高齢者の睡眠トラブルを解決しよう!快適な睡眠をとるための対処法
高齢者は,加齢により早朝覚醒・中途覚醒の頻度が増え睡眠時間が減少するが,その原因は体内時計の調節機能低下にあると考えられる1)。眠剤としてはベンゾジアゼピン(BZD)系薬剤,非ベンゾジアゼピン(非BZD)系薬剤が多く処方されてきたが,2014年にメラトニン受容体作動薬,15年にオレキシン受容体拮抗薬の国内販売が新たに開始された。BZD系薬剤は多くの種類が発売されているが,中には長期服用により耐性,依存性を生じている高齢者も多く,認知機能への影響も危惧される2)。非BZD系薬剤は,BZD系薬剤に比較すると筋弛緩作用は弱く,転倒リスクが低く安全性は高いが,耐性や依存性が指摘されている。
高齢者の睡眠障害(上) なぜ寝つき悪い? メラトニン低下でリズム乱れ 物音や尿意で覚醒.
高齢者の睡眠障害の改善のための、光の活用について解説します。
よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。
「うつ病と認知症」については、このコラムの Vol.42『老年期のうつ病について ..
新たに発売されたメラトニン受容体作動薬は,BZD系薬剤に比べると耐性や依存性はなく,副作用も少なく安全性が高いとされる。松果体から放出される睡眠ホルモンであるメラトニンと同様にメラトニン受容体を刺激することで睡眠を促す。一方,オレキシン受容体拮抗薬は視床下部から放出される覚醒ホルモンであるオレキシンを阻害し,覚醒レベルを低下させることで眠りに導く。やはりBZD系薬剤に比べ耐性や依存性が少なく,日中への持ち越し効果は小さいとされる。ただし,新たに発売されたこれら2つの薬剤は,高齢者への安全性や有効性に対するデータが乏しいのも現状であり,今後のデータの蓄積が望まれる。
高齢者には早寝早起きの人が多いのですが、これは実は加齢によって睡眠の質や形が変化することで起こります。
高齢者は,加齢により早朝覚醒・中途覚醒の頻度が増え睡眠時間が減少するが,その原因は体内時計の調節機能低下にあると考えられる1)。
思春期、性成熟期、そして更年期を過ぎた
50代半ば以降を、
女性のライフステージでは
「老年期」と表現します。
人生100年時代を自分らしくイキイキと
楽しむために、
知っておきたいこと、
心がけたいことなどをご紹介します。
認知症には多くの種類がありますが、認知症患者全体の60%以上を占めているのが『アルツハイマー型認知症』です。アルツハイマー型認知症は、脳の〝老廃物〟〝ゴミ〟と考えられている物質「アミロイドβ」の増加が関係しています。このアミロイドβは睡眠中に排出されるので、睡眠の質が下がると増加・蓄積し、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まったり、すでに発症している場合は、進行が加速してしまったりということも考えられます。
しかし、メラトニンの分泌を促し、睡眠の質や量をコントロールしていくことにより、認知症の危険因子であるアミロイドβの排出や蓄積を軽減することが期待できます。
冒頭でふれたように、抗酸化作用もあるため、エイジング対策のサポートにもなり得るものです。
年を重ねても、体内でできるだけ多くのメラトニンが作られるよう、日常的に工夫してみましょう。
老年期には、メラトニンの分泌量が低下し、睡眠障害を起こしやすくなります。 よって答えは1になります。 続き
女性のライフステージは、大きく4つにわけることができます。初潮を迎える「思春期」、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が安定する「性成熟期」、閉経を迎える「更年期」、そして更年期が終わった50代半ば以降を「老年期」とよびます。
「老年」と聞いてネガティブな印象を受けるかもしれませんが、日本女性の平均寿命をみると、1950年当時の約63歳から2020年は約88歳へ(※)。時代とともに「老い」の意識や高齢者の定義も変わってきました。
慢性的かつ長期的な睡眠障害は、毎年何百万人もの米国人に影響を及ぼしています。これらの障害とそれが引き起こす睡眠不足は、仕事、運転、社会活動、生活の質全体に支障をきたし、健康に深刻な影響を与える可能性があります。睡眠障害は、毎年推定160億ドルの医療費に加え、欠勤や生産性の低下などによる間接的なコストの原因となります。
眠りを促す働きがあるメラトニンの分泌量が加齢にともなって減少することも関係しています。 【参考記事】 不眠症. 症状の種類と特徴について。
現在、日本人の40~59歳では約5人に1人が、60歳以上では約3人に1人が、何らかの睡眠障害を抱えているそうです。確かに、夜型の現代社会は、コンビニや飲食店などの「24時間営業」は当然という時代に突入しており、街には深夜まで煌々と灯りがともっています。また、就寝直前までテレビやパソコンに触れ、ベッドに入ってからもスマートフォンを見ている人は多いようです。
先述のとおり、メラトニンの分泌は、夜になってから=太陽光がなくなってから始まります。自然の流れでは太陽が沈んでいる時間帯なのに、蛍光灯やブルーライトといった人工的な光を断続的に浴びることにより、体のリズムが乱れることは、想像に難くありません。
このことが原因でおこる不眠症は、体内時計がずれる「リズム障害」とも言われています。現代では10代~20代の若い世代にも当然起こりうる不眠障害・リズム障害ですが、メラトニンの分泌量が激減している50代以降の中高年の方々には、少しでも回避したい問題であり、質の良い睡眠をとるための重要なポイントです。
一般的に高齢者は、寝つきが悪く、眠りが浅くなりがちです。 ..
「Is Melatonin the "Next Vitamin D"?(メラトニンは次のビタミンD?)」というタイトルのレビュー論文が発表された。ビタミンDは、当初は骨代謝との関連で注目され骨粗鬆治療薬としても用いられるようになったが、免疫機能を高めたり抗炎症作用など多彩な作用を有することが明らかになり、現在でも新たな知見がしばしば報告されている。睡眠関連ホルモンとして研究されてきたメラトニンも、そのような展開をみせるのだろうか。米国とオーストラリアの研究者による報告の一部を紹介する。4万字以上の長文の論文中では、アスリートでのメラトニン使用のメリットについても触れられている。
認知症予防やエイジング対策に期待?『メラトニン』の分泌を促そう
老年期を迎えても、多くの女性が自分らしくイキイキと過ごしている一方で、カラダの中は少しずつ変化しています。
Mishima K et al (2001) J Clin Endocrinol Metab
老年期を迎えると、更年期特有の不調からようやく抜け出して体調が安定してくる一方、エストロゲンの分泌は、閉経後さらに低下します。それに伴い、カラダのさまざまな機能に長期的な影響が出やすくなります。
第6回 睡眠障害のメカニズムについて(サーカディアンリズムなど)
眠れなくなる一番の理由は、脳で分泌される睡眠物質メラトニンが加齢によって減るためです。メラトニンは夜に多く分泌されて眠りを誘いますが、年とともに分泌量が低下して、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。
二つ目の理由として、睡眠サイクルの変化が挙げられます。睡眠には、脳も体も休んでいるノンレム睡眠と、脳は起きているけど体は休んでいるレム睡眠とがあります。年を取るとノンレム睡眠の時間が短くなり、レム睡眠の時間が相対的に長くなるため、脳が起きているレム睡眠中はちょっとした物音などで目覚めやすく、熟睡できなくなるのです。
また睡眠は、日中の活動量や生活習慣にも影響されます。年を取って活動量が低くなると、体が疲労せず、深い眠りに入りにくくなり、必要とする睡眠量も少なくなります。それなのに「8時間は眠らなければ…」と、眠くないのに早くから寝床に入り、かえって不眠になるケースも多いようです。
快適に眠るためには、まず朝起きて太陽の光を浴びましょう。それによって体内時計がリセットされ、夜になるとメラトニンの分泌が促されて眠りやすくなります。さらに、日中は適度な運動などで体を疲れさせれば、ストレスの発散にもなり、深い睡眠が得やすくなります。
眠れないからといって安易に睡眠薬に頼るのは、避けたほうがよいと思います。それよりも、年を取ったらそんなに長く眠る必要はないと諦観して、自然に眠くなるまで好きなことをして過ごすのも一つの方法です。
体内時計を調節するホルモン、メラトニン · 体内時計の乱れが起こすこと · 体内時計の ..
しかし、実は加齢によってメラトニンの分泌量は低下していくこともわかっています。
1歳~3歳頃までが最も多く、思春期以降は減少に転じ、70歳を超えるとピーク時の10分の1以下になるという報告があります。0歳の赤ちゃんが夜泣きをする理由の一つとして、メラトニンの分泌量がまだ不安定な時期だからと言われたり、一方で、高齢者が夜眠れずに昼夜逆転するケースが起こるのは、メラトニンの昼夜の分泌量に差がなくなってくることも一因と考えられたりしています。
このように、メラトニンは加齢とそれに伴う睡眠の問題に深く関係しています。「しっかり睡眠時間が確保できない」「眠りの浅い状態が続く」など、一般に『睡眠障害』と呼ばれているものは、認知症と密接に関わっていることもわかっています。
加齢に伴うメラトニンの減少が睡眠障害を誘発し、それが認知症にも繋がっているとするなら、メラトニンの分泌量低下の予防は認知症予防にも貢献する……という考え方ができるかもしれません。
今回は、脳の松果体という部分から夜間に分泌されるホルモン「メラトニン ..
年齢とともに衰えを実感するお肌のシワや白髪といった見た目の変化だけでなく、眼、耳、呼吸器、消化器、腎・泌尿器、筋骨格系、生殖器など、全身にさまざまな健康上のトラブルが増加します。
例えば「これから夜ですよ」という信号を体内時計が出すと、メラトニンが分泌され、眠りの準備を始めます。 ..
老年期では、体力の衰えから若いころと同じように活動できなくなったり、お肌のシワや白髪が気になったり、これまでにない悩みがあらわれるかもしれません。
メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった ..
しかし、それは誰しもいつかは経験するであろうこと。老年期はすべての人に訪れます。
そして、楽しさや美しさの価値観は人それぞれです。
発達課題をふまえ、老年看護の機能と役割を理解する。 高齢者の理解
こころと時間に余裕がうまれ、これまでできなかったことにチャレンジしたり、自身の内面に向き合ったり、新たな交流の場を探したり、老年期ならではの楽しみ方を見つけてみませんか。
[PDF] メラトニンは、細胞を守ったり、規則的に眠気をもたらす
老年期には、メラトニンの分泌量が低下し、睡眠障害を起こしやすくなります。
高齢者の血圧は上がりやすい?高齢者の高血圧について medical column
年をとると、寝付きが悪い、途中で何度も起きて熟睡できないなどの睡眠障害を訴える人が増えてきます。
この原因の多くは、メラトニンというホルモンの減少にあります。
メラトニンの分泌も、成長ホルモンと同様に、加齢とともに減少していくのです。