2.2 伝染性単核症の患者[発疹の発現頻度を高めるおそれ ..


EBウイルスの特異抗体にはVCA(virus capsid antigen)抗体,EA(early antigen)抗体,EBNA(EBV nuclear antigen)抗体,の3種類があるが,伝染性単核球症の診断には主にVCAおよびEBNAを用いる。VCA IgMが陽性でありEBNAが陰性であれば通常,EBウイルスによる伝染性単核球症と診断できる。EBNAが陽性であれば,EBウイルスに既感染の状態と考えられる。


さて伝染性単核症(infectious mononucleosis, 以下 IM)は思春 ..

ドイツです。
連休も開けましたがみなさんいかがお過ごしでしょうか。
突然ですが問題です。
26歳男性、2日前からの発熱•悪寒戦慄を主訴に来院。
バイタル
BP132/86mmHg、HR90bpm、RR20回/分、SpO2 95%、BT38.1度。
身体所見
鼻汁(-)、咳嗽(-)、咽頭痛(+)、全頸部リンパ節に圧痛(+)、咽頭発赤(+)、扁桃腫大(+)、扁桃白苔(+)。
さて以上の所見で何を考えるでしょうか?

一般に,伝染性単核球症では後頸部リンパ節腫脹がみられることが多いのに対し,溶連菌性咽頭炎では前頸部リンパ節腫脹がみられることが多い。また,肝機能障害や異型リンパ球がみられる点も,伝染性単核球症の特徴である。なお,伝染性単核球症様の症状を呈する感染症として,ほかに急性HIV感染症,トキソプラズマ症が挙げられる。

3)富山 道夫:A 群β溶血性連鎖球菌感染症を合併した小児伝染性単核球症の 1 例 .

主な感染経路はEBウイルスを含む唾液を介した感染であり,乳幼児期に初感染を受けた場合は不顕性感染であることが多いが,思春期以降に感染した場合には伝染性単核球症を発症することが多く,kissing diseaseとも呼ばれる。発熱,咽頭痛,白苔を伴う扁桃腺腫大や頸部リンパ節腫脹といった症状・身体所見は溶連菌性咽頭炎に似るが,溶連菌性咽頭炎と思ってアモキシシリンを投与すると高率に皮疹が出現するため,両者の鑑別には十分に注意を払いたい。

答えは細菌性扁桃炎です。
これは連休中に体調を崩した筆者の話です。笑
救急外来で患者を見るようになって、若年の発熱の原因として非常に多いなと感じております。特に冬場はインフルエンザ、ウイルス性咽頭炎などとの鑑別が重要で、この時に役立つのがmodified centor criteriaです。
筆者の症例の場合、modified centor criteriaは38度以上の発熱で1点、咳嗽(-)で1点、前頸部リンパ節圧痛(+)で1点、扁桃腫大or白苔付着で1点、年齢15〜44歳で0点、計4点で細菌性の咽頭炎の可能性が高いです。
この場合、リウマチ熱の予防の観点から、10日間の抗菌薬投与が必要となってきます。1stはアモキシシリンですが、伝染性単核球症を否定できない場合は禁忌となりうるので、クリンダマイシンを処方することもあるようです。アモキシシリンを処方する場合はエコーで脾腫の有無、血液検査で異形リンパ球の出現などがないかは確認が必要です。扁桃周囲膿瘍への進展を考える場合は開口障害や口蓋垂偏位なども重要です。
筆者は大学2回生から扁桃炎を繰り返しているため、細菌性扁桃炎の可能性が高く同期にアモキシシリンを処方してもらい現在は元気にしております。細菌性扁桃炎は繰り返すことも多いので、1st episodeかどうかも問診上重要になってきます。
京都桂病院では2次までの受け入れとなっていますが、救急の受け入れは右肩上がりで、このようなcommon diseaseを診る機会は非常に多いため、勉強になると思います。数年後には3次も受け入れられる病院になる予定で、救急科のBOSSも3次を想定した教育をしてくださってます。3次はちょっと…と思っている方にもオススメの病院なので是非一度見学を!

2.2 伝染性単核症の患者[発疹の発現頻度を高めるおそれが ..

伝染性単核球症はEBウイルスやサイトメガロウイルスの初感染の際に呈する疾患であり,思春期以降にみられる。EBウイルスによる伝染性単核球症では発熱,咽頭痛,リンパ節腫脹などが特徴である。

咽頭痛を主訴に受診し,溶連菌迅速検査で陽性であったため,アモキシシリンを10日間処方したところ,投与8~9日後に全身の発疹を認めた症例を立て続けに3例経験しました。
発疹は溶連菌感染症の初期に認められるような細かい点状様ではなく,やや大きめで,一部は紅斑であり,掻痒感は認めませんでした。また発疹以外に問題になる所見も認めませんでした。多形滲出性紅斑や薬疹も考慮しましたが,薬疹にしては服用後に時間が経ち過ぎていると思われ,また多形滲出性紅斑の際にみられる,いわゆる標的状病変は認めませんでした。いずれの症例も,無治療のまま4~5日後に自然消失しました。30年近く小児科をしていますが,このような症例は初めて経験しました。
そこで,以下についてご教示下さい。
(1) 溶連菌感染後約10日経過して,中毒疹のような溶連菌に関連した発疹を認めることはありますか。もしあるとすれば,どのような機序で起こりますか。
(2) 上記例への対処法。 (埼玉県 I)

アモキシシリンの成分に対して過敏症の既往歴がある人; 伝染性単核症の人 ..

伝染性単核症(IM)は、発熱・咽頭炎・頸部リンパ節腫脹を特徴とする疾患で、病原微生物はEpstein-Barrウイルス(EBV)が約90%を占める。小児期に感染すると不顕性感染に終わることが多いが、思春期や成人期に感染すると、4~7週間の潜伏期間を経て、約70%がIMを発症する。EBV 特異抗体は大きく分けてVCA(virus capsid antigen)抗体、EA(early antigen)抗体、EBNA (EBV nuclear antigen)抗体の3種類がある。VCA-IgMは感染初期に上昇し、4~6週間で消失し、EBNA抗体陽性は既感染を示すため、VCA-IgM陽性+EBNA抗体陰性であれば、IM急性期の診断が可能となる。IMは全身性のリンパ節腫脹を主症状とし、リンパ芽球の異常な活性化による免疫能亢進がみられ、血液中の単核細胞が著明に増加している。本症の患者にペニシリン系薬を投与した場合に、早期に抗体が産生され、アレルギー反応、特に皮膚発疹が高率に発現することが報告されており(アンピシリンで95%、100%の報告がある)、IM患者には禁忌となっている(ベンジルペニシリンは添付文書で禁忌となっていないが、使用は避けた方がよい)。

溶連菌感染に伴う発疹(文献1,2)は,菌が産生する発熱毒素(発赤毒素)であるstreptococcal pyrogenic exotoxin(SPE)-AやSPE-Cが関与しています。これらは細菌性スーパー抗原であり,特定のVβ領域を持つT細胞レセプターとMHC(major histocompatibility complex) classⅡ分子を結合することでT細胞を活性化し,炎症性サイトカインを産生させます。A群溶連菌が感染局所で増殖し,産生された毒素が血流により全身に運ばれ,皮膚に発疹を生じさせると認識されています。
通常,発疹は第2病日頃に出現し,次第に淡紅色の紅斑がびまん性紅斑となり,猩紅熱様の経過をとります。一方,最近では典型的な猩紅熱様の発疹は少なく,淡紅色の紅斑性丘疹が一過性に出現するものが多くあります。また,発疹の生成機序として,過去にA群溶連菌の菌体成分に感作されている個体における,菌体成分に対する遅延型皮膚反応の関与も指摘されています。
A群溶連菌感染症に対する抗菌薬療法として,アンピシリンの10日間投与は標準的な治療法(文献3)ですが,経過中に遅発性発疹がみられることが報告(文献4)されています。発疹は治療開始後約10日で出現し,全例でアモキシシリンが投与されていました。さらに,溶連菌による咽頭炎患児にアモキシシリンを投与し,発疹の出現を検討した前向き研究(文献5)では,発疹がみられた症例の約1/4は抗菌薬投与終了後に出現していました。アモキシシリン投与群とセフェム系薬投与群で,発疹の出現率は同様でしたが,アモキシシリン投与群では,より多彩な発疹が観察されました。
(1)ご質問の症例は,上記の遅発性発疹に類する病変と考えられ,発疹に関するアモキシシリンの関与が推察されます。感染症が契機となり,薬剤アレルギーとしての薬疹を発症することが認識されています(文献6)。ほとんどの薬疹は,T細胞が関与する免疫反応です。皮疹はT細胞が薬剤に関して感作されるのに必要とされる7~14日(平均9日)の期間を経て出現しますが,発症までの期間が極端に短い場合や,薬剤誘発性過敏症候群のように発症まで数カ月を要する場合があります。表皮障害の程度は,反応するCD8陽性T細胞数や機能に関連します。アモキシシリンによる薬疹の病態においても,薬剤反応性T細胞の機能が臨床像に反映されるものと理解されています(文献7)。
(2)これまでの報告では,重症の経過をとった症例は見当たらず,抗ヒスタミン薬内服,ステロイド・抗ヒスタミン外用薬の投与で軽快しています。


また、伝染性単核球症というEBウイルスやサイトメガロウイルスによる咽頭炎との ..

発疹は主に体幹、上肢に出現し、斑状、丘疹状の麻疹様あるいは風疹様紅斑であり、その形態は多彩である。アンピシリン(ABPC)を 内服すると薬疹を生じて、鮮明な浸出性紅斑様皮疹や丘疹などを呈す。同時に赤血球沈降速度の亢進や、ポリクローナルな高ガンマグロブリン血症、リウマチ因 子、寒冷凝集素、抗核抗体の産生などが認められる。この現象はEBV によるIM のみならず、CMV によるIM においても認められる。
リンパ球増加は診断基準にも含まれており、特徴的な所見であるが、一部に白血球減少を認める場合もある。異型リンパ球は、Bリンパ球増殖に対しておこった CD4 陽性細胞や、NK 細胞から産生されたサイトカインにより、CD8 陽性cytotoxic T lymphocyte (CTL)が活性化したものであるといわれている。10%から中には50%と著増する場合もあるが、中には数%以下の症例も認められる。CD4/CD8 比はCD4 陽性細胞の減少、CD8 陽性細胞の増加により1以下である場合が多い。
肝機能異常はほとんどの症例で認められるが、AST/ALT の増加は第2週頃をピークとして300〜500IU/L 程度のことが多い。黄疸を伴うことはまれである。なかにはAST/ALT が数千IU/L と著明な肝機能異常を伴うことがあり、注意を要する。
肝脾腫の頻度は表1 に示すとおりで、肝腫大の方が頻度が高い。肝臓は肋骨弓下1〜2 横指触知されることが多い。脾腫に関しては、時に巨大脾腫から脾破裂に至ることもあるため、注意を要する。
合併症として認められる中枢神経症状には、無菌性髄膜炎、脳炎、急性片麻痺、Guillain‐Barre症候群、視神経炎、脳神経麻痺、末梢神経炎、 横断性脊髄炎、急性小脳失調、中枢神経系のリンパ腫などが含まれる。その他まれではあるが、溶血性貧血、血小板減少、再生不良性貧血、B細胞リンパ腫、心 筋炎、心膜炎、肺炎、気道閉塞などの報告もある。通常self‐limited な疾患であるが、遺伝疾患である伴性劣性リンパ球増殖症候群(X‐linked lymphoproliferative syndrome :XLP;Duncan 病)の患者では、先天的にEBV 特異的CTL 活性が誘導されないため、不死化したBリンパ球が減少しないことと、NK活性が低いことも原因となり、致死性伝染性単核症となる。ここでは詳細について触 れないが、IM とは別の病態である慢性活動性EBV 感染症の長期予後は依然不良である。
なお、一般にCMVによる場合は、EBVによる場合に比して、咽頭扁桃炎、巨大脾腫の頻度が少なく、異好抗体を産生しない。

伝染性単核球症ペニシリンについて | 医師に聞けるQ&Aサイト

このことから、クリニックでは臨床的に溶連菌を疑い、Centor Score3点以上で迅速検査を行い、陽性なら抗菌薬を処方するようにしています。またEBウイルスによる伝染性単核球症にペニシリン系抗生剤を使用すると、高頻度に皮膚に発赤を生じるので、抗生剤を投与する際に、溶連菌のチェックをしておくのは理があるとも考えます。

GAS による咽頭炎では前頸部リンパ節が腫脹するが、伝染性単核症では耳介後部や後頸部リン

伝染性単核球症(Infectious Mononucleosis)は、エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)によって引き起こされるウイルス感染症です。
主に10代から20代の若年者に発症し、症状には発熱、喉の痛み、リンパ節の腫れ、倦怠感、食欲不振、全身倦怠感などがあります。

伝染性単核球症の診断には、血液検査によってEBウイルスに対する抗体が検出されます。治療には、休養、症状の緩和、十分な水分補給、食事などが含まれます。
通常、症状は数週間から数ヶ月続きますが、ほとんどの場合は自然に回復します。

ただし、EBウイルスは体内に潜伏することがあり、再発や持続感染が発生することがあります。また、稀に合併症が生じる場合がありますので、注意が必要です。症状が出現した際には早めにご受診ください。

伝染性単核球症は、通常4~6週間程度で自然治癒します。そのため、発熱や喉の痛みなどに対する対症療法を行い、回復を待ちます。

さらに難しくさせているのが、無症状の保菌者の問題があります。冬から春の流行時期には学童の小児の15%がA群溶連菌の保菌者()であることから、今起こっている咽頭炎が本当に溶連菌が原因かどうかはよく考えないといけません。また除菌の確認に迅速検査は無意味であることも同じ理由です。

43 伝染性単核球症(infectious mononucleosis)

伝染性単核球症は、ようにしましょう。
特に、食器やタオルなど、唾液が付着する可能性のあるものについては、個人で使用するようにしましょう。

伝染性単核球症は、感染力が強いため、予防が非常に重要です。
上記の予防方法を実践することで、感染を予防することができます。しかし、症状が出ている場合には、速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。

【感染症内科医監修】ペニシリン系抗生物質の一覧解説<早見表つき

使用する抗菌薬については、基本的にペニシリン系抗菌薬が第1選択です。これは、基本的に溶連菌がペニシリンに耐性がないことから、できるだけスペクトラムの狭いペニシリンを使った方が、薬剤耐性菌の点からもよいと考えます。また溶連菌の合併症であるリウマチ熱の予防効果が証明されているのは、ペニシリン系抗菌薬のみである点があります。第3世代セフェム系抗生剤で代用する研究報告もありますが、第3世代のセフェム系は腸管からの吸収が悪い点やピボキシル基のあるセフェム系抗生物質(セフカペンピボキシル→フロモックス、セフジトレンピボキシル→メイアクト、セフテラムピボキシル→トミロン)は低カルニチン血症による低血糖を引き起こすリスクがあります。以上のことから、私は溶連菌に対してはペニシリン系を第1選択としています。ペニシリン系抗生剤にアレルギーがある場合の第2選択として、セファロスポリン系抗生剤の5日間投与もしくはアジスロマイシンの3日間投与で治療を行います。

[PDF] 亀田感染症ガイドライン 咽頭炎(version 2)

4 〜6週間の長い潜伏期を経て発熱、咽頭扁桃炎、リンパ節腫脹、発疹、末梢リンパ球増加、異型リンパ球増加、肝機能異常、肝脾腫などを示す急性感染症である。また、中枢神経症状を呈する症例が認められる。発熱は高頻度に認められ、多くの場合38 ℃以上の高熱で1〜2週間持続する場合が多い。扁桃には偽膜形成を認め、口蓋は発赤が著明で出血斑を認めることもあり、咽頭痛を伴う。リンパ節の腫脹は1〜2週頃をピークとして全身に認められるものの、頚部が主である。

パセトシン(アモキシシリン)1回500mgを1日3回内服 5-7日間

特に溶連菌特有であり、注意が必要な合併症である「リウマチ熱」「急性糸球体腎炎」「結節性紅斑」「劇症型溶れん菌感染症」について紹介します。

医療用医薬品 : アモキシシリン (アモキシシリン細粒10%「TCK」 他)

伝染性単核球症は、唾液を介して感染することが多いため、人混みを避けることが重要です。
特に、症状が出ている人が周りにいる場合には、距離をとるようにしましょう。