非結核性抗酸菌症 | 複十字病院 公式サイト(東京都 清瀬市)
非結核性抗酸菌(on-uberculousis ycobacteria: 以下、)とは、抗酸菌という細菌のグループのうち結核菌以外の抗酸菌を総称したもので、現在約200 種類程度が存在するとされています。NTMによる感染症を非結核性抗酸菌症(以下、NTM症)といいますが、NTMの中で、Mycobacterium aviumとMycobacterium intracellulareという菌を合わせてMAC菌(ycobacterium vium omplexの頭文字からと命名)と呼んでおり、NTM症のうち90%程度がMAC菌による感染症とされています。
近年、NTM症は増加傾向で、2007~14年の7年間で約2.6倍に増加したと報告されており、患者数は菌が陽性となった結核患者さんよりも多いとされています(図1)。また、2020年にはNTM症による死亡数は結核よりも多くなっており(図2)、高齢化が進む日本では今後、NTM症による死亡数のさらなる増加が予想されます。
て記載されている。 一方、国内外のガイドラインにおいて、非結核性抗酸菌症治療での使用が推奨される 3 剤
当院呼吸器内科では、非結核性抗酸菌症の啓発や標準治療の普及などを目指し、地域の医療機関と協力しながら患者さんが安心して治療を受けられる体制の整備を目的として、「非結核性抗酸菌症専門外来」を開設しました。
MAC症の治療は, リファンピシン(RFP), エタンブトール(EB), クラリスロマイシン(CAM) の3薬剤による多剤併用療法が標準治療であり, 必要に応じてさらにストレプトマイシン(SM) またはカナマイシン(KM) の併用を行う()6)。CAMは化学療法の中心となる薬剤であり, CAM耐性MAC症の治療は非常に困難となる。CAM単剤投与は数カ月以内にCAM耐性MAC菌が出現することが報告されていることから, 症状が軽微であっても, CAM単剤投与は避けるべきとされる。 治療期間は, 少なくとも排菌陰性化後1年間は継続するべきとされているが, 治療終了後の再燃・再感染は頻繁に認められており, 最適化学療法期間の設定は今後の重大な課題である。
症),肺非結核性抗酸菌症(肺 nontuberculous mycobacteria
非結核性抗酸菌症は、近年増加の一途をたどっており、今後も増加することが予想されている疾患です。そのため、呼吸器専門医だけでなく非専門医でも診療する機会が増えていくと考えられます。
非結核性抗酸菌とは、抗酸菌という細菌のグループのうち結核菌以外の抗酸菌を総称したもので、現在約種類程度が存在するとされています。非結核性抗酸菌による感染症を非結核性抗酸菌症といいますが、非結核性抗酸菌の中で、Mycobacterium aviumという菌とMycobacterium intracellulareという菌を合わせてMAC菌(ycobacterium vium omplexの頭文字からと命名と呼んでおり、非結核性抗酸菌症のうち程度が菌による感染症とされています。
播種性非結核性抗酸菌 (NTM) 感染症 | 日和見疾患の診断・治療
2004年~2009年:発症、増悪、治療開始
2004年39歳の時にいつものように健康診断を受けました。後日、例年は結果が手紙で通知されるだけなのですが、今回は精密検査が必要という電話がかかってきました。すぐに病院を受診したところ「肺がんではないが非結核性抗酸菌症の疑いがある」と医師の話を聞き、初めて聞く病名に戸惑いましたし、当時は予後が良くない、治す薬がない、などと言われ、不安を持ちました。連日ネット検索をしましたが、情報も少ない状況でした。 こうした状況の中、A病院で気管支鏡検査等の結果、アビウム菌陽性(ガフキー8号)となり肺MAC(Mycobacterium avium complex)症と確定診断があったのが、2005年でしたが、当時は自覚症状がなかったため経過観察となり定期的にレントゲン検査や喀痰検査、血液検査をすることとなりました。 2007年42歳の時、体調を崩し咳・痰がひどく呼吸も苦しいことから予約外受診をして、クラリスロマイシンという抗菌薬を単剤で1日400mg/日飲み始めることとなりました。投薬により吐き気や下痢といった症状が続き、整腸剤と吐き気止めも併せて内服していました。7か月後の2008年2月には咳や痰は多少あったものの、レントゲンの結果、投薬効果が確認できたとして投薬終了と言われました。しかし、投薬終了に喜んだのも束の間、その5か月後の再診で数年分を数か月で悪化していると言われ、投薬再開となってしまいました。加えて、その半年後には「投薬に効果なし」とされクラリスロマイシンが倍量の800mg/日となりました。増量によって口中に苦みを感じるようにもなりました。なにより、再開や増量という展開に不安感が増しました。
近年、非結核性抗酸菌症は増加傾向であり、年から年までの年間で約倍に増加したと報告されており、患者数は菌が陽性となった結核患者さんよりも多いとされています図。
価)を 2 回に分けて経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。 2. 非結核性抗酸菌症
非結核性抗酸菌とは、結核菌とライ菌以外の抗酸菌の総称であり、現在100菌種以上が発見されており、それらの菌種によって起こる感染症のことです。
非結核性抗酸菌症は結核菌群とらい菌群以外の抗酸菌による感染症で,わが国で最も頻度が高いのが,Mycobacterium avium症とM. intracellulare症を合わせたM. avium complex(MAC)症である。肺MAC症の標準治療はクラリスロマイシン(CA
M),エタンブトール(EB),リファンピシン(RFP)の3剤併用療法で,喀痰からの排菌陰性はおおむね70%程度で,しばしば再発する。治療期間は1~2年と長く,皮疹,胃腸障害,肝障害,視力障害などの副作用が問題になる。
CAM+EB+RFPの標準治療とCAM+EBの2剤による治療との比較試験において,治療完遂例における菌陰性化は前者の75.0%に対して,後者が82.5%であり,副作用による投薬中止例は後者で少なかった(文献1)。また,結節・気管支拡張型の肺MAC症に対する連日治療と週3回投与の間欠治療の比較において,菌陰性化は連日治療76%に対し,間欠治療67%と有意差を認めなかったが,連日治療でのEB中止例が24%に対し,間欠治療では1%と有意に低かった(文献2)。副作用が問題となる例では,このような治療を試みてよいかもしれない。
治療効果の改善のために,新たな薬剤の開発が望まれている。
マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症
一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。
非結核性抗酸菌症治療薬の薬物相互作用と用法用量設定に関する研究
非結核性抗酸菌は自然環境中の水系・土壌中や家畜などの動物の体内、水道・貯水槽などの給水システムなどに広く生息しており、菌を含んだ埃や水滴を吸入することにより感染すると推定されています。国内でも20菌種を超える感染症が報告されています。そのうち7〜8割ぐらいはMAC(Mycobacterium-avium complex)と呼ばれる菌で占められています。
現在、非結核性抗酸菌症に対する治療薬で使用されているのは、以下の通りです。 MAC症に対しては
年には非結核性抗酸菌症による死亡数は初めて結核による死亡者数を超え、その後その差はさらに広がっており(図2)、高齢化がすすむ日本において今後非結核性抗酸菌症による死亡者数のさらなる増加が予想されます。
日本結核病学会(現 日本結核・非結核性抗酸菌症学会)からは,「肺非結核性
クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。
日本結核・非結核性抗酸菌症学会【公式】 · @kekkakuJSTB
マイコバクテリウム属細菌はグラム陽性細菌に分類される真正細菌の一属で、結核菌など約200種が登録されています。このマイコバクテリウム属の細菌は抗酸菌と総称され、そのうち結核菌群および、らい菌を除いた細菌を非結核性抗酸菌(NTM)といいます。これらにより引き起こされる感染症はNTM症と呼ばれ、免疫不全患者だけでなく健常者へも感染し、感染後は自覚的な症状がほとんど無いまま長い時間をかけて病状が進行します。発症後は咳・痰・血痰・発熱・食欲不振・体重減少・全身倦怠感などが見られ、抗生物質も効きづらいため、長期の適切な薬剤治療が必要となる難治性の病気です。
[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠
生物の分類区分で、種の下位区分。非結核性抗酸菌症の主要な病原菌であるMycobacterium aviumの亜種であるhominissuis、silvaticum、paratuberculosisなど、近年次々と亜種が発見されています。
用量が追加になりました。それに伴い,下記のとおり,効能・効果,用法 ..
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日800mg(力価)を2
非結核性抗酸菌症の中で肺に菌が感染する肺症の患者さんが多くを占めており、非結核性抗酸菌症患者さんの予後を改善するためには今後肺症患者さんに対する対策がさらに重要になってきます。
クラリスロマイシンと抗結核薬2種類を毎日内服し、少なくとも1年半(菌が培養されなくなってから1年間)続ける必要があります。 生活上の注意
2009年~2010年:多剤併用療法への挑戦と副作用に苦しみ、転院
2009年3月、A病院の主治医の退職を機に紹介されたB大学病院で各種検査を実施した結果、病状が悪化していることから3剤(クラリスロマイシン・リファンピシン・エタンブトール)治療が必須であると診断を受けました。副作用の話も聞いていたため、迷いましたが家族とも相談の末、2009年7月には3剤治療を開始する決断をしました。しかし、投薬3週目、悪寒と発熱、起き上がれないほどの倦怠感が現れます。翌月、診察時に主治医に相談し「3剤治療が絶対に必要だが当面は代替薬で様子を見る」とされ、3剤治療は中止となりました。2010年5月、CT検査を実施し、既存の空洞は小さくなっているが、新たな空洞ができているとの指摘を受けました。「やはり3剤治療をするべきであり、それが嫌なら筋肉注射を週に2回通ってもらう」と言われてしまいました。このことから、大学病院はつらく厳しい治療を無理強いするところ、との印象を持ってしまいました。生活のために働かなくてはならないことを理解してもらえないと思い、その病院への受診をキャンセルし、以前の主治医がいるC病院を受診することにしました。その病院では「3剤治療は副作用が強い上、飲んでも必ず治る保証はないので辛いなら飲まなくて良い。クラリスロマイシンを中心にL-カルボシステインを追加しよう。」と言われて安心し、頼ってしまうことになりました。
クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン+エタンブトール+リファンピシン ..
本研究成果により、NTMの同定・薬剤感受性が正確に把握できることで、NTM症患者は病原体に応じた適切な治療を速やかに受けられるようになることが期待されます。本研究が開発する解析手法が広く臨床現場で利用されるようになれば、これまでの検査では得られないNTM亜種や株レベルの高精度情報が得られ、薬剤感受性の把握や伝播経路の推定など治療法や病態の解明の発展に寄与できると考えられます。本手法を応用することによりNTM症患者の喀痰などに含まれるわずかなゲノムDNAから、培養なしに直接NTMの同定を成し得る可能性があり、同定にかかる時間が劇的に短縮されると考えられます。これによりNTM症の早期発見による予防や新たな治療方法の確立へ貢献することが期待されます。感染症においては現在でも培養法による同定・感受性検査が治療方針決定のゴールドスタンダードです。しかしながら、原因は多岐にわたり時に急速な経過を辿りえますが、迅速な原因の同定・診断は困難な場合をしばしば経験します。次世代シーケンサーの開発・進歩により、リアルタイムにシーケンスが可能なMinIONが台頭し、病原体の迅速同定が可能となりつつあります。多様な菌種を持つNTM症に対して開発された本手法を他の感染症に応用することで、臨床検査の現場において、感染症の病原体・薬剤感受性を迅速に、かつ正確・網羅的に検出することが可能となれば感染症診療に大きな変容をもたらすことが出来ると考えられます。
肺 MAC(Mycobacterium avium complex)症
データベースに登録された配列と同定したい検体の配列を照合することによりマッチする菌種を探す手法はsequence typingと呼ばれ、それを複数遺伝子に拡張したものが Multi-Locus Sequence Typing と呼ばれます。菌種固有の遺伝子のDNA配列をデータベースに登録しておくことで極めて高い精度で同定が行え、データベースの規模が大きいほど検出能力が上昇します。今回、本研究においてはリボソーム分子の構成に関わる遺伝子やNTMの抗生物質耐性に関わると考えられている184遺伝子を選んだ上で、公共データベースおよび我々が新規に解読した計175種のNTMのゲノム情報を用いることで、マイコバクテリウム同定のための独自のデータベースを作成しました。
標準治療として、クラリスロマイシン、エタンブトール、リファンピシンの 3 剤併
結核菌は他人への感染性が強いため、患者さまの喀痰から直接菌が検出されると、結核病棟への入院の対象となりますが、非結核性抗酸菌は菌が検出されても他人に感染することはなく、一般病棟あるいは外来にて治療をおこなうこととなります。