(フォシーガを製造販売しているアストラゼネカが資金提供を行ったデータです。)
フォシーガは糖尿病の治療薬として使われていましたが、血糖値を下げるだけでなく腎機能を保護する効果も期待され、糖尿病の患者さんには積極的に使用されていました。
また、CKDの初期にはほとんど無症状のため徐々に腎機能が低下していきます。
全透析導入患者の86.8%が1~4位のいずれかが原因です。
嬉しいことにフォシーガは1~4位すべてのタイプの慢性腎臓病でも効果が期待できることがわかっています。
心不全も腎不全も薬物治療の中心は降圧薬ですが、近年、心臓と腎臓の両方に対する臓器保護作用を持つ薬剤として注目されているのがSGLT2阻害薬です。
ただし、添付文書には以下の記載がありますので、eGFRには注意が必要です。
欧米諸国では、一足早く慢性腎臓病の治療薬として効能効果が追加承認されました。
しかし日本では、糖尿病や心不全がなければフォシーガは使用できませんでした。
今回の承認によって日本国内でも糖尿病や心不全に関係なく、腎臓病治療を目的として保険適応されるようになりました。
これにより、2型糖尿病の合併有無に関わらず、慢性心不全患者に対してβブロッカーやACE阻害薬などの標準治療に上乗せする形で、フォシーガ錠10mg1日1回を経口投与することが可能となります。
アストラゼネカのフォシーガ、DAPA-CKD第Ⅲ相試験において
柏原氏によると、フォシーガによる治療の対象となるCKD患者はおよそ300万人。「最終的にはガイドラインにきちんと位置付ける作業が必要」としながらも、個人的見解として「有効性と安全性において既存の標準治療薬であるARBやACE阻害薬に優っていると思う。おそらく標準薬になっていく、ファーストラインになっていく可能性が高いと予想している」と話しています。
2020年10月9日の厚生労働省薬食審・医薬品第一部会にてSGLT2阻害剤フォシーガ錠に「慢性心不全」の適応症に関する審議が行われ、了承されました。正式には2020年11月に正式承認される見通しです。
フォシーガのCKD適応 処方増の意向は94% | 新薬の立ちイチ
さて、本題に入りますが、販売名フォシーガ(一般名称:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)も、2022年6月に承認されたカナグル(一般名称:カナグリフロジン水和物)も、SGLT2阻害薬に分類される糖尿病の治療薬です。
腎臓にあるSGLT2というポンプ(尿中に捨てられたブドウ糖を再吸収して血液に戻すポンプのような物質)の働きを阻害することで、ブドウ糖を尿中に捨てて血糖値を下げる働きがあります。
フォシーガは日本において2014年に「2型糖尿病」、2019年に「1型糖尿病」、2020年に「慢性心不全」の治療薬として承認されています。
そして2021年、「慢性腎臓病」の治療薬として承認されることになりました。
なぜ心不全や腎臓病に効くのか?今のところメカニズムは明らかではありませんが、メカニズムが解明されれば更に効果的な治療薬の開発につながると期待されます。
【参考】
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フォシーガ錠の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがあり、また、体液量が減少することがありますが、特に体液量減少を起こしやすい患者として高齢者について注意喚起しています。
脱水や糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意してください。
併している CKD 患者において,SGLT2 阻害薬は良い適応
「フォシーガ錠」が新たに取得した効能・効果と用法・用量
【効能・効果】慢性心不全(慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る) 【用法・用量】10mgを1日1回経口投与
腎臓病)慢性腎臓病(CKD)の治療(前編) | 亀田グループサイト
今回は、糖尿病・慢性心不全・CKDとフォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序についてご紹介します。
SGLT2阻害薬(商品名フォシーガ)は、腎臓での糖の再吸収を阻害すること ..
このブログを最初に書いた2021年8月5日時点では慢性腎臓病(CKD)治療薬としてのフォシーガは正式承認されていないので、どのような慢性腎臓病(CKD)患者がフォシーガ治療の対象になるのか?は明らかではありませんでした。
しかし、フォシーガの国際的な臨床試験(DAPA-CKD)では糖尿病の有無を問わない4,304例の慢性腎臓病(CKD)患者で臨床試験が行われているので、糖尿病でなくてもフォシーガが使えるようになるのでは?と期待しています。
しかし、DAPA-CKD試験ではeGFRが25以上75未満の慢性腎臓病(CKD)患者であり、尚且つ、ACE阻害薬(またはARB)という血圧を下げる薬を4週間以上服用している患者が臨床試験の対象になっています。
ということは、日本の慢性腎臓病(CKD)治療において、
①eGFRが25よりも下の場合は使えるのか?
②ACE阻害薬やARB以外の血圧の薬(カルシウム拮抗薬など)を飲んでいると使えないのか?
という2点が気になります。正式に承認されたら情報を追記しますね。
【参考】
慢性腎臓病の適応取得の根拠となったDAPA-CKD試験の成績を動画で紹介いたします。 ..
慢性腎不全(末期腎不全・透析患者は除く)(eGFRが25㎖/min/1.73㎡未満は臨床試験の対象としていない)
「7~8割の患者さんに使用できる」 慢性腎臓病に適応拡大 「フォシーガ」で死亡リスク39%低下 ..
重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について注意喚起しています。
SGLT2阻害剤フォシーガ、慢性腎臓病治療薬開発でFDA ..
重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について注意喚起しています。
ダパグリフロジン、現時点のCKD適応の考え方【時流 初のCKD薬
4.発表内容:
(1)研究の背景
SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬として開発されましたが、大規模臨床試験において(糖尿病の有無に関わらず)腎保護作用を有していることが示され、2021年以降にSGLT2阻害薬の適応は慢性腎臓病に対しても拡大されています。臨床現場でのニーズが高まったことから、SGLT2阻害薬の処方数は増加し、国内では現在6種類のSGLT2阻害薬が糖尿病への適応を有していますが、SGLT2阻害薬の薬剤間で腎保護作用を比較した研究は少なく、SGLT2阻害薬の腎保護作用が、クラスエフェクトと考えて良いのかについては議論が分かれるところでした。そこで、今回、国内最大規模のレセプトデータベースを用いて、糖尿病に対して新規にSGLT2阻害薬が処方された約12,000症例を対象に、個々のSGLT2阻害薬の薬剤間で腎機能の経時的な変化量を比較しました。
慢性腎臓病の治療薬フォシーガについて考える【腎臓内科医が解説】
「心腎連関」とは、心機能の低下と腎機能の低下が影響を及ぼし合う現象のことです。心臓と腎臓は密接に関連しており、心疾患で心臓の機能が落ちると腎臓の働きが悪くなることがありますし、逆に、腎疾患で腎臓の働きが悪くなると、その影響で心臓の機能が低下することがあります。心不全患者の生命予後は腎機能に大きく左右されることが知られており、慢性腎臓病の患者では心血管疾患のリスクが高まることもわかっています。
SGLT2阻害薬「フォシーガ」の第3相DAPA-CKD試験 慢性腎臓病患者を対象とした有効性により早期終了 ..
2020年にこの腎臓を保護する効果は糖尿病じゃない腎臓病の患者さんにも効果があるという報告が出て、2021年9月より日本で糖尿病がない腎臓病にも保険適用が通り、医療機関から処方することが可能となりました。
第III相DAPA-CKD試験においてフォシーガは、CKDステージ2~4、かつ尿中 ..
2021年8月に承認されたのはSGLT2阻害薬のなかの「フォシーガ」という薬なのですが、テレビや新聞で「国内初の慢性腎臓病(CKD)治療薬」と報道されているのを知って、純炭社長的には???と思ってしまいました。
というのも慢性腎臓病(CKD)用剤である「クレメジン(球形吸着炭)」が1991年に承認されているからなのです。クレメジンを開発したクレハ(旧呉羽化学工業)さんは悔しい気持ちになっているのでは?
余談ですが、私、就職活動でクレハの医薬品部門を受けて役員面接で見事に落っこちました(笑)でも、クレハを恨んではいませんよ。
おかげで中外製薬の研究所に就職して腎性貧血治療薬の創薬に携われた訳ですし、今でもラップは「クレラップ」を愛用しています(笑)。
【参考】
(7月28日の専門部会議事録は今のところ厚生労働省ホームページにアップされていませんでした)
2022.9.15『愛媛県フォシーガCKD適応追加1周年記念講演会』
フォシーガは、2型糖尿病だけでなく1型糖尿病にも適応があり、慢性心不全や慢性腎臓病の治療にも使用される薬剤です。血糖降下作用がインスリンに依存しないため、単独で用いる場合は低血糖の発生リスクが低いとされています。糖尿病の有無に関係なく左室駆出率の低下した慢性心不全に適しており、標準的な治療に追加することで予後の改善が期待できます。また、食事の影響を受けないため、食前でも食後でも服用できるという利点もあります。
(chronic kidney disease:CKD)で適応を取得して ..
これらのデータをもとに、米国FDAはフォシーガ錠に糖尿病の有無を問わずCKDの適応症を承認しました。
CKD適応で承認申請」)。 承認は第Ⅲ相試験DAPA-CKDの結果に基づく。
フォシーガは、2型糖尿病、1型糖尿病、慢性心不全(慢性心不全の標準的な治療を受けている場合に限る)、慢性腎臓病(末期腎不全または透析施行中の場合を除く)に適応があります。
効能効果ごとの用法用量は、以下のとおりです。
DAPA-CKD試験は、プラセボを対照としたフォシーガ®(ダパグリフロジン) ..
注目は、世界初の腎機能改善薬として期待される協和キリンの「RTA402」(バルドキソロンメチル)です。同薬は、体内のストレス防御反応で中心的な役割を担う転写因子Nrf2を活性化する薬剤。幅広い抗酸化・抗炎症作用で腎機能を改善すると考えられています。糖尿病合併のCKDを対象に行った国内P2試験では、イヌリンクリアランス法で測定したGFR(糸球体濾過量)を有意に改善しており、現在はP3試験を実施中です。