋底への転移は ..
以上より,骨転移を有する症例では,SREの発現率の軽減とSRE発現までの期間を延長させることが複数の研究で示されているため,ゾレドロン酸またはデノスマブの投与は勧められる。エビデンスの強さはB,また総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。
特に、コルチコステロイドは炎症の強い痛み(骨転移痛など)、神経圧迫による痛みに鎮痛効果が期待される
この診療ガイドラインは、「骨転移」を主題として、日本臨床腫瘍学会によって作成されています。2022年12月2日に南江堂から発行されました。Mindsでは、2023年3月6日に選定部会にて選定されています。
長幹骨の溶骨性骨転移で、骨皮質が3cm以上あるいは50%以上破壊されている
骨転移による疼痛は、放射線治療やビスフォスフォネートという点滴薬、鎮痛薬の内服で緩和することができます。
内服薬のなかでも、とくに非ステロイド性鎮痛薬や医療用麻薬を使用します。