病院報 Vol.16(小児外来で使用している抗生物質について(前編))


さきほどご説明した迅速のIgM検査とは異なります。成人ではこのIgM抗体の反応が非常に弱いかほとんどないという問題点があり、一方小児では抗体反応が強く長期に持続するため、実際の感染から長期にわたり、IgM抗体が検出され続ける場合があることが知られています。


マクロライド系薬剤としては以下のものがあります。 アジスロマイシン クラリスロマイシン エリスロマイシン フィダキソマイシン

嫌気性菌に殺菌的に採用する薬剤です。中枢神経を含む組織移行性が良好で、腹腔内感染症・脳膿瘍にβラクタム系と併用します。またCDIの第一選択薬でもあります。
消化器症状、末梢神経障害、脳症などの副作用があります。

急性の細菌感染症では通常5日から2週間程度の服用を推奨しますが、患者の体調や感染の部位によって最適な期間は変わるため、担当医の綿密な観察と判断が欠かせません。

DIクイズ5:(A)ペニシリンアレルギー患者のピロリ除菌:日経DI

胃腸炎
:カンピロバクター、サルモネラ菌などが原因。前者はクラリスロマイシン、後者はホスホマイシンが効くが、「抗菌剤適正使用」の点から「軽症には抗菌剤不要」とされている。

ベンジルペニシリンよりも副作用・投与間隔などの面で「使い勝手」がよいため、ベンジルペニシリンの使用を希望する状況で、代わりに使用することも多くあります。

通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、

高齢者は呼吸器感染症のリスクが高く、クラリスロマイシンの適応となる機会が多い患者群で、ただし、腎機能や肝機能の低下を考慮し、用量調整や慎重な経過観察が大切であり、特に誤嚥性肺炎や慢性気管支炎の急性増悪、市中肺炎などの治療に用いられ、高齢者施設での集団感染対策として、マイコプラズマやレジオネラなどのアウトブレイク時にも使用します。

クラリスロマイシンは小児患者にも安全に使用できる抗生物質の一つで、中耳炎や扁桃炎などの上気道感染症に罹患した小児に処方し、特にペニシリンアレルギーを有する小児患者の代替薬としての役割も重要で、小児の肺炎や気管支炎、さらにはマイコプラズマ感染症にも効果的で、体重に応じた適切な用量調整を行います。

グラム陽性球菌スペクトラムを強化したのがクラリスロマイシン、グラム ..

MRSAを含む黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、腸内細菌などの活性があります。腸管吸収は良好で、中枢神経・前立腺などへの組織移行性もよいです。
市中の尿路感染症の第一選択です。ニューモシスチス肺炎やトキソプラズマ症などの特殊な感染症にも使用します。
薬剤熱・薬疹、肝障害、骨髄抑制などの副作用があります。

非結核性抗酸菌症、特にマイコバクテリウム・アビウム複合体(MAC)感染症の患者に対して、クラリスロマイシンは長期的な治療に用いられ、この疾患は慢性的な経過をたどるため、他の抗菌薬と併用しながら長期間の服用が必要となる患者に処方し、免疫不全患者、特にHIV感染者におけるMAC感染症の予防にも使用します。


物試験(ラット)において、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、

殺菌的に作用する抗MRSA薬です。
血流感染症、皮膚軟部組織感染症、バイオフィルム透過性もよく術創部感染症にも使われます。肺サーファクタントで失活するため肺炎には使用できませんし、髄液移行性も悪いです。

βラクタム系薬剤ですが、ペニシリン系/セフェム系アレルギーがあっても ..

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法において、クラリスロマイシンは重要な役割を果たし、プロトンポンプ阻害剤やアモキシシリンと併用して除菌治療を受ける患者に処方するだけでなく、ヘリコバクター・ピロリ菌陽性の機能性ディスペプシア患者や、胃MALTリンパ腫患者にも同様の除菌療法を行い、長期的な胃粘膜の健康維持に寄与します。

[PDF] 【4】Q&A 腎機能に応じた抗菌薬の投与量について

非定型抗酸菌症、特に肺MAC症の治療では、クラリスロマイシンを長期にわたって使用することが求められます。この難治性疾患に立ち向かう際は、以下の点に細心の注意を払います。

クラリス錠 200mg クラリスロマイシン 1 日 400mg

・ピボキシル基を有する抗菌剤(セフカペンピボキシル(フロモックス)セフジトレンピボキシル(メイアクト)、セフテラムピボキシル(トミロン)、テビペネムピボキシルなど)
:低カルニチン血症(小児で低血糖、痙攣、脳症を起こす)の副作用あり。テビペネムピボキシル(オラペネム)は7日間までの処方制限あり

[PDF] ペニシリン系抗生物質製剤 アモキシシリン水和物散

VCMと同系統の薬剤です。
組織移行性はよく、副作用は少ないです。血漿蛋白結合率が高く血中濃度が上がりにくいため、投与開始時は投与回数を多くしたり、血中濃度測定をして投与量を調整したりする必要があります。

[PDF] 〈総 説〉 肺炎治療におけるマクロライド系薬の併用療法を考える

まずは喉の痛みが強い場合は、早めに検査が出きる医療機関に受診してくださいね。

3g,1日 3回+クラリスロマイシン (clarithro- mycin: CAM) 1回200 mg ,1日2回 ..

エリスロマイシンは多くの薬剤と相互作用を示すため、他の薬との併用には十分な注意を払う必要があります。

抗生物質は、構造や特徴によってペニシリン系、セフェム系、マクロライド系 ..

鼻副鼻腔炎は、副鼻腔炎に感染が起こると発症します。副鼻腔に感染が成立するためには、ウイルス性鼻炎やアレルギー性鼻炎による炎症や浮腫が副鼻腔の排出経路がブロックされて、二次性に細菌感染が起こります。ですので、副鼻腔炎の大多数はウイルス性であり、抗菌薬は不要です。急性鼻副鼻腔炎の原因菌は肺炎球菌とインフルエンザ菌の2つで約80%を占めます。鼻腔の培養と副鼻腔炎の原因微生物の間には相関がないので鼻腔培養を行う意味はありません。ですので、1) 鼻汁や後鼻漏、夜間の咳など症状の改善がないまま10日間以上持続している、2) 39度以上の発熱と膿性鼻汁が3日以上続き重篤感がある、3) 最初は上気道炎だったが、1週間経過して再び38度以上の発熱が見られ、呼吸器症状が増悪するなどの症状がある時に治療の対象となります。

抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック

ある医師の臨床経験を振り返ると、80歳の女性患者さんに2年間にわたってクラリスロマイシンを処方したケースが印象に残っています。

いずれも第一選択薬はマクロライド系抗菌剤(クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど) ..

クラリスロマイシンは呼吸器感染症以外にも、皮膚や軟部組織の感染症に罹患した患者にも使用し、特にブドウ球菌や連鎖球菌による感染症、例えば蜂巣炎や丹毒などの患者に対して効果を発揮するだけでなく、アトピー性皮膚炎や褥瘡などの慢性皮膚疾患に二次感染を起こした患者にも、その抗炎症作用と抗菌作用の相乗効果で症状の改善を促します。

【抗菌薬】ペニシリンアレルギー、 セフェムアレルギーの対応と代替薬

マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラなどの非定型病原体による肺炎患者に対しても、クラリスロマイシンは第一選択薬の一つとなり、これらの病原体は通常のペニシリン系抗生物質に反応しにくいため、マクロライド系抗生物質が有効で、特に若年者や学生、集団生活を送る人々に多く見られるマイコプラズマ肺炎の患者には、クラリスロマイシンの使用頻度が高くなります。

CAM (クラリスロマイシン) · AZM (アジスロマイシン)

ある医師の臨床経験では、80代の重症肺炎患者にエリスロマイシンを投与した際、通常量の半分から開始し、症状の改善を見ながら徐々に増量することで、副作用を最小限に抑えつつ、良好な治療効果を得ることができました。

菌を対象として、ペニシリン系やマクロライド系が適切である。 Page 5

効果判定や副作用のモニタリングのため、定期的な診察を受け、医師と綿密なコミュニケーションを取ることを患者さんにお勧めします。

マイコプラズマ肺炎 クラリスロマイシン 15mg/kg/日, 分2 (10日間) ..

一般的な感染症であれば、服用開始から2~5日程度で症状が改善してきます。
ただし、症状が良くなったからといってすぐに服用を中止してはいけません。症状をしっかり改善し、かつ耐性菌の発現を防ぐためには一定期間服用を続けなければいけません。
したがって、重篤な副作用などがない限り、処方されたクラリスロマイシンは飲み切るようにしてください。

理由としては以下のものがあります。 ①腸管吸収が悪い1-3)(吸収されるのは半分以下⇔ペニシリン系).

最初は副作用の発現を心配しましたが、こまめな検査と丁寧な説明を心がけた結果、無事に治療を完了できました。その結果、症状が劇的に改善し、体内から菌を駆逐することに成功しました。

[PDF] セフェムアレルギーと βラクタム系抗菌薬の使用(交差反応)

クラリスロマイシンは主に呼吸器系の感染症に効果を発揮する抗生物質で、市中肺炎や気管支炎など幅広い呼吸器疾患を抱える患者に処方し、特に肺炎球菌やインフルエンザ菌による感染症に対して高い有効性を示すため、これらの病原体が原因と疑われる症例に投与することが多いです。