アトピー性咳嗽(がいそう)の症状や原因、治療法について解説します。
後者では「絡んだ痰を出そうと咳払いする」「静かな場所で咳が出そうになったが少しの間我慢した」
アトピー咳嗽は、アトピー素因を持った中年の女性に多い疾患です。
咳喘息とアトピー咳嗽は、症状やきっかけなど非常に似ている点が多いため鑑別が難しいとされています。
湿性咳嗽や乾性の急性咳嗽の原因は、ほぼ風邪です。湿性の場合は風邪の最中である可能性が高く、乾性の場合には感冒後咳嗽といって、風邪を引いた後の長引く咳が多いです。特徴は、ベッドに横になると咳が出ることです。長い人は2~3か月咳が続きます。
咳喘息とともに近年増えていると言われているのがアトピー性咳嗽です。
では、咳が長引いて夜も眠れないような場合、気管支拡張剤だけを使って様子見となるのでしょうか。
それが「咳喘息」だった場合には症状は改善するでしょうが、もしも「アトピー咳嗽」だった場合には、症状の改善は期待できません。次回の受診日まで症状の改善がない可能性があることから、実際の診療の際には、咳の状態やアトピー素因の有無などにより、ロイコトリエン拮抗薬やステロイド吸入剤なども一緒に処方することがあります。アレルギー性鼻炎の患者さんは、ヒスタミンH1拮抗薬とロイコトリエン拮抗薬を同時に処方することもあります。
日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会専門医として当院で最も力を入れているのが、気管支喘息、咳喘息といった気管支のアレルギー疾患です。当院はこれらの疾患の鑑別のため呼気NO検査を導入しております。この検査は2010年頃に登場した新しい検査になります。NO(一酸化窒素)とはアレルギーの炎症(好酸球炎症)がある方に発生する物質になります。呼気に含まれているNOの量を息を吐くだけで測定するのです。ふーーっと一定の流量で息を吐くだけなので痛くも痒くもありません。この検査はアレルギーの炎症で咳が出る気管支喘息、咳喘息の鑑別に非常に有用です。逆にこの検査を受けてなかったら、本当に咳喘息/気管支喘息か怪しいところです。
アトピー咳嗽は、咳喘息とともに近年増えているといわれる病気です。
一般的に、咳が出るメカニズムは大きく二つに分けられ、①気道の刺激が脳に伝わり、脳から咳をするように命令が出る場合 ②気道の一部である気管支が狭くなったことが脳に伝わり、脳から咳をするように命令が出る場合があります。
※アトピー咳嗽が気管支喘息に移行することは、原則としてありません。よって、症状が軽快した場合、咳喘息では長期吸入ステロイド療法が推奨されますが、アトピー咳嗽では治療を終了します。
しかし、その中に咳喘息やアトピー咳嗽が隠れているかもしれません。
咳と密接な関係があるのは、何といってもタバコです。慢性気管支炎やCOPDの85~90%は喫煙が原因です。慢性気管支炎は、慢性の喫煙刺激によって咳、痰が少なくとも3カ月以上あり、それが少なくとも連続して2年以上認められる病態として定義される、喫煙による慢性的な気道刺激症状です。タバコ煙が気道の繊毛の機能を低下させることで、喫煙者は自分自身でも気づかないうちに絶えず咳をしています。慢性気管支炎のもっとも重要な治療は禁煙で、禁煙によって症状が軽快します。多くの喫煙者は慢性の咳や痰、息切れがあっても、それらの症状を病的なものとしてほとんど自覚していません。また、これらの症状を自覚し、タバコを減らす、またはやめればよくなるとわかっていながらも喫煙を継続している人が多いことも問題です。
気流閉塞で定義されるCOPDの患者さんを見つける手がかりは、「喫煙歴」と「40歳以上」です※。すでに咳・痰、労作時の息切れといった症状が出ている人はCOPDが進行している可能性があります。いずれにしても、慢性咳嗽の患者さんが喫煙者であれば、その治療はまず禁煙からアプローチすることが大原則となります。
※喫煙指数(1日に吸うタバコの本数×喫煙している年数)が400以上で肺がんリスクが上がる。
アトピー咳嗽の簡易診断基準ですが、
(1) 喘鳴や呼吸困難を伴わない乾性咳嗽が3週間以上継続
(2) 気管支拡張薬が無効
(3) アトピー素因を示唆する所見や、痰に好酸球(アレルギー細胞)の増加がある
(4) ヒスタミンH1拮抗薬 又は/及び ステロイド薬で咳発作が消失
です。
咳喘息とアトピー咳嗽は、区別するのが難しい場合もあります。気管支拡張薬が無効でヒスタミンH1拮抗薬やステロイド薬で改善することが、診断の決め手になることもあります。これを診断的治療と言います。
アトピー咳嗽、咳喘息ともに気管における病態ですが、その鑑別は気管支 ..
気管や気管支に好酸球というアレルギー細胞が関連した炎症が生じ、これらの表面の知覚神経が過敏になり、咳感受性が亢進して咳が出ます。咳喘息でも同様の病態は生じますが、アトピー咳嗽では末梢気道(内径が2mm未満の細い気管支)には生じないのが違いです。
アレグラ アレルギー性鼻炎・蕁麻疹・アトピー性皮膚炎 | 製品情報
このように、慢性咳嗽でまず除外する必要があるのは、命に関わるような病気と、人に感染させるような病気です。そのうえで、慢性咳嗽の主要な原因となる疾患には、喘息/咳喘息、アトピー咳嗽/非喘息性好酸球性気管支炎、副鼻腔気管支症候群/上気道咳症候群、胃食道逆流症などがあります。また、長引く咳を呈する感染症としては、特に繊毛上皮細胞に感染するマイコプラズマおよび百日咳を考慮します。図3に、長引く咳の原因として多い病気と特徴的な症状を示します。薬剤の副作用として慢性咳嗽が誘発されることもあり、患者さんが長期に使用中の薬剤にも注意が必要です(後述)。
5 アレルギー性の咳に効果のある市販薬は? 5.1 気管支喘息と咳喘息; 5.2 アトピー咳嗽; 5.3 喉頭アレルギー
咳が長引く場合は、アトピー性咳嗽のほか、さまざまな病気の可能性が考えられます。漫然と市販の咳止めを飲み続けるのではなく、内科や呼吸器内科、アレルギー科などで正確な診断を受けることが大切です。
◇アトピー咳嗽とは咳喘息とまったく同様の症状(ゼーゼー、ヒューヒューや呼吸困
咳は、続いている期間によって、3週間までの、3から8週間までの「遷延性(せんえんせい)」、8週間以上の「慢性」に分けられます。この分け方は、咳が出る皆さんの診断や治療を選択する際にとても大切になります。3週間までの急性の咳の主な原因は感冒をはじめとする感染症ですが、特に咳の症状が8週間を超えてくると感染症とは異なる原因を探す必要があります。
咳喘息に有効な気管支拡張薬は咳感受性や咳中枢には抑制作用をもたないことから、アトピー咳嗽を含む咳嗽一般に対する鎮咳作用はありません。
アトピー性咳嗽は痰や呼吸困難をともなわない、乾いた咳が長引く病気です。原因はまだはっきりとはわかっていませんが、以下のような症状や特徴、治療法があります。
そう痒を伴う皮膚疾患のうち、小児では湿疹・皮膚炎群に含まれるアトピー性皮膚炎が多い。
さらにアトピー咳嗽(がいそう)や咽頭アレルギーなどの慢性咳嗽(がいそう)に有効性が高いといった特徴もあります。
アレグラ、 (アトピー咳嗽) クラリチン、エバステル ロイコトリエン受容 ..
アトピー咳嗽の治療終了後およそ4年間で、アトピー咳嗽を再発する人は2人に1人というデータもありますので、治療が終わっても十分な注意が必要です。
アトピー咳嗽吸入用ステロイド薬・β2 刺激薬合剤アドエアR(吸入),シムビコート ..
ツノクリでは、長引く咳の目安を4週間(1か月)程度と考え、長引く咳として本格的に治療するかの判断材料にします。そのため、咳の症状を訴える患者さんには、いつから咳が出始めたのか、必ず聞きます。咳が出ている皆さんの適切な診断と治療をするために必要な質問ですから、いつから咳が出ているのかを思い出してください。
0.5~11 歳の小児アトピー性皮膚炎患者に対するアレグラドライシロップ 5%の安全性、有効 ..
抗アレルギー薬の眠気の強さと効き目に相関はありません。デザレックスは比較的眠気の出にくい薬ですが、効き目が弱いというわけではないのでご安心ください。
実際、デザレックスの効果を他の抗アレルギー薬と比較した試験では、臨床的に大きな差はみられなかったと報告されています。
なお、薬の効き方(効果の実感)は、症状や程度、患者さま自身との相性によりかなり異なります。また花粉症の場合、症状がひどくなってからの服用では十分な効果が実感できない場合もあります。
抗アレルギー薬はいろいろなタイプがありますので、デザレックスを服用していても十分な効果が実感できない場合は、診察時にご相談ください。
アトピー咳嗽 北陸地区における慢性咳嗽の原因疾患 Fujimura M, et al ..
ごまかし薬の咳止めにも、数十年ぶりに新薬が出ました。
その名は、「リフヌア」
いままでの咳止めは、異物を対外に出そうとする反射である咳反応を抑えるだけのものでしたが、この「リフヌア」は、中枢神経が咳を促すために送るシグナルを気道の神経最終端P2X3受容体に作用し、そのシグナルを遮断する薬です。
治療は咳喘息は吸入ステロイド、アトピー咳嗽は抗アレルギー剤となり治療が異なります。 ..
主にヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)が処方されますが、有効率はおよそ60%ほどです。効果が出てこない場合は、ステロイド薬の吸入を行います。咳嗽が強すぎてステロイド薬の吸入が難しい患者の場合は喘息・咳喘息の治療と同じように、経口ステロイド薬を投与するケースもあります。
アレグラ」「ディレグラ」「クラリチン」「デザレックス」「ビラノア」だけ ..
慢性咳嗽の原因はいろいろですが、最初に考えなくてはならないのは命に関わるような病気です。それに加えて、8週間を超えて起こってくるような感染症も見極めが重要です。結核、肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、心不全、気管支拡張症などがそれに当たります。
まず胸部X線写真で肺炎や肺がんなどの器質的疾患を除外します。がんはがんの治療、結核は抗結核薬、間質性肺炎はステロイド薬などで治療します。心不全で慢性的に心臓が悪くても咳が出る場合があり、肺に水がたまってくるとゼーゼーヒューヒューといった喘息と似たような喘鳴が出ます。喘息だと思って治療すると心不全がかえって悪化してしまうこともあります。胸部X線写真を撮って、心臓が肥大していれば心不全を疑います。
さらに、呼吸機能検査によって典型的な喘息、COPDや間質性肺炎がないことを確認します。そのうえで、患者さんごとに慢性咳嗽の原因を考えていきます。血液検査も必要で、白血球数とその分画などが調べられます。
咳の治療薬は、原因とは無関係に中枢レベルで咳を抑制する非特異的治療薬である中枢性鎮咳薬と、疾患特異的な治療薬に分けられます(表1)。問題なのは、身体所見や胸部X線写真、呼吸機能検査で異常が見つからずに長期に続く咳の場合、原因疾患が曖昧なまま漫然と中枢性鎮咳薬、抗炎症薬、抗生剤が長期に投与されることです。たとえば、8週間を超えた咳で考えなければならない疾患に咳喘息があります。これは喘鳴や呼吸困難を伴わず慢性の咳だけを症状とする喘息の亜型で、呼吸機能検査をしても異常が認められませんが、吸入ステロイド薬や気管支拡張薬が有効です。一方、日本における多くの報告で咳喘息は慢性咳嗽の原因疾患としてもっとも頻度が高いことから、特に呼吸器疾患の診療が専門でない医師は、8週間を超えている慢性咳嗽に対して胸部X線検査や呼吸機能検査を実施せずに咳喘息と診断し、吸入ステロイド薬を安易に投与してしまうことがあります。実は結核であったような場合には、原疾患の悪化につながる可能性もあります。実際、吸入ステロイドでも咳が一向に改善せず大学病院にこられる患者さんのなかにはこのような患者さんもいらっしゃいます。
咳が長引く病気は、気管支喘息や咳喘息など様々ですが、アトピー咳嗽も1ヶ月以上続く咳症状を起こします。アトピー咳嗽 ..
抗ヒスタミン薬の強さは様々で、強さ=効果が強いものもありますが、
眠気などの副作用に関して注意が必要です。
一般的に効果が強いとされている抗ヒスタミンの花粉症薬は
アレジオンが挙げられます。しかし
効果がやや弱めのものではアレグラがありますが、眠くなりにくく、上記の予定がある方にも
おすすめできると言えます。
咳嗽アレグラ:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒
1989年に日本から提唱された疾患概念で、乾いた咳が出ます。夜間(特に就寝時、夜中から早朝、起床時など)に多く、温度差のある空気を吸い込んだ時にも生じます。気管支拡張薬が無効で、ヒスタミンH1-拮抗(きっこう)薬とステロイド薬が有効です。