抗うつ薬が単に欲しいだけの方は、他院に行くことをお勧めします。


【病気の経過―急性期と安定期】
初めて統合失調症を発症した時の一般的な経過は、まず、いわゆる前駆期、病気になる前のちょっとした機能の低下、不眠や不安などが出る時期があります。2~5年と言われていますが、かなり個人差があり、気づかれないことも多いのです。
この前駆期のあと、幻聴・妄想といった精神病症状が出てきて、激しい興奮・幻覚・幻聴・妄想といった急性期状態が起きます。この時期は、治療に繋がるまでの時間が短ければ、つまり早期治療であれば、一般的に治療が開始されてから数ヵ月で急性期症状は収まります。
この初発の急性期症状の時期は、治療に非常に重要な時期で、急性期の治療目標は、危機的状況を回避し、症状の改善と共に、治療関係・治療環境を作るといった将来に繋がることなどを集中的にやる時期になります。
早期治療であれば、最初の急性期症状が、初期治療によって改善する方は8割から9割と言われています。部分的に症状が残っていることはありますが、基本的には急性期症状は数ヵ月で、ある程度は終息に向かうものなのです。
ところが、受診が遅れて病状を悪化させてしまったり、退院後に服薬をしなかったり、ストレスを減らせない、予想外のストレスフルな出来事に直面した等々で、再燃や再発をしてしまい、悪い状態が長引いてしまう方も少なくありません。
精神疾患としての症状が激しい急性期に比べ、その後の安定期は陰性症状が主となり、生きにくさという障害の時期で、かなり長い年単位の経過になります。意欲や判断力の減退で社会に出ていくのが難しく、時間を充実して過ごせないなど、いわゆる認知機能障害・社会機能障害といわれる問題を抱えます。
従ってこの安定期は、再発予防と、リハビリを通して社会復帰を図ることが大事ですので、急性期とはかなり治療の観点が変わってきます。ただ「今日から私は安定期」とか「明日は急性期」といったものではありません。皆さんは当事者の方を思い浮かべて、この辺りかなと検討をつけて、その対応を考えて頂きたいと思います。

【向精神薬の役割と副作用】
統合失調症の一般的な薬物療法として使われる向精神薬は、ざっと分けて6種類あります。統合失調症の薬としてメインになるのは抗精神病薬で、ほかに抗うつ薬・気分安定薬・抗不安薬・睡眠薬・副作用止めの抗パーキンソン薬が使用されます。
・抗精神病薬
できた時代・特徴によって大まかに定型抗精神病薬(旧薬)のセレネース(リントン)、インプロメン、ニューレプチル、コントミン、ヒルナミン(レボトミン)などと、非定型(新規)のリスパダール、ルーラン、ジプレキサ、セロクエル、 エビリファイ、ロナセン、インヴェガ、クロザリルの新旧2種類に分けられます。このうちルーラン、ロナセンは日本で開発された薬です。最近は非定型がスタンダード(標準)とされています。
非定型は、最初に難治性治療抵抗性の方に使われるクロザピンが40年前に出来たのですが、副作用が問題となり、ようやく日本でも、2年ほど前から限られた施設ですが使えるようになりました。
新薬のインヴェガはリスパダールの代謝体でほとんど同じですが、1日1回朝食後の服用で24時間の効果があり、血中薬物濃度の日内変動幅を抑えます。また、アメリカでは使われて10年程経つ抗精神病薬1~2種類が、今後数年のうちに日本でも出る予定で、現在治験が行われています。
・抗うつ薬
統合失調症でうつ状態を経験する人は3~5人に1人、一般人口では10%ですから、かなり多いです。抗うつ薬は気分の落ち込みや憂うつな気分を和らげ、強迫感やこだわりを取ってくれる効果もあります。
三環系はアナフラニール、アモキサン、ノリトレンなど。四環系はテトラミド、デジレル。三環系・四環系は、抗精神病薬で言えば定型といえるもので、副作用は強いのです。
SSRIはルボックス、パキシル、ジェイロゾフト、レクサプロ、SNRIはトレドミン、サインバルタがあり、これらはいわば非定型に当たるもので、最近は統合失調症にも多く使用されます。ただ、SSRIは衝動性を煽り10代の人には自殺念慮をおこすなど慎重な投与が必要といわれます。とはいえ最近の治験では、うつ状態には効果があり、三環系・四環系は副作用が強いことから、10代でも時を選んで使うのがよいと変ってきています。
NASSAはリフレックス、レメロンなど。SSRIおよびSNRIに比べて、効果発現までの時間が短く、持続的な効果が得られると言われています。

・気分安定薬
気分の波の上下を少なくするので、躁うつ病、躁病の治療薬として、また抗てんかん薬として使われる薬もあります。
リーマスは、急性期に多く使われ、自殺予防効果で多くのエビデンスがあります。金属なので中毒に注意を要します。気分安定薬の中には皮膚に重篤な副作用が出るものもあるので、慎重な扱いが必要です。しかし躁うつ病に他の薬は効果がはっきりしないものが多く、データを持って効果ありといえるのはリーマスだけです。統合失調症では抗精神病薬の補助薬として併用され、攻撃性を抑える際に使われることも多い薬です。
デパケンも統合失調症の急性期に多く使われます。

・睡眠薬
寝つき、睡眠の質をよくします。短・中・長と作用する時間が違うので、病状に合わせて使い分けが必要です。短時間型はハルシオン、マイスリー、アモバン、レンドルミンなど。中間型はロヒプノール、ユーロジン、ベンザリンなど。長時間型はドラールなどです。

・抗不安薬
不安な気持ちやイライラなどを抑える薬で、リーゼ、デパス、ワイパックス、コンスタン、ソナコン、レキソタン、メイラックスなどがあります。
アルコールに構造が似ていて、脳の中で同じ場所に働くので飲み心地がよいのですが、お酒と同じように依存という副作用が出てきます。
【急性期の治療・入院】
急性期の場合の入院は、幻覚・妄想など陽性症状の安定化、自傷他害といった救急事態の予防ないし介入です。意外に思われるでしょうが、実は陽性症状治療は、激しくない限り優先順位は高くないのです。「幻聴を消さないと」「妄想があるからダメだ」と、陽性症状にスポットをあてて医師も周りも考えがちですが、不安・不眠といった症状が、実は当人の苦痛に繋がりやすいので、そのコントロールが、より大切なのです。
入院治療をすべきときは、「自傷・他害」から守ることが一番で、暴力や自殺未遂以外にも、「食べられない」「眠れない」は疲れがたまり、どんどん苦しくなってしまうので入院が勧められます。
【急性期の薬の使い方】
症状を抑えて安静を保つことが、急性期の治療においては優先されます。当人の不安や混乱を抑えなければいけませんし、どんどん悪化する途中ですから、ピークを見越して薬を使わないといけないので、急性期にはどうしても薬は多くなってしまうことが多いです。その時、正しく診断できるか、病状をどう抑えるか、そして本人に合うのはどの薬か選ぶ、ここが非常に難しいところです。
不安・興奮、敵意攻撃性、暴言、暴力、物を叩くといった破壊的行為に繋がりやすい人には気分安定薬・ベータβブロッカーが効果的と言われています。この薬は、血圧降下剤として一般的に使われますが、静穏作用があり、副作用のとくに手の振るえについて症状の改善をすることが知られています。
【急性期患者の拒薬】
「薬を飲みたくない」という葛藤を、知っておく必要があります。入院している人は10人に1人、拒薬するというデータが国際的にあります。どういうタイプが多いかを知ると、対応も考えられます。
1)過去に拒薬したことのある人は、再発時にまた拒薬をする
2)社会的地位のある人は、自分の理屈で納得しないと薬を飲まない
3)病状が重過ぎる人は、陽性症状が関連する。
私が医者になった10年前頃は、強制的な服薬が一部の病院で続いていることもありましたが、少しずつ精神科治療でも人権が問われるようになってきています。医療者の倫理が問われるような暴力事件は、残念ながら精神科医療にこれまで存在していました。
【安定期の治療】
以前は入院がほとんどでしたが、施設的にも社会的にも問題提起され、最近は外来診療が増えました。
安定期の究極的なテーマは再発予防と社会参加で、治療は急性期と違ってきます。しかし陽性症状の再来は予防しなければならず、抗精神病薬は外せません。症状が落ち着いていても、社会に出ることに対する不安が非常に強くなる方も多いので、積極的に抗うつ薬を使っていくべきです。
【治療の継続】
初回寛解か、それに近い人ですら、私の記憶でも服薬をしないと半年以内に半分近くが再発しています。治療全般の中断では2年以内に8割以上の再発という厳しい数字です。再発予防は、やはり服薬と受診を続けなければいけません。本人も苦しく周りも大変な急性期に、いかに治療継続の方向に持っていけるかが大事なのです。
ご家族に心理教育ができるか否か、サポートシステムがあるかないかで、予後は大きく違ってきます。家族会への参加はとても良いと思います。また、国にも臨床の場でのサポートを要求していかなければなりません。
【副作用とその対処】
錐体外路症状(パーキンソン症状)は、仮面様顔貌、手の震え、小刻み歩行、前傾姿勢など抗精神病薬ではかなり出ます。病気の長さ、エピソードで多少違いますが、初回の方では例えばリスパダール3mg(cp換算300?)を越えた時点で出ることが多くなり、4mg以上になると殆どの方に出ます。顔面に出るパーキンソン副作用で、顔がテカっている、笑いが引きつっているという症状は、よく見過ごされる副作用です。
アカシジアは苦痛度でいくとナンバーワンで、脚がムズムズして、静座不能でじっとしていられない、重度の方はウロウロし続けて最悪そのまま自殺につながる方もいるほどです。また内的アカシジアといって、胸のあたりがソワソワするという訴え方をする方も多くて、こうなると病気の症状か副作用か分からなくなります。治療的診断といって出す薬を試しながらいくしかなくて、自殺にもつながりますから慎重に対応しないといけません。
アキネトンという抗パーキンソン薬があって筋肉注射をすればとまりますが、多幸感も出てしまうので癖になったりします。そうなると副作用止めの副作用が出てきてしまって、訳がわからなくなることも少なくありません。
ジストニアは、呂律が回らない、舌が出る、眼球上転、首や手足が突っ張るなど目立つ副作用です。ボトックス治療が効果がある場合もあります。
ジキネジアは、遅発性で精神薬を飲み始めてから数年後に、勝手に口の周りや舌が動く症状が出て、非常に消えにくいものです。本人が気づかないで動いていますから主観的苦痛は大きくないのですが、見た目が悪く、ひどく落ち着いているのに口をもごもご動かしていると、変っていると他人に思われてしまいます。治療法は抗精神病薬の中止が一番ですが、は薬をしっかり飲まなければならない病状の人が少なくないので、薬をどのタイミングで変えるか、減らすかが難しく、また対応が遅れると消えにくくなるため、対応が非常に難しい副作用です。
眠気・だるさ・過鎮静は、抗コリン作用で、ふらつきやだるさが出ます。鎮静系の薬や抗パーキンソン薬では口渇・便秘・尿閉もあり、口渇では水を飲み過ぎる多飲症・水中毒があり、水分の1日の適正量は1.5~2?ですが、1日に5,6?以上も飲んで、血中のナトリウムが薄まって突然死に至ることがあります。
漫然と強い薬をのんでいると肝障害がどんどん強くなる事もあります。
循環器系で意外と見過ごされる副作用に不整脈があります。セレネースのおこす不整脈は知られていますが、リスパダールにもあり、心電図確認を定期的に欠かさない事が重要です。統合失調症の突然死の一つに不整脈があげられています。
内分泌、代謝系の副作用では、特にジプレキサは糖尿病・肥満になりやすく、若い方のナーヴァスな問題としては、プロラクチン血症による、女性は生理不順、男性は勃起障害射精障害があります。性に関する事は医師としても聞きにくいのですが、それで自信をなくして悩むことも大いにあるので、きちんと医師に聞いて下さい。
デパケンは、皮膚に発疹がでる副作用があり、重症になると死に至るために注意が必要です。
悪性症候群は1万分の1以下の確率で、なかなか出る副作用ではありませんが、死亡率が非常に高いです。症状は38度以上の高熱が出、ひどく汗をかき、尿が出なくなり、筋肉痛や体がこわばり、意識が朦朧とします。風邪に似ており、風邪の度に心配になりがちですが、命に関わる重大な副作用ですので、頭のすみに悪性症候群は置いておいてください。
【副作用への対応】
忘れがちですが大事なことは「様子を見る」事です。
アカシジアは薬を飲み始めたときに出やすいのですが、1~2週間飲み続けると軽くなり消えるものもあります。副作用止めの抗パーキンソン薬は飲み続けると認知機能障害が進むことがあります。抗うつ薬の吐気も、エビリファイの吐気も飲み初めだけで1~2週間で消えるので、最初だけ吐気止めの頓服を使うとよいでしょう。漫然と副作用止めを投与すべきではありません。
便秘は、下剤は飲み続けると効かなくなります。対処としては、おなかのマッサージ・温める、食事を見なおすことも大切です。口渇は、水を飲みたくなったら、飴・ガム・氷をなめるなどして、水中毒を防いでください。
たちくらみは、ゆっくり起きて一呼吸おいてから行動。まず座ってから立つなどの習慣づけをして下さい。眠気は、「ちょっと寝る」工夫が大切。昼寝なら30分~1時間で起こしますが、起こし方の工夫が要りますね。例えばご飯の匂いで起こすとか、音楽やテレビをかけるとかのアイデアは大切です。本人に合わせた起こし方を考えて下さい。

【副作用?と思ったら】
「薬の副作用?」と悩むと、薬を止めたり減らしたり、自己調節してしまう人が多いのですが、自己調節はどうしたのか覚えていない事が多く、また、勝手にスパッと止めてしまうと、抗不安薬では急に離脱症状が出てかえって危険な事態になったり、抗精神病薬を止めて悪化・再発すると、以前より薬が効きにくくなり却って服薬量が増えてしまうことが多いのです。
副作用?と思ったら、悩んだり自己調節をせずに、早めに必ず主治医に相談して下さい。最も良い対応策は、人や症状の度合いによっても違いますし、副作用と思っていたことが、病気の症状であることも多いのです。
ご家族が一緒に薬の管理をする事は、医師にとって非常に大きな安心感に繋がりますし本人を支える上で非常に大事だと思います。薬は、病気で下がったストレスに耐えられる閾値を上げて、ストレスに耐えやすく生活しやすくして、本人の力を元に戻す手伝いをするのです。そして薬だけに頼らず、日々のストレスを下げていくことが大事です。ストレスが下がれば、当然、薬は減らしていけるのです。薬を考えるときは、すべての生活、治療をもう一回見直す必要があるでしょう。
~了~


抗不安薬を十分に使っても不安がしずまらない場合、していきます。

抗うつ薬は、飲み始めてすぐに効果が実感できることは多くありません。一般的には、効果が出てくるまでに2週間~1か月ほどはかかるといわれています。
抗うつ薬は、規則正しく服用することがとても大切です。もしもお薬を飲み忘れてしまったら、少しずれてもいいので必ず服用してください。
よくなるとお薬をすぐにやめたくなってしまうかもしれませんが、脳の神経伝達物質が安定するにはしばらく時間がかかりますし、治りたての時期はストレスにも弱いです。不安の病気では、無意識に苦手意識が残っています。
症状が本当に安定したのちに、生活の変化が少ない時期に少しずつ減量をすすめていきます。

フェノバルビタールは不眠症・不安の鎮静や、てんかんの痙攣発作等として使用される、尿素と脂肪族ジカルボン酸とが結合した環状の化合物であるバルビツール酸系の抗てんかん薬です。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律における、劇薬・習慣性医薬品に指定されており、フェノバルビタールの抗不安薬や睡眠薬といった用途については、現在は安全なベンゾジアゼピン系に置き換えられており、また、てんかんにおいても第一選択薬ではなくなっています。
GABAA受容体に作用し、中枢神経系における抑制系の増強で興奮を抑制します。作用の発現は遅く持続的で、長時間作用型とされています。

▼催眠鎮静薬における種類
フェノバルビタールはバルピツール酸系の長時間型の催眠鎮痛薬です。
この系統は続けているうちに効き目が減退したり、急に中止すると反発的な症状が強く表れる可能性があります。服用量の安全域も広くないため、不眠症に対しての処方で使用されることが少ないです。

▼国内ガイドライン
厚生労働省は2017年3月にフェノバルビタールの重大な副作用の項目に、「連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意して慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する。」旨を追加して、周知徹底のため関係機関に通達しています。
食欲減退の副作用がある為、無承認無許可医薬品として海外製ダイエットサプリメントでの検出事例があります。
フェノバルビタールの使用を中止の際には漸減が原則であり、急な中止は痙攣重積を生じる恐れがあります。

不安障害と説明されたのに抗うつ薬が処方された。飲みたくなくなった。

精神科の薬はどうしても太る薬が多く、抗うつ剤も例外ではありません。抗うつ剤によって太りやすさには違いがありますが、多くの抗うつ剤では太りやすい方向に働きます。ですから、ちゃんと自己管理の意識をもって生活していきましょう。

よく使われる抗不安薬の作用の強さと作用時間を一覧表で比較してみました。

不安に対してもっともよく使われる抗うつ剤はと呼ばれる種類です。

抗うつ薬は、セロトニン・ノルアドレナリン・ドパミンといった脳内の物質を増やすことで効果がでてきます。ですが、薬は目的通りには作用してくれません。いろいろな物質に影響を与えます。これが副作用としてでてくるのです。

③ドーパミンD2受容体部分作動薬(DPA)(アリピプラゾール(エビリファイ)、プレクスピプラゾール(レキサルティ)):
既存の抗精神病薬は全てドーパミンD2受容体拮抗薬(アンタゴニスト)でした。ドーパミンD2受容体部分作動薬(パーシャルアゴニスト)はドーパミン作動性神経伝達の活動に応じてその神経伝達を常に生理的なレベル方向へ安定化させ、ドーパミン過剰活動の場合にはドーパミンD2受容体に対して拮抗薬として作用し、低下している場合には作動薬として作用します。この為、(1)中脳辺縁系は抑制し、(2)中脳皮質系は抑制を減弱し、(3)黒質線条体系、(4)結節・漏斗系には影響を及ぼしません。
アリピプラゾールは血中濃度の半減期が60時間と長い。不眠となる事があるので、朝1回投与します。
プレクスピプラゾールはアリピプラゾールよりもドーパミンD2受容体遮断作用が強く、アカシジア(静坐不能症)が少ない。SDAと同じく中脳皮質系や線条体ではドーパミン神経終末上のセロトニン2A受容体遮断によりドーパミン放出が促進され、それぞれ陰性症状、錐体外路系副作用(EPS)を軽減、改善します。

よく使われている抗不安薬をまとめると、以下の表のようになります。

シナプスにおける神経伝達物質のうち、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンは、それぞれ気分、意欲、快楽に関係しているとされています。
シナプスにおいてセロトニン、ノルアドレナリンが少なくなると、抑うつ気分、意欲低下などのうつ症状が現れ、抗うつ薬の多くは、シナプス間隙におけるセロトニンあるいはノルアドレナリンの再取り込みを阻害して濃度を増加させ、情報伝達を正常化させる、と考えられてきました(モノアミン仮説)。しかし、モノアミン仮説では、抗うつ薬の効果が出始めるのに2週間もかかる事の説明がつきません。最近では、うつ病では神経細胞の突起が委縮しており、抗うつ薬はモノアミンを増やす事を介してBDNF(脳由来神経栄養因子)を増やし、神経細胞の突起を伸ばす作用により効果を発揮する、という考え方が主流になってきました(神経新生・BDNF仮説)。
抗うつ薬の種類としては、第一世代(三環系)、第二世代(非三環系)、第三世代(SSRI)、第四世代(SNRI)、第五世代(NaSSA)、第六世代(S-RIM)があります。

(1)三環系抗うつ薬

現在の主流は、比較的副作用の少ないとされるSSRIやSNRIやNaSSAになりますが、三環系抗うつ薬など古いタイプの方が優れた効果を発揮するケースもあるため、それぞれの患者さんに応じ、もっとも適切と判断されたものをお飲みいただきます。


ワイパックスは筋弛緩作用が少なく、ふらつきは少ない抗不安薬です。

うつ病以外にも、パニック障害や社交不安障害などの不安障害、強迫性障害などにも適応が認められています。セロトニンが増えることで、とらわれが少しずつ薄れていきます。
また、睡眠を促す作用のある抗うつ薬は、睡眠障害に使われることもあります。悪夢がみられるときは、レム睡眠を減少させる抗うつ薬が使われることがあります。

ワイパックスをはじめとした抗不安薬はこれまで、といわれていました。

新宿家族会へのお誘い
新宿家族会では毎月第2土曜日、12時半から新宿区立障害者福祉センターに集まって、お互いの情報交換や、外部からの情報交換を行い、2時からは勉強会で講師の先生をお招きして家族が精神障害の医学的知識や社会福祉制度を学び、患者さんの将来に向けて学習しています。

[PDF] 睡眠薬や抗不安薬を飲んでいる方に ご注意いただきたいこと

1970年代に入って、脳の神経伝達物質に作用する薬がパニック障害を緩和することが分かり、盛んに心の病気と脳の関係が研究されるようになってきました。
心の状態に作用する向精神薬(psychotropic drugs)も進化しており、より副作用の少ない抗うつ薬や抗不安薬などが次々と新しく登場しています。特に抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、抑うつ症状や不安症状を改善する際の第1選択薬として広い範囲で使われています。
ただし、副作用は比較的少ないものの、吐き気、下痢などの胃腸症状がみられることもあり、ごくまれに「セロトニン症候群(セロトニン過剰による意識障害や発熱)」や、「アクティベーション症候群(SSRI服用後1~2週間後に起こる情動不安)」などが起こることもあるので、容易な使用は危険です。
SSRIの後に登場したセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は、セロトニンだけでなくノルアドレナリンにも作用し、脳内の神経伝達機能を正常にする目的で使われます。
また、従来から使われている抗うつ薬(三環系抗うつ薬など)も、SSRIの効きにくい人に有効な場合があり、効果の確実な抗うつ薬として現在も治療に役立っています。
(「薬いらずのメンタルケア」貝谷久宣著、主婦の友社 より抜粋)

併用することにより、脳の機能を落としすぎてしまいます。 このためワイパックスとアルコールを併用すると、

抗不安薬にはさまざまな種類が発売されていますが、現在日本で発売されているのは、ほとんどが『』と呼ばれる系列です。

患者様の症状の程度によって、強さを選ぶ必要があります。 強い, 中くらい, 弱い

抗うつ薬の副作用は、抗うつ薬が脳内のターゲットとする神経伝達系だけでなく、他の神経系にも作用があることが大きな要因です。以下のような症状が抗うつ薬の一般的な副作用です。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬(デパス、ソラナックス、ワイパックス、レキソタンなど)が代表的な薬です。 ..

三環系抗うつ薬よりは副作用が少ないが、抗うつ作用は非常に弱い。
現在は、ミアンセリン(テトラミド)、トラゾドン(デジレル、レスリン)等が睡眠作用を期待して使われます。深い睡眠を増やして悪夢や中途覚醒を軽減します(SSRIとは逆の作用)。アメリカでは、不眠症の治療薬として最も多く使われている薬剤がトラゾドンです。
トラゾドンには、まれだが重篤な副作用として持続勃起症があります。
緑内障、心筋梗塞の回復初期には禁!

「併用療法」とは、抗うつ薬を併用する事。 相加効果、相乗効果や副作用の相殺が ..

抗うつ薬は、脳内でモノアミンと呼ばれる神経伝達物質(神経細胞間を橋渡しをする物質)を増やす作用が認められます。うつ病の患者さんはモノアミンが減少していることから、このモノアミンの量を調整することで脳内のバランスを整え、つらい症状を改善していくと考えられています。

エスシタロプラム(レクサプロ®), おだやかな抗うつ効果。抗不安作用も高い ..

そして一方、既に抗うつ薬を服用している状態で他院から転院してくる患者さんの治療は、

精神科医が主要な16種類の精神安定剤(抗不安薬)について徹底解説!

1日に1回、1錠を就寝前に水・ぬるま湯で服用します。高齢者や体重が軽い方は1錠の半分(5mg)を服用するようにしましょう。効果発生は服用から約30~60分、睡眠効果は約5時間の持続効果がありますが、効果を感じられないなどの理由から、1錠以上服用する事は絶対に止めてください。抗不安薬などを服用している方は副作用の危険性があるので併用できません。その他持病のお薬を常用している方は、かかりつけ医に事前に相談してから服用することを推奨しています。

ワイパックス) ベンゾジアゼピン系抗不安薬で、剤型は、錠剤のみです。 服用後 ..

その他、抗うつ薬の投与早期や増量時には不安・焦燥や衝動性の高まりが見られることもあります。
副作用が実際にどのような症状としてどの程度、どのくらいの期間に、現われるのかは種々の要因が関与します。具体的には治療薬の種類、投与量、年齢、性別、薬物の代謝機能、そして身体疾患の有無などが複雑に関与し合うことで副作用の個人差を大きくしています。

まずは併用して副作用がないことを確認してから、少しずつ減薬して新しい抗うつ剤 ..

患者さんの症状は不安が強い方や不眠の方、肩こり腰痛など様々です。ロラゼパムは抗不安、催眠、筋弛緩作用という複数の作用を持ち合わせているため患者さんの症状によっては必要とされない作用もあります。もちろん患者さんの症状に合わせて医師が最適なお薬を選択しますが、それぞれの症状は常に変動するため、時にお薬の作用が副作用として現れることがあります。また、ロラゼパムやその他のベンゾジアゼピン系のお薬は長期的に使用すると依存性や離脱症状など重い副作用が発現することがあります。患者さん自身の判断で服用中止や服用量の増減はとても危険なため、お薬の服用中に何かしら好ましくない作用が生じた場合はすぐに医師・薬剤師に相談するようにしてください。

・ワイパックス 0.5ミリ 1錠 ・セルシン 2ミリ 1錠 ・デパス 1ミリ 1錠

私は、さまざまな薬を精神科から処方されていました。きっかけは仕事による不眠。その中でもマイスリーに依存してしまい今に至ります。
その他の薬は、特に興味がなくすっぱりやめることができました・・・・だけ...