この場合には、たとえ夜間だとしてもメラトニンの分泌量は低下してしまいます。
「先にもお話ししたように、体内時計を整えるためにも、そしてメラトニンに変わるセロトニンを増やすためにも、朝、太陽の光を浴びることはとても大切です。ポイントは最低5分以上の時間をかけること。例えば、朝食をテラスで摂る、ベランダでストレッチなど、部屋の中で行っている朝のルーティンを外で行うのもおすすめです。また、室内ならば、ご自宅の一番明るい部屋の窓を開放し、その1m以内でメールチェック…など、皆さんの生活スタイルに応じて実践してみてください」
では、幸せホルモン「セロトニン」を増やす方法をお知らせしましょう。
心身ともに元気でポジティブな状態に導いてくれるという、セロトニン。「ぜひともたくさん分泌させたい!」と思った方も多いはず。しかし有田先生によると、「セロトニンは年齢とともに量が減っていく上、現代人はセロトニン不足の人が増えている」と言います。
有田先生は、セロトニン分泌を妨げる敵は「生活習慣」にあり!昼夜逆転の生活や、パソコン・スマホの見過ぎ、慢性的なストレスなどはセロトニンの分泌を鈍らせると言います。また、現在のコロナ禍によっても外出や運動の機会が減ったことでストレスが溜まり、セロトニン欠乏だと思われる症状を感じる人が増えているそう。現代人がまさに今、しっかりと向き合うべき悩みだと言えそうです。
メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。
セロトニンは夜になると松果体でメラトニンの原料へと変化します。
時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。 徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。
私たちが眠気を催すのは、脳の中心にある松果体から分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」の作用によるものです。メラトニンの1日の分泌は体内時計によって管理され、朝日を浴びると分泌が止まります。その後、再び約15時間後に分泌量が増え始めます。しかし、昼夜問わず明るい環境にさらされることや、不規則な生活は、体内時計の乱れの原因になります。体内時計が乱れると、昼間に活動して夜に休息する人間本来の生体リズムが狂い、いわゆる“時差ぼけ”状態に。その結果、メラトニンの生成や分泌がうまくいかなくなってしまうのです。
さらにストレスも大敵です。緊張モードの交感神経の働きが夜になっても活発なままだと、交感神経からリラックスモードの副交感神経への切り替えがスムーズにいかなくなり、寝つきも悪くなりがちです。
ここからはメラトニンを分泌させるために欠かせない三つのポイントを紹介します。
そのような方は、「メラトニン」という睡眠ホルモンが影響しているかもしれません。この記事では、睡眠と深い関係があるメラトニンというホルモンの働きや、効率よく増やす方法、減らさないためのポイントをお伝えします。
有田先生によると、セロトニンが作られるのは朝から日中にかけて。基本的に夜は作られません。つまり、セロトニンを増やすのは“朝”がベストタイミング!ここからは、有田先生がおすすめする、「朝やるべきセロトニン量アップのための方法」をご紹介します。
セロトニンが不足すると、以下のような症状が現れることがあります。
メラトニンには、「明るいと分泌が抑えられ、暗いと分泌が活発になる」という性質もあります。そのため、夜寝る前に部屋の明かりを煌々とつけていたり、スマートフォンの明るい液晶画面を眺めたりしていると、メラトニンが分泌されづらくなり、睡眠に悪影響を及ぼすのです。
セロトニンが不足すると、うつ病、不眠、過食、慢性的なストレスや疲労感、めまいや頭痛、便秘や消化不良などの症状が現れることがあります。
つまり、セロトニンを増やすのは“朝”がベストタイミング! ..
NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。
メラトニンがうまく分泌されず不眠症などの睡眠障害の原因となります ..
●メラトニンの生成
通常、メラトニンは松果体にてトリプトファンからセロトニンを経て体内合成されます。このため、まずはトリプトファンを多く含む食材から摂取する必要があります。
メラトニンが生成される量は光量にも関係するため、普段の生活から朝に太陽の光を浴び、夜間は就寝前や就寝時には周囲をできるだけ暗く保ち、一日のリズムをつくる必要があります。日光を浴びるのが難しい場合は、照明などの人工的な光を上手に工夫することで、メラトニンの生成をスムーズにすることが可能です。
しかし、日中に太陽を浴びただけではセロトニンの量を増やすことはできません。
メラトニンは体内時計のリズム調整に大きな影響を与えるホルモンです。20時頃より分泌が高まり、真夜中にピークとなって、朝方には大きく減少します。メラトニンは常時分泌されていますが、このように夜になると増えるという特徴があります。
食べ物から摂取したトリプトファンは、日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。
「快眠に必要不可欠なメラトニンですが、残念なことに35歳頃には、10歳前後のピーク時に比べ、約1/4にまで減少します。でも、増やすことは可能。そのカギとなるのが、神経伝達物質の一種であり、幸福ホルモンと呼ばれる『セロトニン』を増やすことです。セロトニンは、日が暮れるとメラトニンに姿を変える性質があります。つまり、日中は機嫌よくいられ、夜はぐっすりと眠れるというW効果が期待できるのです。セロトニンの分泌は、体内時計のリセット法と同じく、太陽の日差しを網膜に感じることで促進されるので、日焼けに注意しながらも、日中も適度に太陽を浴びることが大切。次ページにセロトニンをチャージするためのヒントをまとめましたので、ぜひ、日々の生活に取り入れてみてください」
☆メラトニンはセロトニンが夜の暗闇で変身したもの。睡眠の質が向上 ..
そもそもメラトニンとは、脳の松果体という部分から夜間に分泌される脳内物質のこと。
それではセロトニンを増やす方法にはどのようなものがあるでしょうか。セロトニン ..
脳の「松果体」という部分で分泌されるホルモン・メラトニンには、概日リズム(いわゆる体内時計)を調節する作用があるため、睡眠の改善や免疫の強化などの効果が期待できます。夜に自然と眠くなるのはメラトニンのおかげなのですが、明るい光はメラトニン分泌を抑制してしまうので、現代では夜になっても眠気を感じない人が珍しくありません。
このリズムは、視交叉上核にあるメラトニンというホルモンによって調整されています。
体内時計の乱れは、太陽の光を浴びることでリセットされます。本来の生体リズムを取り戻し、1日を快調にスタートさせるためには、毎日同じ時間に起床して朝日を浴びることがポイントです。その際に10回ほど深呼吸するとより効果的です。また、1日3回の食事も体内時計の調整に役立ちます。特に朝食は欠かさないこと。腸の動きはダイレクトに脳に伝わるため、朝食を食べることで腸のぜん動運動が始まり、体内時計のスイッチが入りやすくなるのです。
その他、ストレスをため込まないよう、こまめな気分転換を心がけ、自律神経の働きを整えることも大切です。
セロトニンを増やす食べ物まとめ|重要な栄養素や生活習慣も紹介!
次に,夜の適切な過ごし方を,次に挙げます。参考にしてください。
(1) 夜7〜8時以降は,強い光に当たらないようにしましょう。この時間帯の強い光は,サーカディアンリズムの位相を後退させてしまいます。一般的家庭の室内照明は300ルクス程度です。この程度なら大丈夫ですが,商店街の明かりやコンビニの照明はNGです。
(2) 寝る2〜3時間前までに入浴を終えましょう。メラトニンは体温を下げ,それによって入眠するのですが,寝る前2〜3時間に入浴すると,体温が上昇してしまいメラトニンの効果を相殺してしまいます。
(3) 寝る2〜3時間前に食事を終えましょう。遅い時間帯の食事もサーカディアンリズムを乱してしまいます。
(4) 寝る前の2〜3時間は,コーヒーや緑茶などの刺激物は避けましょう。出来れば,夜食も避けるべきです。
(5) 寝る2〜3時間前は,部屋を暗くして勉強しましょう。実は,学習スタンドなどの照明もメラトニン分泌を抑制してしまいます。これでは勉強が出来ない!ことになってしまいますが,実は秘策があります。室内の照明や学習スタンドの照明を,白色から電球色(赤みがかった色)にすればOKです。メラトニン分泌は青色成分の光に顕著に抑制されますが,暖色系の光では比較的抑制されません。また,私の研究室では,白色光や青色光に比べ,黄色光(電球色系)の照明下で高次認知機能作業の成績がアップする結果が出ています。更に,黄色光(電球色系)で疲労が少なく長時間成績が下がりませんでした。
そして,これまでは「蛍光灯やLED照明を昼光色系(寒色)を電球色系(暖色)に変えてもメラトニン分泌を抑制してしまうので,照明機器自体を白熱電球に変えなければならない」と考えられてきましたが,近年では「必ずしも白熱電球に変えずとも,これらの照明機器でも昼光色系を電球色系に変えるだけで睡眠の質が高まり,記憶の精度が高まるという研究結果がでています。私の研究室でも,この効果を確認しています。最近では,電球色系の蛍光管やLED管が販売されており,照明機器を本体ごと取り替えなくても,内部の蛍光管やLED管だけを変えることができます。勉強部屋や学習スタンドの照明環境を変えてみては如何でしょうか。
メラトニンは朝から日中にかけて減少し、夜間に増えることで、体を眠りに誘う働き ..
睡眠―覚醒サイクルの中心にあるのが、"睡眠ホルモン"と呼ばれることの多いメラトニンだ。メラトニンのレベルは夕方から徐々に上がって暗闇の中でピークに達し、何時間にもわたって上質な眠りを続けられるよう、24時間の体内時計、概日リズムのタイミングを調整している。
メラトニンには、夜間の睡眠リズムを調整する働きもあります。朝日を ..
もうひとつのキーワード、「メラトニン」とは、脳と体を休めるための「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。これをいかに増やすかも快眠への大きな近道につながります。
メラトニンは採卵(不妊治療)の成熟卵子数を増やします。摂取量は?
そこで本記事では、食事や生活習慣を見直すことで、セロトニンを自然に増やす方法をご紹介します。
のセロトニンを増やすことが有効です。実は、一定のリズムを繰り返す運動で分泌を増やす ..
多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。