一律デキサメタゾン 6mg/日の投薬ですが、症例によってはステロイド投与量が足りない
様々な疾患に効果が期待できるデキサメタゾンですが、服用方法は症状によって異なります。
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 5 1
有効成分デキサメタゾンが新型コロナ治療として承認。新型コロナに感染したトランプ米大統領も投与された薬として話題に。
臨床試験は、病院に入院している新型コロナウイルス感染症の患者を無作為に抽出して約2100人にデキサメタゾンを投与し、約4300人には一般的な治療を行った。
デキサメタゾン(1 回 6mg 1 日 1 回 10 日間)を投与する。ベクルリー®(初日 200mg、その後 100mg/
・COVID-19に対する薬剤の検討は世界中で進んでおり,レムデシビル,バリシチニブ,カシリビマブ/イムデビマブ,ソトロビマブ,モルヌピラビルの5種類が2022年1月18日現在,COVID-19に対して日本国内で承認されている。
■レムデシビル:RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬。肺炎像のある「中等症Ⅰ」以上のCOVID-19症例に,5日間投与することで臨床的な症状の改善が見込める。
■バリシチニブ:JAK阻害薬。レムデシビル投与下で酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」以上のCOVID-19症例に,14日以内,バリシチニブを投与することで臨床的な症状の改善が見込める。
■カシリビマブ/イムデビマブ:中和抗体薬。重症化リスクのある酸素投与が不要な「軽症」「中等症Ⅰ」のCOVID-19症例に,症状発現から1週間以内の単回投与で入院や死亡を抑制する。ただし,オミクロン株に対する投与は推奨されていない。
■ソトロビマブ:中和抗体薬。重症化リスクのある酸素投与が不要な「軽症」「中等症Ⅰ」のCOVID-19症例に,症状発現から1週間以内の単回投与で入院や死亡を抑制する。オミクロン株に対しても有効性が期待できるとされている。
■モルヌピラビル:RNAポリメラーゼ阻害薬。重症化リスクのある酸素投与が不要な「軽症」「中等症Ⅰ」のCOVID-19症例に,症状発現から5日以内に内服を開始することで入院や死亡を抑制する。
・上記の5種類以外にも,ステロイドや抗凝固薬,非薬物療法についても知見が集積しており,標準治療につき簡単に概説する(2022年1月21日,抗IL- 6受容体抗体であるトシリズマブが中等症Ⅱ以上のCOVID-19症例に対して追加承認された)。
バリシチニブはJAK阻害薬で、関節リウマチにも使用される。ACTT-2試験[6]やCOV-BARRIER試験[7]が行われており、前者ではレムデシビルとの併用、後者では約80%にデキサメタゾン(レムデシビルは約19%)が併用されていた。バリシチニブを使用することにより、前者では全体で改善を1日早めるという結果で、後者は呼吸状態の増悪を止める効果はないが、死亡率は下げられるという結果を示した。安全性はいずれも比較群と比べて遜色なかった。ただし、COV-BARRIER試験のサブグループ解析では、高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)と非侵襲的換気療法(NIV)を用いた群で有意に死亡率が低下したものの、こうした介入を必要としない、肺炎のある酸素投与なし群や酸素投与あり群ではいずれも有意な低下はみられなかったことから、宿泊療法施設の患者は対象とはなりにくいだろう。サブグループ解析でありインパクトは弱いものの、推奨される域には達していない。
[PDF] デキサメタゾン COVID-19 小児患者に対する治療薬としての位置付け
毎年10億人分が製造され、140か国以上で投与されている。
BCGは供給量が限られているが、OPVはポリオ根絶キャンペーンからごくわずかだけ臨床トライアルに振り向けるだけで充分である。
もし新型コロナに効果があると分かれば、一気に増産することも可能だろう。
入院中の酸素投与が必要な患者に対するデキサメタゾンの投与は死亡率を低下させた(RECOVERY試験[4])ため、このような患者にはデキサメタゾン6mg、10日間(退院するまで)の投与を行う。酸素投与を行う必要がない場合のデキサメタゾン(6mg、10日間)の使用は、むしろ害の方が大きい可能性が同時に示されており、使用すべきではない。これは、酸素不要群ではアウトカムが悪い傾向があるためであり、その期間は発症から中央値6日(3~10日)であった[4]。酸素投与開始時にデキサメタゾンを使用する場合は、抗ウイルス薬であるレムデシビルとの同時併用が望ましい可能性があるが[5]、宿泊療養施設や外来ではレムデシビルは使用できないため、現実的にはデキサメタゾンの単独使用になるだろう。繰り返しになるが、酸素需要がない状況で、発熱が持続しているなどの理由でデキサメタゾンを使用してはならない。
般的には、0.15mg/kg/日(最大 6mg)で最大 10 日間あるいは退院まで投与される 1)2)。重症
6月、英国オックスフォード大学が主導した、一般的なステロイド剤である「デキサメタゾン」を新型コロナウイルス患者2000名に投与した臨床試験の結果(最も重症な患者の死亡率低減に効果があった、という発表)は世界から注目を集め、大きく報道されました。
誤解をしないでほしいのですが、デキサメタゾンを普段から飲んでいれば新型コロナウイルスに感染しないとか、感染しても重症にならないということではありません。
必要がないのにステロイドを服用すると副作用の可能性すらあります。
リウマチ患者ではステロイド服用で重症化リスクが上昇しましたが、喘息では吸入ステロイドのためか感染リスクは上昇していませんでした。
ステロイド治療に関しては、医師の診断に基づいた、慎重な対応が求められます。
さて、セレスタミンにはどんな種類のステロイドが含まれているのかというと、「ベタメタゾン(betamethasone)」です。このベタメタゾンは、ステロイドの中でどのような立ち位置にいるでしょうか。私たち医業者は、ステロイドの強さや効き目の目安(ステロイドの力価)として「プレドニゾロン(プレドニン)換算」ということをやります。プレドニゾロン(プレドニン®)は、生物学的半減期が12~36時間の中間作用型のステロイドであり、その適度な作用時間から用量調整がしやすく、外来診療では最も多く処方されるステロイドです。したがって、他の種類のステロイドがどれくらいの力価を持つのか?を知りたいときには、このプレドニゾロン換算というのをやるとイメージがつきやすいのです。下表()によると力価はプレドニゾロン:ベタメタゾン = 4 : 25~30 ですので、一般的なプレドニン錠5mgは、べタメタゾンだと0.75mgに相当します(海外の正書や論文等では、4:25という比率の記載が多く、プレドニン錠5mgは、5 × 4/25 ~ 0.8mgのべタメタゾンと同程度の力価となります)。逆に言えば、セレスタミン配合錠に含まれるべタメタゾンの量は添付文書によると0.25mgですので、これは、プレドニゾロン換算だと、ちょうど0.75mgの3分の1なので、プレドニン錠5mgの3分の1相当ということになります(5 × 1/3 ~ 1.7mgのプレドニン)。
録時に酸素投与を必要としたデキサメタゾン投与群の21.5%が登録後28日以内に死亡した
もともとエボラ出血熱の治療薬として開発されたものです。ウイルスのRNAを合成するポリメラーゼという酵素の働きを阻害し、します。適応は新型コロナによる肺炎を有するものとされていますが、交流量の酸素投与や挿管に至った重症例では効果が期待できない可能性があります。
投与によりやを含む過敏症の発現、腎機能障害や肝機能障害の可能性があるため、患者の状態を十分に観察することが重要です。
[PDF] NCGM COVID-19 治療フローチャート(成人)
コロナ治療薬としては、重症患者の治療薬として2020年7月、早い段階で承認されています。酸素吸入や人工呼吸器をつけるような重症感染症の方であれば、有害な炎症反応の抑制・予防効果が期待できます。
[PDF] COVID-19肺炎に対する 量デキサメタゾンの治療効果
2020年の初頭から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)大流行に伴い、この未知のウイルスに対する有効な治療法の開発および探索が世界的に進められてきました。イギリスが国家を挙げて実施した大規模臨床研究では、小容量のステロイドの有効性(本研究では、メチルプレドニゾロン約40㎎に相当)が認められましたが、ステロイドは免疫力低下などの副作用も非常に強い薬剤でもあり、ステロイド・パルス療法(大容量一括ステロイド投与療法)など中容量以上のステロイド治療については返って死亡リスクを上昇させる恐れも懸念されており、適切な投与量・投与方法について専門家の中でも意見が割れていました。この答えのでない原因の大きな一因は、COVID-19に対する治療評価は大きなバイアスが生じやすく、正確な評価そのものが非常に困難であるためです。
酸素投与が必要な患者でデキサメタゾン6mg 10⽇間の投与を推奨
デキサメタゾンの主な副作用としては、感染症の増悪、続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、消化管穿孔、膵炎、精神変調、緑内障、血栓塞栓症などが報告されています。服用中止後に、発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、ショック等の離脱症状があらわれる場合もあるので、注意が必要です。
• メタ解析の6研究においては6mgのデキサメタゾンよりも⾼⽤
当初は敵の特徴がわからなかったため,真っ白な肺炎像を見て広域抗菌薬やステロイドを大量に投与して,後はお祈りするのみであった。しかし,今は,COVID-19の特徴はもとよりエビデンスのある治療薬がそろってきたため,2年前と比べたら戦い方も格段に慣れてきた印象がある。新型コロナウイルスと出会った当初は,頭のてっぺんから足の先までfull PPEと呼ばれる感染防護具を身に纏っても防護具のスキマを気にしながら診療にあたっていたことや,素性のわからない見えない敵に対して何度となく手洗いやアルコール消毒を行っていたことなどが思い出される。しかしながら,2021年初めには感染予防効果や重症化抑制効果の高い新型コロナワクチンであるmRNAワクチンが日本でも普及し,現在は鉄の鎧を身に纏ったような安心感を持って診療に当たることができている。
[PDF] Covid-19 に対する薬物治療の考え方 第15.1版
発症から7日以内にモノクローナル抗体を投与した場合、非使用群に対するウイルス量が減少していた。のみならず、28日以内のCOVID-19に関連した入院や救急外来/一般外来/遠隔外来の受診が、プラセボに比べて70%減少するという臨床的なアウトカムも示されている。副反応については、アナフィラキシーを含む重篤な過敏症は確認されず、インフュージョンリアクションが0.2%と記載されている[3]。これまでの報告からは、安全性は高いと考えるべきだろう。カシリビマブ/イムデビマブ各600mgずつ投与するが、日本で使用可能な製剤が2人分(各1200mg)で、冷蔵保管された場合は48時間以内に投与する必要がある。日本における投与対象は、COVID-19の重症化リスクを有する患者群(表2)となる。
投与期間、投与量について、現時点でのエビデンスを教えてください
当初は「コロナに有効な既存薬があるのではないか」という視点で研究が進められていました。それと同時に、コロナ治療に特化した治療薬の開発・研究もスタートしました。現在日本で承認されている治療薬は、世界的に研究・開発をし、数多くの治験を行って統計的に効果があると認められたものです。そのため、正しく使用すれば安全であり、コロナ治療に有効であると考えられます。
[PDF] デカドロン錠0.5mg/4mg 適正使用に関するお知らせ
デキサメタゾンは副腎皮質ホルモン製剤であるため、効果・効能は多岐にわたります。具体例としては、慢性副腎皮質機能不全、関節リウマチ、エリテマトーデス、うっ血性心不全、気管支喘息、悪性リンパ腫、重症感染症などがあげられます。詳細については、添付文書を確認するようにしてください。
(2)新規にデキサメタゾン経口製剤による治療を開始する場合には、まずは代替薬に
大容量のステロイドを静脈投与で一括投与する治療法。通常の経口投与や少量ステロイド投与よりも体内の抗炎を抑える効果が高い。反面、身体の免疫力を強力に抑えるため真菌やバクテリアの増殖など副作用も大きく、新型コロナウイルス感染症治療に関しても専門家の間で意見が割れていた。本研究では、メチルプレドニゾロン換算として、500㎎以上のステロイド一括投与をステロイド・パルス療法と定義した。
Q&A(COVID-19):デキサメタゾンを含む副腎皮質ステロイド
COVID-19患者がどの程度まで増悪すれば病院で診るのかというのは、パンデミックにおける一つの重要な命題である。基本的には、日本の定義[1]でいうところの中等症IIからは酸素投与が必要になるため絶対的に入院適応があり、従来であれば「酸素投与=デキサメタゾン開始=入院」が医療的な原則なのであるが、病床確保が困難になるにつれ在宅や宿泊療養施設での療養者が増える。結果として一部の増悪する患者に酸素投与が必要なケースが出てしまう(図)。
入院COVID-19の生存日数は?デキサメタゾン6mg vs.12mg/JAMA
本研究では、Marginal Structural Modelという分析技術を臨床応用した。図3が示すように新型コロナウイルス感染症治療に関する臨床評価はバイアスが掛かりやすく非常に難しい。そこで本研究では、1)ステロイド・パルス療法を実施するに至る患者の特徴、2)入院からステロイドを投与するまでの時期と投与量、3)ステロイド投与前後の他の薬剤などの治療状況、4)投与してから院内死亡または退院までの期間、などの違いから生じるバイアスを、上記の分析技術で正確に除去・臨床評価した。
レムデシビルのみであり, デキサメタゾンは重症感染症に対する適応がある。 ..
そのようなことから新型コロナ治療では、他の疾患治療で使われている既存薬を転用して使用することが多いです。既存薬の使用は、症状の緩和や重症化リスクを抑えることが目的であるため、軽症で重症化リスクの低い方であれば使用されないことがほとんどです。
量は投与群で有意に低かった[20]。 投与量は、eGFR 60 mL/分以上の場合、1回 ..
日本静脈学会・肺塞栓症研究会・日本血管外科学会・日本脈管学会が発表している『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における静脈血栓塞栓症予防の診療指針 2021年4月5日版(Version 2.0)』では,酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」の症例で“ヘパリンの予防投与を考慮”し,ICU管理や人工呼吸管理の「重症」の症例では“ヘパリン投与を行う”としている。逆に酸素投与が不要な「軽症」「中等症Ⅰ」においては“(基本的には)抗凝固療法は不要”とし,離床・下肢運動・弾性ストッキング・間欠的空気圧迫法などを中心とした理学療法が勧められている。