抗菌薬の副作用として1.アレルギィーと中毒 2.下痢 があります
ヒトの胃に感染する主な菌はH. pylori ですが、人獣共通感染症として胃NHPH(non-Helicobacter pylori Helicobacter)の感染も見られます1)。Helicobacter属は胃に感染するgastric NHPHとnon-gastric NHPHに大別できますが、gastric NHPHの中のH. heilmanniiやH. suisのヒトへの感染が報告されています。H. pylori未感染者が増加する中で、ヒトでの胃NHPH感染者が増えてきている印象があります。これまでの報告から、先進国では0.5%以下、東ヨーロッパとアジアでは1.2~6.2%であり、胃MALTリンパ腫との関連性が推測され2)3)、わが国の検討では0.4~0.6%、胃MALリンパ腫では20%との報告もあります1)4)。診断は鏡検で、H. pyloriより大型で螺旋が強い形態を呈するので、経験のある病理医であればそれほど難しくありません。ウレアーゼ活性は陰性か弱陽性であり、ウレアーゼ活性を用いた診断法では確診できません。PCR法を用いた診断でも精度に関しては十分とはいえません。胃NHPH感染の内視鏡像は、H. pylori の前庭部優位胃炎に近く、体部粘膜には軽度の浮腫のみでRACは観察されます。しかし、胃角部や前庭部に霜降り様に見える部分的な萎縮所見が特徴的とされています5)。H. pylori診断が陰性で、このような所見を認めた場合には、胃NHPHを疑い生検をすることをお勧めします。
PHを上昇させることにより、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシ
また、除菌療法後に急性出血性大腸炎を発症した例も報告されています4)。これ対してプロバイオティクスには抗菌薬による副作用防止効果が示されており、H. pylori感染症の除菌治療の際に使用していくことが有用であるとされています5)。
AMPCは時間依存性の抗生物質であり、本来であれば3分割や4分割して投与されるべきです。そのためAMPCが分2投与となった経緯ははっきりしておりません。ただ、除菌レジメンの開発の時期の経過をみると、イタリアンレジメンであるPPI/CAM/MNZ療法が1日2回投与で高い除菌率を達成できたことから1)、三剤の1日2回投与がコンプライアンスの点からも標準的な投与方法となりました。その後、PPI/CAM/AMPCも1日2回投与で90%以上の除菌率を達成できたため2)、AMPCも1日2回投与が行われるようになりました。当時は、CAMの耐性率も低かったため、AMPCの短い半減期をCAMがカバーしてきたと考えられます。日本での治験が始まる際に、アモキシリリンの投与方法についても議論がなされたようですが、当時のCAM耐性率の低い状況では、複数の除菌療法に関する論文において、AMPCの2分割と3分割で差は認めなかったため、本邦でも2分割を採用することとなった経緯があります。
[PDF] ペニシリン系抗生物質製剤 アモキシシリン水和物散
プロバイオティクスの効果に関しては、除菌率を向上させるという報告5)と、副作用の軽減6)の二つの効果が報告されています。
エカベトナトリウムはH. pyloriの除菌率を向上させるという報告があります1,2)。エカベトナトリウムにはH. pyloriの抗ウレアーゼ作用があります3,4)。詳細な除菌の上乗せ効果の機序は不明ですが、エカベトナトリウムの抗ウレアーゼ作用はpHが低いほど効果が強いとされています。PPIによるpH上昇が十分の場合には抗生物質の殺細胞効果がよく発揮されてH. pylori は死滅します、一方、胃酸分泌抑制が不十分の場合には抗菌薬の作用は低下しますが、エカベトナトリウムの抗ウレアーゼ作用によりH. pyloriのウレアーゼの作用が障害され、酸性環境に適応できず死滅すると考えられます。
胃内pHを上昇させ、アモキシシリンの抗菌作用を高めている。 / X
この様に、CAM 200 mg 1日2回と400mg 1日2回では除菌率に差はありませんが、400mg 1日2回では副作用頻度が高まるため、200 mg 1日2回が推奨されます。
CAM 200 mg 1日2回と 400 mg 1日2回の用量の違いによる除菌率の差は、各PPI、Vonoprazanの臨床試験の際に認められていません。副作用については、差を認めないとする報告や400 mg 1日2回の方が多いとの報告があります。RPZ/AMPC/CAM療法の大規模な市販後調査2)において、3789例での副作用の出現要因について因子分析を行った結果では、CAM 400 mg 1日2回の方が副作用頻度が有意に高い(OR 2.130; P
アモキシシリンカプセル250mg「トーワ」の基本情報 ; 主な副作用
なお、STFX(商品名:グレースビット)の添付文書の2019年1 月改訂(第14版)3)で、大動脈瘤、大動脈解離が、慎重投与、重大な副作用に加わりました。大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うこと、大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子を有する患者では、必要に応じて画像検査の実施も考慮すること、等が記載されています。
Moriら2)は、ITT除菌率(95%CI)が、エソメプラゾール20 mg b.i.d.+AMPC 500 mg q.i.d.+STFX 100 mg b.i.d.の10日間投与で81.0%(71.0~90.9%)、エソメプラゾール20 mg b.i.d.+MNZ250 mg b.i.d.+STFX 100 mg b.i.d.の10日間投与で72.4%(60.6~84.3%)と報告しています。副作用は、各群1例が倦怠感、下痢のため治療中断しましたが、中止後に回復しています。その他は、下痢、軟便等の軽度のものしか見られませんでした。
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシンの血中濃度が上昇することがあり、本製品では ..
H. pylori除菌療法におけるプロバイオティクスの効果について、ガイドラインでは以下のように記載しています1)。 H. pyloriの除菌療法に際し、プロバイオティクスの併用は、除菌率の上乗せ効果と副作用の軽減効果が期待されます。Dang 等2)のメタ解析では、特定の菌種のプロバイオティクスには、除菌の上乗せ効果があるとしています。一方、Lu等3)67のメタ解析では、除菌率の上乗せ効果は有意ではなかったとしていますが、下痢や悪心といった副作用はプロバイオティクスの併用にて有意に低減できるとしています。
PPIによるpH上昇が十分の場合には抗生物質の殺細胞効果がよく発揮されてH ..
アモキシシリン水和物はヘリコバクター・ピロリに対し殺菌的な抗菌作用を示す。
問4 β-ラクタム系抗生物質アモキシシリンに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 ..
アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールとの3剤療法におけるボノプラザンの役割は胃内pHを上昇させることにより、アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールの抗菌活性を高めることにあると考えられる。
H・ピロリ菌に対する静菌作用胃内pH上昇によるH・ピロリ菌以外の 細菌増殖による影響胃内pH上昇によるウレアーゼ活性の 低下 等
文献
1) Kobayashi I, Murakami K, Kato M, et al. Changing antimicrobial susceptibility epidemiology of Helicobacter pylori strains in Japan between 2002 and 2005. J clin microbiol 2007;45:4006-4010.
2) Murakami K, Fujioka T, Okimoto T, et al. Drug combinations with amoxycillin reduce selection of clarithromycin resistance during Helicobacter pylori eradication therapy. Int J Antimicrob agents 2002;19:67-70.
3) 橋永正彦, 沖本忠義, 兒玉雅明, 他: わが国における薬剤耐性 Helicobacter pyloriの現状 -2013-2014年度耐性菌サーベイランスの集計報告. 日本ヘリコバクター学会誌 2016;17:45-49.
4) pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版.日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会編、先端医学社,東京,2016.
5) Murakami K, Sato R, Okimoto T, et al. Eradication rates of clarithromycin-resistant Helicobacter pylori using either rabeprazole or lansoprazole plus amoxicillin and clarithromycin. Aliment Pharmacol Ther 2002;16:1933-8.
6) Kuwayama H, Asaka M, Sugiyama T, et al. Rabeprazole-based eradication therapy for Helicobacter pylori: a large-scale study in Japan. Aliment Pharmacol Ther 2007;25:1105-13.
[PDF] アモキシシリンカプセル125mg「TCK」の生物学的同等性試験
7日間よりも14日間で除菌率は上がりますが、副作用も増える結果でした。
アモキシシリンカプセル125mg「トーワ」の効果・効能・副作用
副作用頻度は、7日と14日の間でのみわずかに有意に増加しました (15.5% versus 19.4%; RR 1.21, 95% CI 1.06 ~1.37) が、ほかの日数間の比較では有意差はありませんでした。 PCAでは、14 日の症例は7 日の症例より有意に多くの副作用がありました (19.6% 対16.0%; RR 1.21, 95% CI 1.06 ~1.39)。副作用により治療中止に至った症例の比率は、治療日数間で有意差はありませんでした。
アモキシシリンの効果は?使用上の注意や飲み合わせについても解説
〈ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎〉ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質及びメトロニダゾールの服用中や投与終了直後では、13C−尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C−尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。
[PDF] アモキシシリンカプセル 125mg/250mg「トーワ」
〈ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎〉ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質及びメトロニダゾールの服用中や投与終了直後では、13C−尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C−尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。
2) プロトンポンプインヒビターの強力な胃酸分泌抑制作用により胃内 pH を上昇させるこ
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(なお、動物試験(ラット)において、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(160mg/kg/日)及びランソプラゾール(50mg/kg/日)を併用投与すると、母動物での毒性増強とともに胎仔発育抑制増強が認められている。また、ラットにアモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)、クラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)及びラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態悪化が認められている)。
2) プロトンポンプインヒビターの強力な胃酸分泌抑制作用により
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(なお、動物試験(ラット)において、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(160mg/kg/日)及びランソプラゾール(50mg/kg/日)を併用投与すると、母動物での毒性増強とともに胎仔発育抑制増強が認められている。また、ラットにアモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)、クラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)及びラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態悪化が認められている)。
○pH 6.8(毎分 100 回転)、水(毎分 100 回転)
「国内使用実態調査及び海外文献では、脳、脊髄に器質的疾患のある患者 に対する安全性上の問題は認められなかったものの、国内外の副作用報告では、脳・脊髄に器質的疾患のある患者において重篤な中枢神経系の副作用が認められており、 死亡例や後遺症の残る症例も認められていることから、今後も脳・脊髄に器質的疾患のある患者を禁忌と設定することが適切と考える。ただし、「脳膿瘍」については、死亡や神経学的後遺症を生じる恐れのある重篤な疾患であり、脳膿瘍に対する本剤の治療の必要性は高いと考えられることから、脳膿瘍の患者については本剤投与が可能となるよう慎重投与とし、重要な基本的注意において中枢神経障害の発現について注意喚起することが適切と考える。」
・ プロトンポンプインヒビターの強力な胃酸分泌抑制作用により胃内 pH を上昇させることにより、
文献
1) H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版.日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会編、先端医学社,東京,2016.
2) 古田 隆久, 杉本 光繁, 山出 美穂子, 他: Helicobacter pylori感染症診療のPitfall(第3回) 合併症を有する患者、併用薬のある患者に対するHelicobacter pylori除菌療法. Helicobacter Research 2013;17:284-90.
3) クラリス錠200 添付文書.2019年4月改訂.大正製薬株式会社.