・デキサメタゾンを間欠的に投与する場合(インスリン投与の一例)
糖尿病の治療に使われるインスリンの中に速効型インスリンがありますが、超速効型インスリンと呼ばれる製品もあります(ヒューマログ、ノボラピッド、アピドラ)。天然のインスリンのアミノ酸配列を一部変える事で効果の発現を早くして食後高血糖を防いでくれますが、最近ではそれらの製品に血管拡張薬を加える事でさらに効果を早めた製品も登場しています(フィアスプ、ルムジェブ)。食後に打っても血糖を抑えられるようになっており従来食後高血糖を抑えられなかった患者さんに役立っています。
また血糖測定も指先から血液を出して測る血糖測定器に加え、上腕に設置するだけで24時間の血糖を測れる商品が広まってきています(図2)。
本研究は、糖尿病患者において、化学療法中に制吐薬としてデキサメタゾンを投与された方を対象とし、血糖
といった声を聞きます。
詳しい検査のうえでがんと診断されたとき、「どうして」「なぜ自分が」「どうなっていくのか」と不安になったり、「これから自分はどうしたらいいのか」といった疑問を持ったりすることもあるでしょう。
糖尿病の治療中にがんの疑いが見つかった場合、がん治療を行っている病院を受診して今後の方針を相談していきます。がんの種類や進行具合によって治療法は変わります。片方に重点をおいて治療するべき時期はあるものの、がん、糖尿病、どちらの治療も大切です。がん、糖尿病それぞれを担当する医師から話を聞き、治療方針を確認し、医師、看護師、薬剤師などと相談しながら治療を進めていきましょう。
参考:
中心性肥満(手足は細いのにお腹に脂肪がつく)、満月様顔貌(顔が丸くなる)、野牛肩(背中の上部に脂肪がつく)、皮膚がうすくなる、腹部の赤色皮膚線条(赤い筋ができる)、体幹に近い部分の筋力低下、皮下溢血が特徴的な徴候です。このほかに、血糖値や血圧、コレステロールの上昇、骨粗鬆症、月経異常、うつ症状、感染症なども起こします。
総称名:デキサメサゾン; 一般名:デキサメタゾン; 販売名:デキサメタゾン ..
がん治療には、手術療法、化学療法、放射線療法などがあり、糖尿病がある方の場合はがん治療と同時に血糖コントロールを行うことが重要となります。ここでは糖尿病のある方が各治療をするときに気をつけたほうがよい点について、治療法ごとにまとめました。 がんの治療をするのにどうして糖尿病のことまで考えなければならないのか疑問に思われるかもしれませんが、血糖値の上昇はからだ全体に影響します。血糖が極端に高い場合は、がんの治療内容を変えたり、血糖が落ち着くまで治療を延期したりする可能性もあります。がんの治療を安全に効果的に行うため、糖尿病の治療についてもしっかりと確認しておきましょう。
さらに血糖変動が不安定な患者さんに使われるインスリンポンプ(時刻毎に量を変えながらインスリンを注入する)に血糖測定器を同時に取り付け、低血糖になる手前で自動的にインスリンを止める機器も登場し、患者さんにとって強い味方になっています。(図3)
糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある。
また、すでに糖尿病のある方がステロイド治療を始めると糖尿病が悪化するため、多くの場合、治療の強化が必要となります。
白内障手術は、局所麻酔下で短時間(20分程度)で終わるため、精神的・肉体的ストレスは少なく、血糖値への影響はごく小さいと考えられてきた。また白内障手術の終了時の副腎皮質ステロイド薬の結注は、局所投与であることから、従来全身への影響は軽視されてきた。しかし、実際には容易に全身循環に入り血糖値へ影響していると考えられる。今回の検討では、糖尿病患者に対して小切開PEAによる白内障手術を行い、手術終了時に一度だけ副腎皮質ステロイド薬を結注して、術後の血糖値の変化を検討した。両群共に、手術当日の就眠前血糖値の上昇が認められたが、ステロイド非結注群では手術の精神的・肉体的ストレスによる血糖値上昇、結注群ではストレスによる血糖値上昇とステロイド結注の影響の両方が寄与したもの、と考えられる。両群共に手術のストレスは等しくかかっているのであるから、結注群と非結注群の術後血糖値上昇分の差は、ステロイド結注の影響と判断してよいと考えられ、そこに統計学的有意差が認められたことで、ステロイド結注により術後の血糖値が上昇することが示された。しかし翌日朝食前の血糖値では両群に差はなくなっており、一回のみのステロイド結注による血糖値上昇は一時的なものであることも示された。
手術により食べ物の消化・吸収の流れが変わり、食後の血糖値が上昇しやすくなるからです。 ..
人間における検討では、体格、糖尿病罹病期間、食事内容など様々な要因に血糖値が影響を受け、ステロイド結注の純粋な効果を検討するのは困難である。そこで、遺伝的背景がそろったラットを用い、週齢と体重をそろえ、薬剤 (STZ) でほぼ同じ血糖値レベルの糖尿病状態を作り出し、食餌の条件も完全に等しくして、ステロイド結注の血糖上昇作用を検討した。生理食塩水の結注だけでもSTZ群では3時間後の血糖値が上昇したが、対照群では血糖値上昇が認められなかった。この結果は、結注という操作がラットにとってストレスであるからと考えられる。STZ群においても対照群においても、ステロイド結注後の血糖値は、24時間後まで生理食塩水結注後に比べ有意に高かった。この結果により、ラットに対するステロイドの結注は結注後24時間にわたって血糖値上昇作用をもたらすことが示された。
STZ群において、ステロイド結注 (p=0.0013) および生理食塩水結注 (p=0.0037) はいずれも結注3時間後に著明な血糖値上昇を示した。一方対照群では、ステロイドでも生理食塩水でも、結注後に有意な血糖値上昇は示さなかった。STZ群において、結注後3時間から24時間までいずれの時期においても、生理食塩水結注に比してステロイド結注の場合で、血糖値が有意に高かった。対照群においても、同様の有意差が認められた。
糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある。[11.1.2 ..
手術を行うときに血糖値が高すぎると、手術後の傷が治りにくく細菌感染しやすくなることがあるため、事前に血糖値を整える治療を行います。それまで食事療法のみだった方も糖尿病の薬が新たに加わることがあり、糖尿病薬を使用している方は種類を変更することがあります。また、がんの治療のため速やかに血糖値を調整することが必要な場合や、検査や手術で食事の摂取が不規則になる場合は、インスリン治療を行うこともあります。インスリン治療のよいところは、手術という身体に大きなストレスがかかるときでも安全に使用できること、投与する量が少量ずつそのつど変えられるため、きめ細やかな調整ができるところです。
一方で、インスリン治療を行うにあたってご本人が積極的に取り組んでいただかなくてはならない点があります。インスリン自己注射の方法()やを覚えること、低血糖、体調が悪くて食事がとれないとき()の対応などについて理解していただくことです。その際には糖尿病診療にかかわる医師や看護師、薬剤師などが説明し、治療をサポートします。
また、糖尿病治療をしっかり行うための準備として、糖尿病のチェックがあります。重度の網膜症があると血糖値が急に低下することで網膜症が悪化することがあります。眼科の受診をしばらくしていない場合には、血糖値をコントロールする前に眼科受診が必要となることがあります。また、腎臓や心臓の合併症も知られていますので、手術に臨む準備としてこれらの慢性合併症の精査を行うこともあります()。
手術前の血糖値のコントロール目標について統一された見解はありませんが、尿ケトン体陰性、空腹時血糖値110~140mg/dL、または食後血糖値160~200mg/dLなどといわれています。
*血糖上昇時補正 200↑ + 4単位,250↑ + 8単位,300↑ + 12単位
ACTHやコルチゾールは朝に最も高くなり、夜間は低くなるため、朝・夕方・寝る前に血液検査を行い、24時間尿中コルチゾール測定やホルモンの動きを確認します。また、寝る前に「デキサメタゾン」というコルチゾールの作用をもった薬を内服し、翌朝には採血を行い、血液中にコルチゾールが足りている状態でも副腎が必要以上にコルチゾールを分泌するかを確認します。
次に、副腎のCT検査で腫瘍の確認を行い、その腫瘍がホルモンを分泌しているかどうかを確認するため、「副腎皮質シンチグラフィ(131I-アドステロール)」という検査を行います。下垂体腫瘍が原因と言われているクッシング病が疑われる場合は、下垂体のMRIで腫瘍の確認を行い、その腫瘍がホルモンを分泌しているかどうかを確認するため、「下錐体静脈洞(かすいたいじょうみゃくどう)サンプリング」というカテーテルの検査を行います。クッシング病では下垂体腫瘍が小さく、特定できないこともあります。
その他、原因に応じて必要な検査を行います。
血糖上昇抑制 血糖上昇抑制を評価した研究は抽出されなかったため,評価不能と ..
また、糖尿病患者の方がステロイドの薬を服用すると、糖尿病の症状が悪化するリスクが高くなります。今回は、花粉症の治療薬に含まれるステロイドにはどのようなものがあり、どのような副作用があるのかステロイドと糖尿病の関係についてみていきましょう。
リン酸デキサメタゾン(商標名 : デカドロン) 0.3ml を結注し ..
2型糖尿病と同じように、ステロイド糖尿病も初期には症状がありません。ステロイド治療を始めたら定期的に検査を行い、早期に発見できるようにすることが大切です。
の精神的・肉体的ストレスによる血糖値上昇、結注群ではストレスによる血糖値上昇とステロイド結注.
手術で食事がとれない期間、糖分の多く含まれている点滴をします。点滴から糖分が入る場合には、同量の糖分を口から入る場合と比べて血糖値が上がりやすいと言われており、血糖値をコントロールするためにインスリンを皮下や静脈内に投与することもあります。
デキサメタゾンによる2剤併用療法を行うが,第1世代の5‒HT3 受容体拮抗薬よりも ..
PEAが白内障手術法の主流となった現在も、多くの術者が白内障手術の終了時に副腎皮質ステロイド薬の結注をルーチンに行っている。かっての白内障手術では術後の炎症が強いために必須の手技であったし、その抗炎症効果も広く認められていた。また白内障手術がPEAで行われるようになって術後の炎症が著明に減少しても、糖尿病患者では非糖尿病患者に比べ炎症が強く出やすいため、ステロイド結注が必須と信じられてきた。一方で、その全身への影響に関しては軽視されてきた。
作用による過食・体重増加も血糖値の上昇を後押ししてしまいます。 Page 2
だが今回、検討 (1) において、増殖糖尿病網膜症を有さない糖尿病患者において、術後前房内炎症の抑制に対して、副腎皮質ステロイド薬の結注は効果がないことを示した。検討 (2) においては、糖尿病患者において、小切開創PEAによる白内障手術の終了時に副腎皮質ステロイド薬を結注すると、術後に一過性の、しかし有意な血糖値上昇をもたらすことを示した。さらに検討 (3) において、ステロイド結注の血糖上昇効果が結注後24時間にわたって持続することをSTZで糖尿病を導入したラットにおいて示した。
デキサメタゾン抑制試験では、合成糖質コルチコイドであるデキサメタゾン ..
の治療に使われる「デキサメタゾン」などの薬をめぐり、使うのが早すぎると、かえって病状が悪化するとの報告が国内外から相次いでいる。自宅療養をする人が事前にもらう場合もあり、医師らは指示に基づいて適切な時期に服用するよう呼びかけている。
4 ×:コルチゾールは血糖上昇作用があるため、クッシング症候群では血糖値が上昇する。
術前はどの時間帯においても両群の血糖値に差がなかったが、手術当日の就眠前の血糖値のみ、ステロイド結注群の血糖値が非結注群の血糖値と比較して有意に高かった(p=0.0078、対応のないt検定)。また両群とも手術当日就眠前の血糖値が前日および翌日の同時刻の血糖値と比較して高かったが、ステロイド結注群のみ統計学的に有意な差であった。
肝臓での糖新生(Gluconeogenesis)促進作用により、血糖値を上昇させる。外傷 ..
ルーチンに行われることの多い白内障手術終了時の副腎皮質ステロイド薬の結注であるが、増殖糖尿病網膜症や術中合併症を持たない症例では術後の抗炎症効果がないことが示され、一方糖尿病患者において術後の血糖値上昇をもたらすことが示された以上、安易に行うことはやめ、そのメリットがデメリットを上回ると考えられる場合に限り施行するべきべきである。また糖尿病患者にステロイドを結注した場合は、その後の血糖値の変動を注意深くみるべきであると考えられる。
このほかに、血糖値や血圧、コレステロールの上昇、骨粗鬆症、月経異常、うつ症状 ..
本研究は、眼科学領域の手術として最も件数が多い白内障手術において、術後の前房内炎症を抑制する目的でルーチンに施行されることの多い副腎皮質ステロイド薬の結膜下注射(以下結注)の有用性を、抗炎症作用と血糖値上昇作用の両面から、定量的に、患者眼および動物実験モデルで検討することを試みたものであり、下記の結果を得ている。