以下の表は、デュタステリドとフィナステリドを比較したものです。
AGAの原因となる男性ホルモンDHTは、5αリダクターゼの影響を受け生成されるため、デュタステリドは、この酵素を阻害することでAGA抑制に成功しています。5αリダクターゼには「I型」と「II型」があり、デュタステリドはどちらに対しても阻害効果が認められています。
これにより、デュタステリドはAGAの進行をより強く抑えられます。
治療初期は特に注意が必要です。効果が現れるまでに3~6カ月を要するデュタステリドでは、発毛までの間、規則正しい服用が欠かせません。
デュタステリドと同様にAGA治療薬として有名なフィナステリドは、5α-還元酵素のタイプ2のみに作用します。一方、デュタステリドはタイプ1とタイプ2の両方に作用するため、フィナステリドよりも強力にDHTを抑制することができます。そのため、フィナステリドよりも高い発毛効果、抜け毛抑制効果が期待できます。
デュタステリドの重大な副作用には、以下のような症状が見られます。
この過程でテストステロン値が一時的に低下する傾向が見られますが、多くの場合これは一過性のもので、身体のホルモンバランス調整機能が働き始めると、テストステロン値は徐々に元の水準に戻っていきます。
また、デュタステリドはフィナステリドよりも血漿中半減期が長く、約5週間とされています。そのため、服用を中止しても効果が持続する期間が長くなります。一方で、副作用が現れた場合も、症状が長く続く可能性があります。フィナステリドの血漿中半減期は約4.5時間と短いため、副作用が現れた場合も比較的早く回復しやすいというメリットがあります。
それに対して、デュタステリドは24時間後でもまだ体内に残っています。
フィナステリド1mgとほぼ同じ程度の治療効果だと思われます。
フィナステリドと同じ程度の治療効果ですが、飲み忘れにも強いという利点があります。
フィナステリドと比較して血中濃度の変化がマイルドで内服によって血中濃度が大きく変動しないからです。
標準的な0.5mgを服用中、副作用が問題になった患者さんや、血中濃度を安定させたいという方はこの投与量を選択しましょう。
デュタステリド中止後のテストステロン値回復には個人差がありますが、一般的に以下のようなタイムラインが観察され、各段階での変化が注目されます。
そのためデュタステリドは飲み忘れに非常に強い薬剤となっています。
デュタステリドの半減期は約5週間と長く、血中からの消失に時間がかかります。しかし、服用を1日でも休むと血中濃度が徐々に低下し始めてしまいます。規則正しい服用を続けないと、効果的な血中濃度が維持できなくなるのです。
両薬剤を同時に使用すると、5α還元酵素の阻害が強化されてDHTの産生が過度に抑制されるリスクがあります。
ミノキシジルは、デュタステリドと異なる作用機序で髪の成長を促進します。
しかし効果には個人差があり、体質によってはデュタステリドが合わず、フィナステリドの方が効果を実感できるケースも少なくありません。私のクリニックにも、デュタステリドでは効果がなかったものの、フィナステリドに変更したところ効果が現れた、という患者さんが複数いらっしゃいます。50代のEさんは、デュタステリドを1年間服用しましたが、効果が実感できませんでした。そこで、フィナステリドに変更したところ、半年後には髪の毛の密度が増し、抜け毛も減少しました。
デュタステリドと併用してはいけない禁忌薬(飲み合わせの悪い薬)はありません。
ザガーロカプセル(以下、ザガーロ)はデュタステリドを有効成分とするAGA治療薬です。グラクソ・ウェルカム社(現グラクソ・スミス・クライン社)によって、前立腺肥大症(BPH)を適応症として1994年から臨床開発が開始されました。デュタステリドを有効成分とする前立腺肥大症治療薬は2001年にアメリカで、2002年にはヨーロッパで承認されています。日本においても2008年に「アボルブカプセル0.5mg」として製造販売承認を取得しました。
その後、デュタステリドが生成を抑制するDHT(ジヒドロテストステロン)がAGAにも関与すると考えられるようになりました。そこで、AGAを適応症とするデュタステリド治療薬の開発が進められることとなったのです。AGAを適応症とするデュタステリドは2009年に韓国で承認されましたが、アメリカやヨーロッパでは販売戦略上の理由によって、男性型脱毛症に対する開発を行わないことが決定されています。日本においては2015年に承認され、2016年から販売が開始されました。.5mg」として製造販売承認を取得しました。
本剤は5α‐還元酵素を阻害することでテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を抑制し、前立腺肥大を抑える作用をあらわす。
デュタステリドは処方箋薬であり、個人輸入や無承認販売の製品を使用するリスクは高いといえます。偽薬の可能性やロット間の含有量のばらつき、不適切な保管による品質劣化などの懸念があるためです。
[PDF] 5α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬 デュタステリド錠
デュタステリドの科学的な情報は以下の通りです。
・化学名:N-[2,5-Bis(trifluoromethyl)phenyl]-3-oxo-4-aza-5α-androst-1-ene-17β-carboxamide
・分子量:528.53
・分子式:C27H30F6N2O2
・性状:白色、または微黄色の粉末(ザガーロカプセルは淡いオレンジまたは淡いピンク)
・融点242~252℃
・分配係数(log P):4.9.5mg」として製造販売承認を取得しました。
5α還元酵素阻害薬による前立腺肥大の治療 (JIM 20巻4号) | 医書.jp
デュタステリドは持続的に服用することで初めて効果が現れる薬剤です。不規則な服用では十分な血中濃度が維持できず、AGAに対する効果が発揮しにくくなります。
デュタステリドカプセル0.5mgAV「日医工」及びアボルブカプセル0.5mgを、クロス.
AGAに対するデュタステリドの効果に関する信憑性のあるデータは、日本皮膚科学会が発行する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」内に記載されています。
[PDF] 5 α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬 デュタステリド製剤
デュタステリドZAの先発薬であるザガーロは、2016年6月に発売されましたが、当院で取り扱う場合、価格がフィナステリドの2倍程度になってしまうこと、それほどの価格差があるにもかかわらずガイドラインや使用者の意見等によると、効果はフィナステリドと大きくは変わらず、性機能障害の副作用件数が多いことを理由に取り扱いをしていませんでした。
デュタステリド錠0 5mgAV「明治」は、 1 錠中に下記の成分
デュタステリドを中止すると、体内の5α還元酵素の働きが回復し始め、その結果テストステロンからDHT(ジヒドロテストステロン)への変換が再開されて、ホルモンバランスに変化が生じます。
[PDF] デュタステリド製剤 5α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬
両薬の違いは、5αリダクターゼの型(type1・type2)のどちらに作用しやすいかです。フィナステリドはtype2を中心に阻害し、デュタステリドはtype1とtype2の両方に働きかけるため、より幅広くアプローチします。
[PDF] 5α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬 デュタステリド錠
917名の男性被験者を対象としたデュタステリド0.5mg/日とフィナステリド1mg/日を用いた観察期間6ヵ月のランダム化国際臨床比較試験において、全毛髪数と毛直径の増加に関して、デュタステリドはフィナステリドより優れた効果を示しました。頭部の写真評価においてもデュタステリドの優位性が示されています。
・デュタステリドは、前立腺肥大症患者に0.5mg/日投与した場合、
薬剤相互作用を避けるため、他の薬との併用は十分注意が必要不可欠です。デュタステリドが思ったように効かない場合は、服用している他の薬剤も確認することが重要になります。
デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する 1 型及び 2 型 5α 還
デュタステリド以外の添加物は、ジブチルヒドロキシトルエン、中鎖モノ・ジグリセリド、ゼラチン、グリセリン、濃グリセリン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三酸化鉄、中鎖脂肪酸トリグリセリド、レシチンです。
ザガーロにはデュタステリドの含有量によって「ザガーロカプセル0.1mg」と「ザガーロカプセル0.5mg」の2種類があり、添付文書には「基本0.1mgを投与、必要に応じ0.5mgを投与する」とあります。しかし、実際のところ、臨床試験結果によると0.5mgの方が発毛効果が高く、副作用に差がないことが分かっています。そのため、医師の判断次第ですが、今後は0.5mgが主流となるかもしれません。(参照※1※2)
効果、副作用、前立腺がん予防まで徹底解説!AGA治療との関連性
また、国内で実施されたデュタステリド0.5mg/日を用いた120名の男性被験者に対する観察期間52週間の非ランダム化試験において、非軟毛直径が52週で増加しました。皮膚科医による頭部の写真評価では、26週、52週で優位に毛量が増加しました。