薬剤師のためのBasic Evidence(制吐療法) | 日医工株式会社
このクラスの薬剤に関する研究の多くが1970年代後半および1980年代に行われたもので、プロクロルペラジン(Compazine)およびメトクロプラミド(Reglan)など、ドパミン受容体を標的とした従来の制吐薬に対してナビロン、ドロナビノール、またはlevonantradolが比較された。この一連の研究で、カンナビノイドは中等度催吐性の化学療法に対する効果がドパミン作動性制吐薬と同程度であるか、プラセボより有効なことが実証された。副作用には、多幸感、めまい、不快気分、幻覚、低血圧などがあった。少なくとも1件の研究で効力が古くから報告されていたにもかかわらず、副作用のためにナビロンを積極的に好む患者はいなかった。
グラニセトロン(day1)、アプレピタント、デキサメタゾン(day1-3,8)
CINVに関して、製剤は、CNSに存在するカンナビノイド-1(CB-1)およびCB-2の受容体を標的としていると推定される。
吐き気なしを経験する患者の割合は、オランザピン群の方がプラセボ群よりも初期(74% vs 45%;P = 0.002)、晩期(42% vs 25%;P = 0.002)、および全体(37% vs 22%;P = 0.002)の期間を通して有意に高かった。CR(嘔吐なし、レスキュー不要)率および臨床的に著明な吐き気が認められないこと(0~10の視覚的アナログスケールで3未満のスコア)もまた、すべての期間でオランザピンの追加により有意に改善された。オランザピンを投与された患者は、ベースライン時から2日目に鎮静の増加を報告したが、これは3~5日目に軽減された。これらのデータおよび追加の臨床試験に基づいて、オランザピンは、催吐性が高度および中等度の化学療法を受けている患者における急性および遅発性のCINVの制御に安全で有効なようである。
方法:グラニセトロン 1mg(day1)、デキサメタゾン(day1〜
要約すると、CINVの予防および治療に対する制吐薬として、現在の製品群におけるおよびカンナビノイドの位置付けは不明である。この薬剤の患者に対する使用説明には、利用可能な薬剤の効果、の既知の副作用、およびこの治療のリスク対ベネフィット評価を含めるとよい。
1件のランダム化二重盲検第III相試験により、催吐性が高度の化学療法に関連するCINVの予防について標準的な制吐薬に加えるオランザピン vs プラセボが評価された。[証拠レベル:I]別の薬剤を併用するまたは併用しないシスプラチンを少なくとも体表面積(BSA)1m2当たり70mg、またはシクロホスファミド BSA1m2当たり600mgと併用するドキソルビシン BSA1m2当たり60mgのいずれかを投与された化学療法未治療患者が、ガイドラインに基づく制吐薬と1~4日目にオランザピン、10mg、経口投与またはマッチさせたプラセボを受けるようにランダムに割り付けられた。制吐薬レジメンには、NK-1受容体拮抗薬(ホスアプレピタントまたはアプレピタント)、5-HT3拮抗薬(パロノセトロン、グラニセトロン、またはオンダンセトロン)、およびデキサメタゾン、1日目に12mgに続いて2~4日目に8mg毎日経口投与が含まれた。患者は、性別、化学療法レジメン、および選択された特異的5-HT3受容体拮抗薬で層別化された。主要エンドポイントである、吐き気なしは0~10の視覚的アナログスケールでスコア0として定義され、化学療法後に次の3つの期間で評価された:
3)、2 はアプレピタント(day1〜3)併用を初回の制吐療法とし、
複数の受容体、特にN&Vに関与していると考えられるD2および5-HT3受容体におけるオランザピンの活性から、オランザピンがかなりの制吐作用を有する可能性があることが示唆されている。[証拠レベル:II]その後の研究により、CINVの制吐薬としてのオランザピンの有効性が示されている。[証拠レベル:II]1件の大規模研究[証拠レベル:I]により、催吐性が高度または中等度の化学療法を受けている患者において、アザセトロンおよびデキサメタゾンへのオランザピンの追加により、遅発性のCINVのCRが改善したことが実証された。
ロラゼパムやアルプラゾラムなどのベンゾジアゼピンは、化学療法に伴う、特に小児を対象にする催吐性が高度のレジメンに伴う、不安および予測性のN&Vの症状の予防と治療に有用な補助薬であると認識されるようになっている。ベンゾジアゼピン単剤では、内因性の制吐活性は証明されていない;このため、制吐予防および治療におけるベンゾジアゼピンの役割は、他の制吐薬の補助ということになる。ベンゾジアゼピンはおそらく高位中枢神経系構造、脳幹、および脊髄に作用し、抗不安作用、鎮静作用、および前向性健忘作用をもたらす。さらに、ベンゾジアゼピンはドパミン作動性受容体拮抗性制吐薬に起因するEPS、特に静坐不能の重症度を顕著に緩和する。
デキサメタゾン、アプレピタント (NK1 受容体拮抗薬)+グラニセトロン (5-
ショウガのCINVの予防に対する効力に関しては、データが分かれている。576人のがん患者を対象にした第III相ランダム化用量決定試験では、5-HT3受容体拮抗薬による標準的な予防を行っているにもかかわらず、現在の化学療法レジメンによってある程度の吐き気(11段階の尺度で測定)を経験している患者において、急性の吐き気(化学療法後1日目の吐き気と定義)を予防するために1日2回投与するショウガ0.5g、1.0g、および1.5g vs プラセボが評価された。患者には各化学療法治療の3日前にショウガまたはプラセボのカプセルの投与が開始され、6日間継続された。平均的な吐き気については、0.5gのショウガがプラセボよりも有意に優れていた;「最悪の吐き気」に対しては0.5gおよび1.0gの両方が、プラセボよりも有意に優れていた。遅発性のN&Vに対する効果は有意ではなかった。この試験では、化学療法レジメンの催吐性に対して対照を設けていなかった。有害事象の頻度は低く、重度ではなかった。これとは逆に、N&Vの予防に用いられるショウガについて有望なデータは得られていない。1件のランダム化二重盲検プラセボ対照研究により、高用量のシスプラチン(50mg/m2を超える)を受けている患者において、ショウガ、160mg/日の使用が評価された。患者(N = 251)はショウガまたはプラセボのいずれかを受けるように割り付けられた。遅発性の吐き気、サイクル間の吐き気、および予測性の吐き気の発生率は、2つの治療群間で変わらなかった。
卵巣がん患者のグループにおける化学療法を調査したある研究では、制吐薬としてのグルココルチコイドの短期使用は治療成績(例、全生存または化学療法の効力)に対して否定的な作用が認められないことが明らかにされた。以前にメトクロプラミドに関して明らかにされたように、膨大な研究によりデキサメタゾンは5-HT3遮断薬の制吐作用を増強することが証明されている。デキサメタゾンを静脈内投与する場合、急速投与すると全身性の温感覚、咽頭の刺痛や灼熱感、または急性一過性の会陰痛および/または直腸痛を起こす可能性があるため、10~15分かけて投与するとよい。
群の用量については、5-HT3 RA の一つであるグラニセトロンとデキサメタゾンを用いた頭頸部
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デキサメタゾンとの併用:デキサメタゾンの併用によりカイトリルの
一度、重度の嘔吐を経験してしまうと、抗癌剤レジメン治療変更後も嘔吐性事象で苦しむケースが散見されるため、嘔吐が発症する前 (抗癌剤投与前) より、しっかり制吐剤を使用していくことが重要である。
悪心に対しては、CINV (chemotherapy-induced nausea and vomiting) であるのか、消化管粘膜障害であるのかの見極めが重要になる。後者の可能性が高ければ、プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカー等の制酸薬の効果が、制吐剤よりも期待できることがある。
また、味覚障害、嗅覚障害が食欲不振につながるケースもみられるが、ここでは栄養士による栄養指導が効果的な場合もある。ケースに応じて様々な職種による患者サポートを行うことが非常に効果的であり、推奨される。
24 時間に投与するグラニセトロンの最高用量は 9 mg までとする。
がん薬物療法で誘発される悪心・嘔吐の発現頻度は,使用する抗がん薬の催吐性に大きく影響され,その程度を定義する分類は考案されているものの,確立されたものではない。本ガイドラインでは,海外のガイドラインと同様,制吐薬の予防的投与なしで各種抗がん薬投与後24 時間以内に発現する悪心・嘔吐(急性の悪心・嘔吐)の割合(%)に従って定義し,4 つに分類した。
グラニセトロン(day1,8,15,22)、デキサメタゾン(day1-3,8-10,15-17,22-24)
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もしくは制吐剤(デキサメタゾンリン酸エステル注+グラニセトロン点滴静注液3mgバッグ) ..
抗がん薬の種類,投与量,併用抗がん薬により催吐性は異なっており,本ガイドラインではに示すようなリスク分類を行った。参考にした海外のガイドラインのコンセンサスレベルは高く,わが国のインタビューフォームの結果などと一致をみない内容もあるが,国内のエビデンスを重視した作成委員会のコンセンサスのもとで決定した。
Day 1,8,15 グラニセトロン+デキサメタゾン注+クロルフェニラミン注+ファモチヂン注
がん化学療法による急性悪心・嘔吐に対する
グラニセトロン(カイトリル®)3mgと1mgのランダム化二重盲検比較試験
A double-blind randomized controlled trial comparing
3mg and 1mg of Granisetron for the control of chemotherapy-induced acute emesis
本剤は、グラニセトロン塩酸塩を有効成分とする 5-HT3 受容体拮抗型制吐剤である。 「グラニセトロン ..
ほとんどの薬剤は単剤での分類となっているが,アントラサイクリン系抗がん薬とシクロホスファミドは2 剤併用療法の場合にHEC に含めた。多くのがん薬物療法に多剤併用療法が用いられており,原則,最大の催吐性リスクに対する制吐療法が推奨されるが,具体的な対応は第2 章の臓器がん別のレジメン一覧を参考にされたい。
メタゾン)はグラニセトロン群(グラニセトロン+デキサメタゾン)に比べて約 10%の
浜松医療センター
静岡県立静岡がんセンター
静岡県立総合病院
静岡市立静岡病院
順天堂大学医学部附属静岡病院
聖隷浜松病院
聖隷三方原病院
沼津市立病院
浜松医科大学医学部附属病院
藤枝市立総合病院
② グラニセトロン注 3mg 1 筒+ デキサメタゾン注 6.6mg(2mL)+ 生食 100mL 点滴静注 30 分
化学療法を実施する悪性腫瘍患者を対象として、急性期の悪心・嘔吐の予防におけるグラニセトロン(カイトリル®)3mg製剤に対する1mg製剤の非劣性を明らかにする。
グラニセトロン、デキサメタゾンに加え、day1-4までオラザピンを内服する群(オランザピン群)
*1 化学療法の開始とはグラニセトロン投与開始時間のことをいう。
*2 嘔吐完全抑制とは化学療法開始から24時間以内の嘔吐なし、かつ制吐剤の追加投与なしとする。(空嘔吐は含まない。)
アプレピタント又はグラニセトロン+デキサメタゾン+アプレピタントによる予防
わが国では悪心・嘔吐に対して承認されていない薬剤は背景を着色している。なお,用量は制吐薬として一般的に使用される量を記載した。
*注射薬中の含量はデキサメタゾン3.3 mg/mL,リン酸デキサメタゾンナトリウム4 mg/mL である。
**効果不十分には同用量を追加投与可。
注3) グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1 ..
Moderate risk 以上の化学療法剤による治療を受ける予定の悪性腫瘍患者
グラニセトロン3mg + デキサメタゾン (既定量):化学療法剤投与10~30分前に点滴静注
グラニセトロン3mg + デキサメタゾン (既定量):化学療法剤投与10~30分前に点滴静注
ント併⽤用群と,グラニセトロン,デキサメタゾン,アプレピタント併⽤用群の
グラニセトロン1mg + デキサメタゾン (既定量):化学療法剤投与10~30分前に点滴静注