FAQ 助産師・看護師による妊婦への服薬指導(山内愛) | 2010年
■ 妊娠超初期(妊娠1ヶ月)
この時期に飲んだ薬も、奇形という意味では問題はありません。受精後の2週間は単に細胞が分裂するだけで、赤ちゃんの体の形はまだ作られていないからです。市販のカゼ薬や鎮痛薬も特に大きな心配はありません。ただ、上記のような一部の残留性のある薬は、次の妊娠初期に影響が残るおそれがあります。また多量のビタミンA剤を内服しているのであれば中止して下さい。
と判断される場合にのみ投与すること。 なお,国外における試験で次のような報告
■ 妊娠初期(妊娠2ヶ月〜4ヶ月)
奇形という意味で最も薬の影響を受けやすいのは、妊娠初期です。この時期には、赤ちゃんの大事な臓器が作られるからです。とくに2ヵ月目が重要です。一部の薬の服用により奇形の発現率が高まる恐れがあります。この時期に奇形を作る可能性の高い薬としては、チガソンなどビタミンA誘導体(レチノイド)、抗がん剤、特殊なホルモン系の薬、放射性医薬品など一部の医療用の薬です。もちろん、市販はされていません。また薬は飲まないに越したことはありませんが、風邪・頭痛・便秘症など辛い症状で薬を飲む場合には、必ず医師に相談して安全性の高い薬を内服して下さい。
妊娠中に一部の抗生物質を使用すると自然流産のリスクが上昇する可能性があると、大規模研究で示された。因果関係は明らかにされていないが、マクロライド系、キノロン系、テトラサイクリン系、スルホンアミド系、メトロニダゾールなどの抗生物質を使用すると、妊娠20週以前での自然流産リスクが2倍にもなりうると、研究グループは述べている。
[PDF] 妊娠時の安全性評価・授乳中のカテゴリー Contents
妊娠・授乳中の服薬については,さまざまな研究・調査からリスクとベネフィットを考え,治療上必要なものは継続することが多くみられます。しかし一般の方には,胎児の催奇形性や胎児毒性のために妊娠中の服薬は良くないという考えも根強くあるのが現状です。今回は,妊娠中に遭遇する疾患と薬の使用について,助産師・看護師としてどのように対応したらよいのか考えていきましょう。
■ 中期(妊娠5ヶ月〜7ヶ月)
妊娠中期は、比較的安全な時期です。赤ちゃんの体や臓器の基本的な形はできあがっているので、奇形自体の心配はもうありません。しかし、この頃から体の成長や機能に悪い影響を及ぼす薬があります。たとえば、高血圧治療薬のACE阻害薬やARBがその代表です。この系統の薬は、胎児の腎臓の働きを悪くし、尿量を減らします。その結果として羊水が減少し重大な障害を残す恐れがありますので、妊娠中の服用は禁忌となります。そのほか、中期以降にテトラサイクリン系抗生物質を長期服用すると、赤ちゃんの歯が黄色くなってしまうことがあります。妊娠中の感染症には、より安全性の高い抗生物質を使いますので、主治医と相談の上で内服して下さい。
「妊娠中も使える抗菌薬」の前提が崩れたら | 実践!感染症講義
■ 後期(妊娠8ヶ月〜10ヶ月)
薬が赤ちゃんに移り、発育や機能に影響を及ぼす事を「胎児毒性」といいます。その代表的な例が消炎鎮痛薬です。多くの消炎鎮痛薬には血管を収縮させる作用があり、赤ちゃんの大動脈幹が早期に閉塞したり、新生児肺高血圧症の要因となるおそれがあります。また、分娩・出産の遅延をまねくこともあります。そのほか、妊娠末期の安定剤や睡眠薬の連用は、生まれてくる赤ちゃんの筋力や呼吸を弱らせ元気をなくしてしまうおそれがあります。
妊娠5週目に入ったところで、38.5℃の高熱とひどい喉の痛みに襲われ、産婦人科にてフロモックス100mg・トランサミンカプセル25・コカール200mgを処方されました。コカールに関しては、熱が下がったら服用をやめるように言われ、1回で服用をやめました。フロモックスとトランサミンカプセルは5日分しっかり服用するようにとのことでしたが、3度目の服用前に、1回1錠ずつだったのを間違えて1回2錠ずつ服用していたことに気が付きました。3度目から1錠ずつに変更しましたが、胎児に影響を及ぼすでしょうか。やっと妊娠判定をもらえたのになんて馬鹿なことをしてしまったのかと悔やんでいます。
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とは言っても、重症化している(しそうな)場合は抗菌薬を用いなければなりません。そんなときは「妊娠中でも使える抗菌薬」を選択することになります。それはペニシリン系、セフェム系、マクロライド系の3種の抗菌薬です。クラビットという商品名で有名なニューキノロン系や、商品名・ミノマイシンなどのテトラサイクリン系は、生まれてくる赤ちゃんに奇形のリスクが生じることなどから原則妊娠中の使用は「禁忌」です。他の種類のものも「禁忌」もしくは「禁忌に近い」と考えなければなりません。しかし、このような説明を聞くと「なーんだ。妊娠していても使える抗菌薬が3種類もあるなら、そんなに心配しなくてもいいんじゃないの」と思った人もいるでしょう。ですが、この「妊娠中も使える」という前提が崩れたとすればどうでしょう。実は、最近、そのような内容の研究が報告されたのです。
※ 妊娠初期に風疹にかかると、赤ちゃんの心臓などに異常を起こすおそれがあります(先天性風疹症候群)。そのため、出産適齢期になる前にワクチンの予防接種を受けておくことが推奨されています。もし、大人になってから受ける場合は、あらかじめ約1カ月間避妊したあとに接種し、その後約2カ月間は妊娠しないようにして下さい。
クラリスロマイシンDSをやくちちが味見してみた · イノラス配合経腸用液をやくちち ..
その研究は、医学誌「Canadian Medical Association Journal」2017年5月1日号(オンライン版)に掲載されました(注)。カナダ・ケベック州在住で1998年から2009年に自然流産した15~45歳の妊婦8702人を対象に調べたところ、マクロライド系抗菌薬のアジスロマイシン(先発品の商品名は「ジスロマック」)を妊娠中に服用した人の流産のリスクは服用していない人の1.65倍、クラリスロマイシン(同じく「クラリス」「クラリシッド」)なら2.35倍にもなる、という結果が出たというのです。
製剤、クラリスロマイシン、テラプレビル、コビシスタット含有製剤、エンシトレルビ ..
妊娠中の薬物使用の胎児への影響は,大きく分けて催奇形性と胎児毒性があります(図)。催奇形性は妊娠4-15週ごろ,特に重要な臓器が発生する器官形成期である4-7週においてハイリスクであり,最も過敏な時期であると言われています。8-15週は過敏性は低下するものの,まだ注意が必要です。妊娠16週以降は,催奇形性の心配はなくなりますが,胎児毒性について注意しましょう。催奇形性が心配される以前の妊娠3週までは,「All or None」の時期と言われ,この時期に胎児に影響を及ぼす可能性のある薬を使用した場合,「受精卵として着床しない,もしくは流産」という結果か,「妊娠の継続」かのどちらかになります。そして,妊娠継続した場合は奇形等の影響は残らないと言われています。
[PDF] 第1種指定化学物質(新規追加候補に対する有害性根拠)
■ 妊娠前
妊娠前に飲んでいた薬が、その後の妊娠や胎児に影響することはまずありません。ほとんどの薬は1〜2日で体から排泄され、体に残ることがないからです。市販されるカゼ薬や鎮痛薬も同様です。ただし、特殊な例として、角化症治療薬の「エトレチナート(チガソン)」、抗ウィルス薬の「リバビリン(レベトール)」、抗リウマチ薬の「レフルノミド(アラバ)」などは、薬の影響がかなり長く残ります。これらについては、医師からの指導が必要です。
しかし、妊娠マウスの妊娠1-17日にAPFOを強制経口投与した発生毒性試験では、母 ..
自然流産率は15%,胎児奇形の自然発生率は約3%であるのに対し,薬剤が奇形発生の原因となるのは全奇形のうちの1-2%であり,非常に少ない確率となっています。とは言っても,一部の薬剤には催奇形性がわかっているものや,催奇形性が問題となる器官形成期を過ぎての暴露によって,胎児の発達や機能に障害を引き起こす胎児毒性が問題となる薬剤もあり注意が必要となります。一方,妊娠以前から慢性疾患などで薬を服用している場合,妊娠を機に安易に休薬することは,疾患そのものの悪化などのリスクが発生します。したがって,臨床では有益性が危険性を上回ると判断されれば,薬の使用は継続されます。
Pseudokirchneriella subcapitata
これらのマクロライド系抗菌薬は、日本の使用量が他国より多いことが指摘されています。そして実際、妊娠中にもよく使われています。「マクロライド系が流産のリスクになるなら、ペニシリン系かセフェム系を使えばいいのでは?」と思うかもしれませんが、問題はペニシリンやセフェムがまったく効かない感染症に対処せねばならないケースです。特に、それが多くの妊婦さんが感染する感染症だった場合、どうすればいいのでしょうか。次回、考えてみたいと思います。
(7)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、産婦、授乳婦(「妊婦、産婦 ..
本研究に参加していない専門家、米タフツ大学医学部(ボストン)産婦人科長のErrol Norwitz氏は、「抗生物質と妊娠転帰の悪化との関連は以前から指摘されているが、自然流産に関連する強固なエビデンスはない」と説明。「関連性はないという見解で一致していると思うが、しかし、今回の研究では関連の可能性が示唆された。全体として、本研究は極めて適切に実施されている」と付け加えている。
初期3週間治療後は、ワルファリンから本剤への切り替え時に抗凝固作
まず、大前提としてウイルス感染の可能性を排除すべきです。太融寺町谷口医院の例でいえば、季節にもよりますが、風邪症状で受診する人の8~9割はウイルス感染です。また、細菌感染であったとしても必ず抗菌薬が必要というわけではありません。グラム染色での炎症所見が軽度で、全身状態が良好であれば抗菌薬を処方しないケースがあります。食中毒の場合も、たとえカンピロバクターなどの細菌が検出されても軽症であれば抗菌薬は不要です。けが(外傷)の場合は、初期にしっかりと洗浄(水道水でOK)していれば抗菌薬を使わなくて済むことが多々あります。
妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、投与中及び投与終了後一定期間は ..
今回の研究では、抗生物質が及ぼす影響を明らかにするため、カナダ・ケベック州の15~45歳の妊婦コホートのデータを用いて、8,700人の自然流産の症例を、妊娠週数および妊娠した年を一致させた8万7,000人強の対照群と比較した。
A. 「クラリス」はエリスロマイシン系の抗生物質で、セフェム系と同様に赤ちゃんへの影響は心配ない薬です。
細菌による病気には抗生物質を用います。扁桃炎、咽頭炎、気管支炎、膀胱炎などに処方されることがよくあります。抗生物質で病原菌が殺菌されれば、痛みや腫れがおさまり、熱も下がってきます。一般的にはペニシリン系やセフェム系、あるいはマクロライド系の抗生物質を用いますが、抗生物質にアレルギーのある人は、必ず医師に申し出て下さい。
妊娠中の薬の服用 横浜・中川駅前歯科
その結果、流産した女性の約16%が妊娠初期に抗生物質に曝露していたのに対し、対照群では13%未満であった。マクロライド系抗生物質であるアジスロマイシン、クラリスロマイシンに曝露すると、流産リスクがそれぞれ1.65倍、2.35倍となり、キノロン系抗生物質であるノルフロキサシンでは4倍にもなることが分かった。
妊娠初期に胎内でチアマゾールに暴露された3奇形を
じん麻疹湿疹・ひどいカユミに、抗ヒスタミン薬を用いることがあります。ふつう、妊娠中に使用実績のあるマレイン酸クロルフェニラミンが処方されるのが一般的です。常用量で1週間程度であれば、妊娠中でも安全に使用できると考えられていますが、長期の服用はすすめられません。
妊娠第 1 三半期にクラリスロマイシンによる治療を受
■ はじめに
最終月経の始まった日を0週0日として数えますので、分娩予定日は40週0日になります。妊娠に関しては4週間を1ヶ月として計算するのが特徴です。妊娠週数というのは月経周期が28日型の人を基準にして、最終月経から計算します。最終月経から14日目ごろに排卵をしたと想定していますので、妊娠1週6日目頃までは受精もしていません。予定月経が来ない(最終月経から28日以上経過した) 場合、それまで服用した薬剤による胎児に対する影響はほとんど心配ありません。受精後2週間以内(妊娠4週未満) に、受精卵が薬の影響を受けた場合には、着床しなかったり、流産をして妊娠が成立しません。月経周期が28日型の人で月経初日から33日目ぐらいは一般的な薬(風邪薬・胃薬・頭痛薬・鎮痛剤など)を心配する必要はありません。ただし残留性のある薬剤、たとえば風疹などの生ワクチン・慢性関節リウマチに使用する薬は、この限りではありません。