ペニシリン系とセフェム系の交差性も知られており、7 位に類似構造をもつセフェム系に注意が必


ただ、最近になってそれほど交差反応が高いわけではなく、ペニシリンアレルギーと申告があった患者さんのうち、メロぺネム(またはイミペネム‐シラスタチン)の投与でアレルギーが起きたのは6~10%ぐらいだという報告もあるようです。


【抗菌薬】ペニシリンアレルギー、 セフェムアレルギーの対応と代替薬

・特に歯科で頻度が高い。局所麻酔を受けた患者の2.5%から10%に何らかの異常反応を経験する。
しかし実際にはアレルギー反応は極めて低率と言われる。(異常反応のうちの1%以下とされる。)
リドカインによるアナフィラキシー反応の発生頻度は100万から150万人に1人と推定されている。
特に確定診断の検査を受けずに「局所麻酔薬アレルギー」とされてしまうことが多い。大多数の偽陽性患者において、以降の診療に多大な支障が生じる。
・局所麻酔薬間の交差反応について
エステル型とアミド型とは交差反応しない。
エステル型局所麻酔薬間では交差反応がある。エステル型局所麻酔薬が加水分解されるとパラアミノ安息香酸を発生する。
アミド型同士間では交差反応は少ないが報告はある。
IV型アレルギーではエステル型同士、アミド型同士では高頻度に交差反応を示す。
アミド型:リドカイン(キシロカイン®)、メピバカイン(カルボカイン®)、ブピバカイン(マーカイン®)等
エステル型:プロカイン(プロカイン®、ロカイン®)、テトラカイン(テトカイン®)
・局所麻酔注射薬の安全確認方法 (JAMA 278: 1985, 1997)
病歴上、局所麻酔薬に対する過敏症状でないことが明らかであれば、あえて検査をしなくてもよい。
必要ならチャレンジテストが実施される。
1.局所麻酔薬を用いたプリックテスト
2.100倍希釈液を用いた皮内テスト
3.原液0.1ml皮下投与
4.原液1ml皮下投与
不安の強い患者には適宜プラセボを含めても良い。

※他に感作または交差反応を起こしうるアレルゲンは人により異なるため、自己判断せずに必ず医師の診断を受けることが必要です。

アミノペニシリン(アモキシシリン、アンピシリン)との交差反応は 1.3%

・IgE依存性の薬剤性アナフィラキシーの典型である。ペニシリンGに皮膚反応陰性なら重篤なアナフィラキシーは起こらないとされる。
数年のうちにペニシリンに対する過敏性が消失する。10%以下が長期間経過しても過敏性が持続する。
アナフィラキシーはβラクタム環よりも側鎖が重要であることが多い。
※昔のアレルギー歴に引きずられるのではなく、現在も過敏体質が続いているのか積極的に調べる方向になってきている。
・ベータラクタム系抗菌薬は共通する側鎖に注意する。
ペニシリン系とセフェム系で、アモキシシリン = セファドロキシル、アンピシリン = セファレキシン。
アモキシシリンやアンピシリンにアレルギーのうち、12-38%は側鎖の同じセフェム系薬にも反応する。
側鎖が同じ例として、セフォタキシム=セフトリアキソン=セフジトレン、アズトレオナム=セフタジジム等。

※他に感作または交差反応を起こしうるアレルゲンは人により異なるため、自己判断せずに必ず医師の診断を受けることが必要です。

未満と言われている。しかし、アミノペニシリンとセファロスポリンとの交差

薬物アレルギー反応は、薬物が液体、錠剤、注射のいずれの形態で投与されているかに関係なく起こり得ます5。また、薬剤によっては、交差反応を示すものもあります1。例えば、β-ラクタム系抗生物質に対するアレルギーの場合、ペニシリン、アンピシリン、アモキシシリンに対して交差反応を示す可能性があります3

薬物アレルギー反応は、薬物が液体、錠剤、注射のいずれの形態で投与されているかに関係なく起こり得ます5。また、薬剤によっては、交差反応を示すものもあります1。例えば、β-ラクタム系抗生物質に対するアレルギーの場合、ペニシリン、アンピシリン、アモキシシリンに対して交差反応を示す可能性があります3

アズトレオナムはペニシリン系との交差反応が稀(0.001%未満)で,

セファゾリンは第一世代であるが、同一のR1側鎖を持つ他のβラクタム系抗菌薬はない特異的な構造であり(Ceftezole[タイファロゾール®]のみ同一側鎖を有するが、現在は販売されていない)、他のβラクタム系抗菌薬との交差アレルギーは少ないと考えられる。セファゾリンによる過敏反応を示す患者は、他のセファロスポリンやペニシリンに忍容性を示す可能性が示唆されている12)13)

31歳,女性.1996年2月14日,感冒のためアモキシシリンを内服し,翌目右肘窩,右手指および右足背に疼痛を伴う発赤,腫脹が出現したが数日で自然軽快した.同年3月22日,抜歯後に塩酸バカンピシリンを内服し,前回と同部位に皮疹が出現した.固定薬疹と診断し,貼布試験を施行した.皮疹部ではアモキシシリン,塩酸バカンピシリンが陽性を示した.他のβ—ラクタム薬との交差反応を検討するため貼布試験を施行したところ,アンピシリン,塩酸レナンピシリンは陽性を示したが,ベンジルペニシリンカリウム,ピペラシリンナトリウム,トシル酸スルタミシリン,セファレキシン,セファクロルは陰性であった.


指導医 ペニシリンとセフェム系で側鎖が類似するものは交差反応が起きやすいとされているんだ。 ..

世代により頻度に幅があり、第一・二世代セファロスポリンは第三・四世代セファロスポリンに比べて、ペニシリン系抗菌薬との交差アレルギーの頻度が高くなると報告されている。交差アレルギーは前述のように、主にR1側鎖の類似によるものが原因と考えられる。そのため、アミノペニシリンでのアレルギー歴がある患者では、アミノセファロスポリンとの交差アレルギーが起こり得る。これは、第一世代や第二世代での交差アレルギーが多い要因と考えられる。アミノセファロスポリンとペニシリンの交差アレルギーは、約10%と報告されている。

交差反応は1%以下とされています。また、別の報告ではペニシリン系の抗菌 ..

・ペニシリンおよびセファロスポリンの両方に陽性の皮膚試験結果を有する例においてペニシリン及びカルバペネムとの間の交差反応性の低い率が存在(0.8%-1%)。

・局所麻酔薬間の交差反応についてエステル型とアミド型とは交差反応しない。 ..

参考までにですが、側鎖が似ていて交差反応の可能性のあるグループを記載しておきますので、それぞれ確認してもらうとおもしろいと思います。

ペニシリンとセファロスポリンアレルギーの交差反応性は8%である. ..

初期のレトロスペクティブ研究では40%程度のペニシリンアレルギー患者で交差アレルギーが起こるとされていたが、近年では過大報告されていたと考えられている。初期(1980年以前)のセファロスポリン系抗菌薬にはトレース量のペニシリンが含まれていたこともあり、過大に報告されていた原因の一つと考えられる。現在、側鎖を共有しないセファロスポリン系薬では、ペニシリン系抗菌薬との交差アレルギーは1~4%と報告されている11)

交差反応が指摘されている。実際に,ロクロニウムによるアナフィ ..

・、 1. 非βラクタム系抗菌剤を使用する(VCMなど、ただし乱用や耐性のリスク)、2.ペニシリン皮膚試験なしでセファロスポリン系抗菌薬を使用(ペニシリンへの反応がアナフィラキシーではなかった場合は第二または第三世代セファロスポリン選択は合理的)、3.ペニシリン皮膚試験を行い試験陰性患者にはセファロスポリンを投与、陽性なら非βラクタム薬選択か、必要に応じて脱感作して使用。

ペニシリン系抗菌薬とセフェム系抗菌薬の交差反応は、第1世代が 5~15%、第2 ..

・Drug as immunogens
メカニズム
完全抗原 巨大分子・・・インスリンや他のホルモン、酵素やプロタミン、抗血清、リコンビナントタンパク
ハプテン ・・・βラクタム系抗菌薬、キニジン、シスプラチン、ペニシラミン、バルビツール、抗甲状腺薬、重金属(金など)
代謝を経てハプテン ・・・スルホナミド、アセトアミノフェン、フェナセチン、フェニトイン、プロカインアミド
単体でTCRを活性化 ・・・スルホメトキサゾール
HLAと結合 ・・・リドカイン、メピバカイン、カルバマゼピン、アバカビル、アロプリノール、ラモトリギン
・薬剤アレルギーの一般的検査
皮膚テスト ・・・即時型の判定;皮内反応、プリックテスト、スクラッチテスト、遅延型:パッチテスト
試験管内検査 ・・・血清トリプターゼ、薬剤特異的IgE、好塩基球ヒスタミン遊離試験、リンパ球刺激試験LST
試験的再投与 ・・・重症例には原則禁忌。

=(交差反応物質添加の検体測定平均値 ‐ 対照検体測定平均値 ..

[解説]
ペニシリンアレルギーの既往のある患者で、カルバペネム系薬の皮膚試験が陽性となる患者は1%程度である。ペニシリン系抗菌薬、セファロスポリン系抗菌薬ともに、交差アレルギーは1%未満と推定される14)

ペニシリンと第三世代セファロスポリン系薬との間の交差反応性は,ペニシリンアレルギー患

20年間で食物と薬剤のアナフィラキシーが増加しているが、死亡の増加はない。
アナフィラキシーの約20%は薬剤である。
アナフィラキシーは5分以内に対処しないと予後不良となる。
・医療事故調査・支援センターの発行した医療事故の再発防止に向けた提言
アナフィラキシーに関して6つの提言をしている。
提言1.あらゆる薬剤、複数回安全に使用できた薬剤でも発症しうる
提言2.発症の危険性が高い薬剤使用時は注意深い観察を
造影剤、抗菌薬、筋弛緩薬等は発症例がおおい。
静脈注射する際は、投与開始から「5分間」は注意深く観察する。
症状例:ふらつき、喉のかゆみ、しびれ、ムズムズ感、嘔気、息苦しさ、くしゃみ、体熱感、皮膚紅潮、眼球上転、痙攣、急速な換気困難、心電図のST上昇 等。
提言3.症状が出現したら薬剤投与を中止しアドレナリン準備を
薬剤投与開始から5分以内に皮膚症状の有無に関わらず症状が出現した場合はアナフィラキシーを疑う。
薬剤投与中止し、助けを呼び、アドレナリン筋肉注射を準備する。
※蜂毒や食物に比較して薬剤の場合心停止に至る時間が早いので注意を要する。
提言4. 疑いがあればためらわずにアドレナリンの筋肉内注射を
成人の場合アドレナリン0.3mgを大腿前外側に筋肉内注射する。
※アドレナリン0.3mgの筋肉内注射であれば、有害事象が起きる可能性は非常に低い。
提言5. 速やかなアドレナリン筋肉内注射が可能な体制の整備を
抗菌薬、筋弛緩薬、造影剤等アナフィラキシーを起こしやすい薬剤を使用する際には、いつでもアドレナリンを投与できるように配備する。
※アドレナリン0.3mgをすぐ用意できるように定位置に常備する。
提言6. 患者の薬剤アレルギー情報を把握し共有できるシステムを
患者のアレルギー情報を事前に把握することが、可能な限りアナフィラキシーの発症を予防することにつながる。
患者のアレルギー情報は多職種間で共有を徹底することが重要である。
年間50-70人がアナフィラキシーで亡くなっている。

ベンジルペニシリン過敏症の患者の血清に対してアモキシシリンが交差反応を示す

そして、これらの交差反応を考えたときには「側鎖」が大きく影響します。系統が異なっても、側鎖が似ていると交差反応のリスクが高まるといわれています。

交差反応性の程度はかなりの不確実性の問題のままである。・IgE、IgM ..

ペニシリン系薬とセフェム系薬は化学構造中にそれぞれβ-ラクタム環を有するβ-ラクタム系抗生物質である。添付文書では他方の薬剤に過敏症の既往例がある場合には慎重投与になっている。交差アレルギーは主に側鎖構造の類似性に関連すると指摘されており、共通の側鎖を持たない薬剤は投与可能な場合がある。安全を期すため、第一選択薬は構造が全く異なるマクロライド系薬、ニューキノロン系薬、テトラサイクリン系薬、アミノグリコシド系薬、リンコマイシン系薬、ホスホマイシン等、術前予防投与の場合はクリンダマイシン、バンコマイシンを考慮する。β-ラクタム系抗生物質の使用が必要な場合は、母核および側鎖構造の異なる薬剤を用いる。

なお、ペニシリンアレルギー患者でセフェム系に対しても過敏反応を示すのは5~15%と言われています。

・ペニシリン間においては有意な免疫学的交差反応性が臨床的にあるが、厳密に側鎖を共有するこれらの特定のβラクタムの可能性を除いては、臨床的に有意な特定のペニシリン、セファロスポリン、および他の非ペニシリンβ-ラクタムとの間の免疫学的交差反応性ははるかに少ないかまたは可能性はない。

◎アモキシシリンの主な代替薬はセファレキシン、マクロライド系抗菌薬、クリンダマイシンである。

<Key Points>◎ベンジルペニシリン、アンピシリン、アモキシシリンは侵襲性肺炎球菌感染症、溶連菌性咽頭炎、腸球菌感染症、梅毒、歯科治療などのキードラッグである。◎ベンジルペニシリン、アンピシリンの主な代替薬はセフトリアキソン、セフォタキシム、テトラサイクリン系抗菌薬、グリコペプチド系抗菌薬である。◎アモキシシリンの主な代替薬はセファレキシン、マクロライド系抗菌薬、クリンダマイシンである。