下表を参考に、プレドニゾロン換算での投与量で評価する。 <PSL換算表>
糖質コルチコイド(以下ステロイド)はどの分野においても診療の中で使用することの多い薬剤である。しかし、ステロイドには血中半減期・生物活性半減期・力価の異なるさまざまな製剤が存在することや、各疾患によって投与量や投与方法、減量速度などが異なること、副作用に注意しなければならないことなどから、煩雑だと感じる医師も少なくない。本稿では各種ステロイドの特徴とその使い分けについての基本事項と、内分泌領域での使用例、ステロイドカバーについて述べ、実際の症例を紹介する。
コルチゾールの各薬理作用に対する代表的コルチコステロイドの力価の換算値を表
もし、毎食後に1錠ずつで1日3錠を内服すると、プレドニゾロン換算で7.5mgを内服することになります。このプレドニゾロンで7.5mgというのは、要注意な数字です。というのも、長期にわたるステロイドの投与は、と密接に関係しており、骨量の減少はステロイド薬内服量に依存し、プレドニゾロン換算 7.5mgで内服している時には脊椎骨折相対危険度が5倍になると報告されているからです。また、骨量の減少は、ステロイド内服後3 ~ 6カ月以内に急激に進行します。逆にいえば、期間限定での内服であれば、ステロイド性骨粗鬆症のリスクに関しては、そこまで気にすることはないともいえます。勿論、ステロイドのリスクは、骨粗鬆症だけではなく、長期でなくても出てくる副作用はあるので、処方する側としては、患者さんの基礎疾患も踏まえつつ、適切な用量を心がけます。
副腎皮質機能低下症の患者(高用量ステロイド長期内服中の患者を含む)は、周術期に副腎クリーゼ対策としてステロイドカバーが必要です。ステロイド補充量については報告により多少の相違を認めます。2015年に日本内分泌学会の出した指針には、小手術では30~50mg/日、中等度の手術では50~75mg/日、全身麻酔下の大手術の場合は100~150mg/日程度のヒドロコルチゾンを補充すると示されています 。ステロイドカバーの適応となる患者さんについても、一定の見解はありませんが、プレドニゾロン換算で5mg以上かつ3週間以上の投与の場合はHPA axisに抑制が生じるため、ステロイドカバーが必要と考えます。投与量については、を参照してください。ここでは、実際の症例を提示し、具体的な投与量について考えていきます。
用(genomic effect)はプレドニゾロン換算で約1 mg/kg
天疱瘡や類天疱瘡は,抗デスモグレイン抗体や抗BP180抗体によって生じる自己免疫性の水疱症です。典型例では,初診時に必ずこれらの自己抗体が血清中に検出され,ステロイド内服治療を行うと病勢(水疱や紅斑の面積)の減弱に並行して自己抗体は減少します。
水疱が消失した頃からステロイドの減量を開始します。その後は,抗体価を測定しながら抗体価が増加しないように内服ステロイド量を減量していくのがよろしいかと思います。順調に抗体価が減っているようであれば,2週間に1割ずつ内服ステロイド量を減量します。頻回の抗体価モニタリングができない場合でも,1カ月に1回は測定することが望ましいと思います。
抗体価が下がらなくても,水疱が再発しなければ内服ステロイドを減量することも可能です。ご質問にあるように,再発を起こしたくない場合は,免疫抑制薬の併用を行うと,よりスムーズにステロイドを減量することができます。この場合は,アザチオプリン,シクロスポリン,ミゾリビンなどを併用します。併用後1カ月で抗体価が減少するようであれば,併用効果ありと判定し内服ステロイドを先に減量します。ステロイドの減量の目標は,プレドニゾロン換算で1日投与量を10mgから5mgに減らすことです。さらに減量する場合も,抗体価を測定しながら増加しないように毎月1mgずつ減量します。抗体価が増加してしまった場合,水疱が再発するまで減量せず投与量を維持します。抗体価が横ばいになったら,また少しずつステロイドを減量します。
水疱が再発した場合は,ステロイド内服量を2倍に増やすのが原則です。しかし,5~10mgで再発した場合,抗体価を下げる程度の免疫抑制療法が必要ならば,プレドニゾロン換算で最低でも20mg以上内服しないと抗体価が下がらないので,治療の仕切り直しが必要になります。すなわち重症度を判定し,初期治療からやり直しになります。軽症の再発であれば,ステロイド投与量をできるだけ減らしたいと希望する患者が多いので,プレドニゾロン換算で0.5mg/kg/日に内服免疫抑制薬を併用することが多いのですが,中等度以上の悪化であれば0.8mg/kg/日以上が必要です。
ステロイドの減量方法については,エビデンスがなくエキスパートオピニオンになりますので,減量の速度は再発しない程度になるべく速く行うのがベストプラクティスであると私は考えています。減量してみなければどの程度の再発が起きるかわかりませんので,再発を予測しながら挑戦していくのがよいでしょう。長期にわたるステロイド投与症例では,感染症,骨粗鬆症,耐糖能異常,高血圧などの副作用に配慮することが必要なことは言うまでもありません。
ステロイドは抗炎症作用の強い薬剤で、比較的速やかに病態を改善してくれます。一方で、いろいろな副作用が出ることがあるため注意も必要です。坐剤、注腸剤は潰瘍性大腸炎に保険適用があり、病型、病状に応じて、経口剤、注射剤、坐剤、注腸剤を使い分けます。ゼンタコートRはクローン病に保険適用があります。
(デキサメタゾンとして6.6mg=デキサメタゾンリン酸エステルとして8mg) ..
「ステロイドには、副作用が多い!」という印象をお持ちの方も多いと思いますが、このような副作用のデメリットを差し引いたとしても、それ以上のメリットがあるのです。
ですから、現在でもステロイドが多く使用されているのです。
ステロイドは「両刃の剣」と例えられるように効果も副作用も強力なのですが、むやみにこわがる必要はありません。
当院ではステロイドをより安全に使うため、投与法の工夫や副作用対策として予防薬の投与などを行っています。
たくさんの難治性疾患に対する治療の切り札となってきたステロイドのメリットを最大限に発揮できるよう、薬剤師として患者さんに正しい情報を提供していきたいです。
これはひとつには胃潰瘍や骨粗鬆症などの副作用をある程度コントロールできる手段が見出せたことにもよるともいえるでしょう。胃潰瘍や十二指腸潰瘍は最もよく起こる副作用ですが、これはH-2ブロッカー(ガスターなど)やプロトンポンプ阻害薬(オメプラールなど)と呼ばれる抗潰瘍薬を一緒に服用することでまず抑えることができます。易感染性(免疫の力が弱まることで風邪やその他の感染症にかかりやすくなること)は大きな問題ですが、ふつう関節リウマチで用いる5mg/日以下では、大変な感染症をみることはまずありません。またこの量では精神的な症状を訴えることもあまりみかけません。また長期間用いると、ステロイド本来のホルモンの働きで顔が丸くなったり、太ったり、高血圧症になりやすくなることと、血糖が上昇して糖尿病が出やすくなります。それらの結果動脈硬化が健康な方よりも早く進んでしまいます。骨粗鬆症もこのステロイドホルモンとしての大事な副作用ですが、ビタミンD製剤(ワンアルファ、アルファロール)とビスホスホネート製剤(ボナロン、フォッサマックなど)を一緒に服用することで、より改善できるようになりました。
ステロイドの力価換算表 ※ステロイド内での製剤の変更が必要なら上記の力価換算を ..
・副腎不全(ステロイド離脱症候群)
ステロイドホルモンは、1日にプレドニン換算で2.5〜5mg程度が副腎皮質から分泌されています。
しかし、それ以上の量を長期に使用した場合、本来分泌するはずのステロイドホルモンが分泌されなくなってしまいます。
そのため、急に服用を中止すると体の中のステロイドホルモンが不足してしまい、倦怠感、吐き気、頭痛等の症状が見られることがありますので、自己中断しないことが大切です。
副腎不全になると内因性ホルモンであるヒドロコルチゾン(コートリル®️)を服用して体内のステロイドを補います。
この糖質コルチコイドは多様な生理作用を有しており、血糖や血中コレステロール・中性脂肪の上昇を引き起こす作用や、骨塩量の減少、筋肉からのアミノ酸産生の増加などが挙げられます。
[PDF] 副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液
・消化性潰瘍[1、2ヶ月〜]
胃酸の分泌を亢進させ、消化器に潰瘍ができたり以前あった潰瘍が再発したりすることがあります。
暴飲暴食を避け、喫煙をしないことが大切です。
本ガイドラインでは標準的な換算の目安として,各種ガイドラインなどの換算表
私たちの体の中には、プレドニゾロン換算にして2.5〜5mgのステロイドホルモンが副腎皮質から分泌されています。これ以上の量のステロイドを体外から取り入れると副腎皮質からのステロイドホルモン分泌が抑えられます。ステロイドの長期服用により副腎皮質の抑制が長期間になると、副腎皮質の機能回復に時間がかかる場合が出てきます。副腎皮質の機能が回復していない状態でステロイドを急に中止したり、急いで減量、離脱しようとすると、脱力感、悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、頭痛など、様々な症状が出現することがあります。この場合には、代謝の早いステロイド製剤コートリルRを用い、副腎皮質機能の回復をチェックしながら数ヶ月以上かけて徐々に減量、離脱していくようにします。
プレドニゾロン投与量は,身長を元にした体表面積から計算した値をもとに ..
ヒトの体内では、恒常的にステロイドのホルモンが副腎皮質から分泌(プレドニゾロン換算で2.5~5mg/日)されていますが、これを上回る量のステロイドを摂取すると、この分泌が行われなくなっていきます。ステロイドの服薬を急に中止すると離脱症状が起こるのは、これが主な原因です。
ついては、プレドニゾロン換算で 5 mg/day 以上の投与が本品の投与前 5 日間を除き許容さ
病型、病状に応じてステロイドの経口剤、注射剤を使い分けます。軽症ではゼンタコートR、中等症~重症ではプレドニゾロンの内服、重症ではプレドニゾロンの注射が選択されます。ゼンタコートRはブデソニド製剤のため肝臓で速やかに代謝され全身への影響が少ない経口剤です。薬剤が放出さる小腸と大腸近位部での効果が期待できますが、大腸遠位部への効果は期待できません。ステロイドの漫然とした投与は避けるべきで、減量、離脱が困難なときには免疫調節剤の併用など他の治療法を考慮します。
プレドニゾロンまたはベタメタゾン、デキサメタゾンをプレドニゾロン換算で、
ステロイドは怖い薬だからと、自己判断で飲む量を変えたり、途中で止めてしまったりすると、それによって病状が悪化したり、別の副作用(離脱症状など)を起こしたりする恐れがあります。
必ず、決められた1日量を、決められた期間、きちんと指示通りに服用するようにしてください。それが、ステロイドの副作用を最も少なく抑える、最善の方法です。
持参薬からの切り替え時に換算ミスによる過誤を防ぐため規格を追加しまし
【質問】高気圧酸素治療についてご教示ください。 高気圧酸素治療を受ける際、貼付剤や軟膏などの塗り薬は剥がしたり拭き取ったりした方が良いのか、そのままでも治療を受けて可能なのか、その考え方はMRIと同じ...
換算)として1g以上の製品を使用する場合は、治療を行っている医師又は処方薬の ..
【質問】高気圧酸素治療についてご教示ください。 高気圧酸素治療を受ける際、貼付剤や軟膏などの塗り薬は剥がしたり拭き取ったりした方が良いのか、そのままでも治療を受けて可能なのか、その考え方はMRIと同じ...
急性期にはプレドニゾロン換算で、中等症は 0.5~1mg/日、重症例は 1~2mg/kg/日、最
身体が何らかのストレス刺激を受けると、視床下部では副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRF)が産生されます。これに下垂体が反応して、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌。その刺激によってステロイドが分泌されます。一般成人で副腎皮質から分泌されるステロイドの量は、コルチゾール換算で通常10mg/日、プレドニゾロン換算で2.5mg/日です。ただしストレスがかかると、その何倍ものステロイドが分泌されます。
換算表を設置。逐一確認するように徹底している。また、システムでも ..
あれ? おかしいですね、プレドニゾロン換算で 2.5mg とあります。これだと5mgのプレドニン錠の半分ですね。私の計算だと3分の1で1.7mg相当量だったのですが。べタメタゾン 0.25mg がプレドニゾロン換算で 2.5mgということは、べタメタゾンの力価はプレドニゾロンの10倍ということになり、どうも文献等での力価(4 : 25 ~ 6.25倍)と乖離があります。どちらが正しいのでしょうか。
臨床で繁用されている副腎皮質ステロイド剤(内服薬)の効力比は表1のとおりで,ヒドロコルチゾン
ステロイドは現在関節リウマチの患者さんで少量使う場合もありますが、生物学的製剤の登場でステロイドを減量したり中止できる例も増えてきています。しかしこの使い方はまさに医師によって決められるべきで、患者さんが自分でコントロールすることはとても危険です。副作用を怖がっていてむやみに下げてしまうと一気に悪くなることがあります。ステロイドの量が多ければ多いほど、感染症を含めた副作用の合併は特に5mg/日以下の量になると1mgの減量によって副作用が軽減するよりも、関節リウマチが悪くなってしまう可能性の方が大きいともいえます。また同じ関節リウマチといっても人によって効く量、飲む量は同じではありません。よく医師と相談されて、適切な処方を受けることが大切です。
とトリアムシノロンが倍, デキサメタゾンが倍, ベタメタゾンが〜倍となっています。 この抗炎
さて、セレスタミンにはどんな種類のステロイドが含まれているのかというと、「ベタメタゾン(betamethasone)」です。このベタメタゾンは、ステロイドの中でどのような立ち位置にいるでしょうか。私たち医業者は、ステロイドの強さや効き目の目安(ステロイドの力価)として「プレドニゾロン(プレドニン)換算」ということをやります。プレドニゾロン(プレドニン®)は、生物学的半減期が12~36時間の中間作用型のステロイドであり、その適度な作用時間から用量調整がしやすく、外来診療では最も多く処方されるステロイドです。したがって、他の種類のステロイドがどれくらいの力価を持つのか?を知りたいときには、このプレドニゾロン換算というのをやるとイメージがつきやすいのです。下表()によると力価はプレドニゾロン:ベタメタゾン = 4 : 25~30 ですので、一般的なプレドニン錠5mgは、べタメタゾンだと0.75mgに相当します(海外の正書や論文等では、4:25という比率の記載が多く、プレドニン錠5mgは、5 × 4/25 ~ 0.8mgのべタメタゾンと同程度の力価となります)。逆に言えば、セレスタミン配合錠に含まれるべタメタゾンの量は添付文書によると0.25mgですので、これは、プレドニゾロン換算だと、ちょうど0.75mgの3分の1なので、プレドニン錠5mgの3分の1相当ということになります(5 × 1/3 ~ 1.7mgのプレドニン)。
*:P< 0.05, **:P< 0.01(ボン・フェローニ補正)
【A】以下にそれぞれの薬剤の等量換算を記載する。
コルチゾン(商品名コートン)→ 25mg
= ヒドロコルチゾン(商品名コートリル) → 20mg
= プレドニゾロン(商品名プレドニン他) → 5mg
= トリアムシノロン(商品名レダコート) → 4mg
= メチルプレドニゾロン(商品名メドロール)→ 4mg
= デキサメタゾン(商品名デカドロン他) → 0.5~0.75mg
= ベタメタゾン(商品名リンデロン他) → 0.5~0.75mg
DIクイズ1:(A)妊娠時に経口ステロイドを変更する理由:日経DI
・抗炎症作用
炎症とは、組織傷害に対して生体がその因子を排除し、組織を修復するために生じる一連の防御反応のことを指します。
その際に炎症や免疫、アレルギーに関与するサイトカイン(IL−1、IL−6、TNF−αなど)や炎症、発痛に関与するプロスタグランジンといった物質が作られます。
ステロイドはこのような炎症を起こす物質をブロックして炎症を拡大させる白血球の働きを抑える作用があります。